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今後の書店員に求められる「目利き」

概ね同意します。

40%といわれる返品率を下げ、代わりに約22%しかない本屋側の利益率を上げる。リアル書店が生き残っていくにはそれしかない。

私は非正規雇用の書店員です。現状の賃金はほぼ最低時給。この業界で正社員として働いた経験はありません。しかし数年前に上司から「時給に換算したら君らの方が条件いいよ」と言われたことが頭に焼き付いています。

蔦屋書店を手掛けるCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)がこういう声を上げてくれるのは非常に心強い。紀伊國屋書店やジュンク堂書店といった他の大手も、この点に関しては志をひとつにして改革に取り組んでほしいです。

返品率を下げるには無駄な発注をやめること。平積み&面陳する新刊及び定番に関してはAIに任せるべきでしょう。部数調整(事前に希望数を伝えても減らされる)と売り逃しを恐れて多めに注文することがセオリーみたいになっていますが、これこそ大量返品の温床のひとつ。AIに判断してもらう方が誤差は少なくなるはず。

じゃあ書店員はもう発注業務をしなくていいか? そうは思いません。1冊の棚差しで他店との違いをアピールするのが担当の腕。瞬間的に大きな数は作らないけど、定期的に補充される本がどの店のどのジャンルにもあります。

つまり「大量に売れる本」ではなく「長く棚に置ける1冊」を見極める。今後はその意味での「目利き」が求められると考えます。良質でも買ってもらえなければ商売にならないし、売れれば何でもいいという安直な姿勢はお客さんに見抜かれる。簡単なことではありません。

いちばん確実なのは、自分で買って読み、良かったものを1冊仕入れてみること。そこから結果を出したものを残していく。私の担当する棚で最近「レギュラー」を獲得したのは↓です。

人の力とテクノロジー。双方の長所をアウフヘーベンし、いい方向へ変えていきます。

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