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「選べる特典」と「僕はそうは思わない」

集英社文庫の「ナツイチ」が始まりました。

ご購入いただいた方には、しおりとしても使えるスマートフォン用の「よまにゃ画面クリーナー」を差し上げています。色は4種類。私の職場では青が飛び抜けて人気です。

なおラインナップの中では、いまのところ↓の売れ行きが圧倒的。

単行本で読みました。相変わらずタイトルが秀逸。「敵は先入観」「僕はそうは思わない」に代表される説教臭くないメッセージに触れ、己の生きる姿勢を振り返るきっかけになりました。

というか、ただただシンプルに元気が出ました。

この本が世界を変えることはないかもしれない。でも誰かのざらついた精神をそっと癒すことはきっとある。もやもやした気持ちを発散させてくれることも。伊坂さんの小説にはそういう力があります。

短編集ですが「スロウではない」が特に心に染みました。主人公たちの「ドン・コルレオーネごっこ」をぜひ同僚やお友達、ご家族と楽しんでみてください。家事にお疲れの方には「逆ワシントン」に出てくるある人物のトークを見てほしい。猛暑でくたびれた心身に爽やかな一冊をぜひ。

話を戻します。

いわゆる「選べる特典」は店の立地や客層によって人気の傾向が変わってきます。数年前、他店舗から応援に来てくれた人に「『ナツイチ』の特典、○○だけが異様に人気で足りないんですよ」と話したら「ウチはそれメチャメチャ残ってます」「△△が断トツで減ってます」と驚かれました。

掲示板や社内便を活用し、双方のお客さんに喜んでもらえるようにやり繰りしたいところ。なかなかそういう時間を取れないのがもどかしいです。

似たようなパターンで、ウチでは即完売したけど地方の店舗でほぼ売れ残っている雑誌がありました。「10冊いただけませんか?」とFAXしたら「ぜひ!!」とすぐに返事が来ました。おそらく大手書店ならどこでもやっていること。でもある程度腰を据え、データとにらめっこする時間がないと気づけない。

事務所でパソコンの前に座って画面を見ているところへ、難しい問い合わせを受けた同僚が飛び込んでくる。なぜか罪悪感を覚えてソワソワし、必要以上に疲れます。サボっているわけではないのに。これも人手不足の弊害かもしれません。

出版不況だからやむなし。仕事があるだけでいい。書店は斜陽産業。ネットで十分。それらすべてに対して「僕はそうは思わない」と返したい。やっていきます。

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