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「枯れた技術の水平思考」

堀江さんのApple解説、見事でした。特に丈夫なまま軽量化を可能にした「アルミ削り出しボディ」のくだりが興味深かったです。

4年ほど前、大学時代の友人が「MacBook Air」をカフェで使っていて、ちょっと触らせてもらったことがあります。軽さと薄さに驚きました。かつて私が使っていたノートパソコンはメチャメチャ重く、持ち運びが大変だったのです。

堀江さんは「PDA=Personal Digital Assistant」と「iPhone」の質感の違いにも触れています。皆さんは本屋の店員が小型の機械で棚に貼られたシールと本のバーコードをピッピと読み込む光景を見たことはありませんか? あれを我々は「ハンディ」とか「PDA」と読んでいます。

壊れないようにごつい作りになっていますが、ポケットに完全に収まらないから落としやすい。iPhoneみたいなアルミ削り出しにしたら、軽くて丈夫になりそう(すでに”スマホ型ハンディ”を使用している店もあるとか)。

あと印象深いのはiPhoneがディスプレイに使っている「ゴリラガラス」の話。高い透明度と強度を誇るこのガラスは、コーニングという会社が1960年代に生み出しました。用途がなくて眠っていたものにスティーブ・ジョブズが目をつけたのは2006年。開発から50年近く経ってついに陽の目を見たわけです。

思い出すのは任天堂で活躍したゲームクリエイター・横井軍平さん。彼の哲学に「枯れた技術の水平思考」というものがあります。要は「既存の技術を既存のものとは異なる使い方をし、新しい商品を生み出す」と。

プロレスでたとえるなら、1995年に武藤敬司選手が編み出した「ドラゴン・スクリュー&足4の字固め」がこの典型です。地味な返し技だったドラゴン・スクリューを積極的な「足殺し」として使い、やはり古典的ムーブである足4の字固めと組み合わせる。これが斬新なフィニッシャーとしてファンに認知されたのです。

ジャンルに関係なく、天才やパイオニアの発想は傾向が近いのだなと学びました。仕事と創作に活かします。

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!