「無尽蔵」と「謙虚さの表れ」

衆議院議員を辞職して市長選挙に出ようという時期です。諸々の業務に忙殺されていたでしょうし、心理的にも人生最大級のプレッシャーに襲われていたはず。言葉は悪いけど「そこまで頭が回りませんでした」ということなのでは?

もちろん「100万円」という大金(しかも税金)の扱いが雑になるのは問題です。でもそれは吉村さんや維新の会に限った話ではなく、日本の政治全般が陥っている現状なのでしょう。お金に関する意識が低い。議員パスを私的な目的で使ったり。

カネ遣いが杜撰になる理由は簡単。分不相応に恵まれているから。それ自体は悪いことではありません。でも「他人より恵まれている」「贅沢をしている」という自覚を持たない人が政治家をやるのは。。。

前の職場の話ですが、サイズのずれたカバー用紙を正方形に切ってメモ紙にしたら上司に注意されました。「お客さまに大事な個人情報を書いてもらう場合もあるから」云々。びっくりしましたね。だったら社員用として使えばいい(最初からそのつもりでした)。備品がタダじゃないことは私以上にわかっているはずなのに。

要は「税金と会社のカネは使い放題」という錯覚。自腹じゃないからいいやと。

街の小さな書店で働いていたときは、逆の意味で驚きました。紙袋の底に敷く板紙を用意していない。経費節減でなくなったらしいのです。あれがないと何冊も本を入れたら重みで底が抜けます。ではどうするか? 入荷したダンボールの板をカッターで切って自作するのです。型紙に沿って一枚ずつ。

当時は「何でこんなことを」と思いましたが、いい経験をさせてもらいました。

北海道日本ハムファイターズの新庄BBは、新人時代に購入したグラブを17年間使い続けました。あれほどのスターなら、スポンサーからいくらでももらえたはず。でもそうしなかった。モノを大事にするのは謙虚さの表れ。状況がもたらす恵みは無尽蔵じゃないとわかっていた証です。

ぜひ改善してください。維新とれいわ新撰組に期待します。

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