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「阪神6連勝」と「書棚の文脈」

巨人戦でいわゆる「負け試合」に負けず、空気が変わりつつあると感じました。そして迎えた中日との3連戦。まさかスイープしてしまうとは。

6連勝&単独首位。分岐点になった気がします。

流れが良くない時こそ中身重視。報われぬ展開が続いても投手陣が粘り強く投げ、悪くない内容で負けていたことが好況をもたらしたのでしょう。

書店にも売り上げの厳しいシーズンはあります。

かつて上司に「芥川&直木賞が1月と7月の中旬なのは、本が売れない時期だから」と教えられました(真偽のほどは定かではありません)。大きな流れに抗うのは難しい。でもだからといっていい加減な仕事をし、レジや事務所で愚痴を言い合っていたら空気は悪くなるばかり。

繁忙期に備えてカバーを折り溜める。忙しいと怠りがちな新刊情報のチェックに時間を割く。購買意欲と好奇心を刺激できるように乱れた棚を整える。やれることはあります。

noteで「1冊の棚差し」の重要性について書いてきました。

選書だけではなく並びも大切。あえてノイズを挟むという技もありますが、基本的には左から順に見ていったお客さんが頷ける明快なストーリーを意識しています。

たとえばエッセイ。先日は↓の2冊が離れていたので隣接させました。

上の本を書いた青木海青子(みあこ)さんは、奈良県東吉野村にある「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」の司書です。一方、下の本の著者のひとりである田尻久子さんは熊本県にある「橙書店」の店主。両書籍は「よく似た文脈」を備えており、近い場所へ置くのが自然です。

以前勤めていた町の本屋には「文脈棚」がありました。ジャンルの壁を越え、特色の近い本を一緒に並べる。あの視点は、むしろ蔵書の多い大型書店でこそ有用でしょう。

本屋へ行かれる際は、ぜひ書棚の並びから「文脈」を探ってみてください。意外な発見があるかもしれません。

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