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「2022年のクリスマスプレゼント」にオススメの二冊

休みの日も書店に行くことが多いです。

仕事熱心とかではなく、単に好きだから何となく。

そこで「あれ、こんなの出たんだ」と感じることは珍しくありません。取次の配本パターンが違うし、店の規模や場所、客層によって売れる本の傾向も変わってきますから。

ただ「この本はウチも置かないとダメだろう」「どうして入らなかったのか」と首を捻るケースも時々あります。自分の担当ジャンルじゃないものの方がそういう発見をし易い。いわゆる「岡目八目」でしょうか? 

今回該当したのは↓です。

昨年も出ています。↓で調べたところ、収録作品は一緒でした。ISBNとページ数が異なるので「あれ?」と思いましたが、値段と色、あと本のサイズが変わっただけで中身は同じようです。

「冬をテーマにした作品を収録した傑作選」とのこと。エルキュール・ポアロやミス・マープル、ハーリ・クィンといったクリスティー作品を彩る名探偵たちを一冊で楽しめます。嬉しいですね。各々の訳者の特徴の違いに目を向けても面白そう。

さらにクリスマスプレゼントを意識した豪華な装幀の施された函に入っています。ラッピングの嵐が吹き荒れるご時世ゆえ、これも書店員にとっては大変ありがたい。

クリスティーといえば「アクロイド殺し」「そして誰もいなくなった」「ABC殺人事件」「予告殺人」など長編のベストセラーで知られています。しかし実は短編にも名作が多いのです。ちなみに私のオススメは「スズメバチの巣」「チョコレートの箱」。後者は「クリスマスの殺人」に収録されています。しかもトップバッター。ハヤカワさん、わかってますね。

多くの本屋はすでに「クリスマスの~」を目立つ場所で平積みしているはず。ならば、その横にぜひ↓を。

NHKで放送されていた「名探偵ポワロ」シリーズ(こちらは”ポアロ”ではない)で主演を務めた名俳優デビッド・スーシェの自伝です。なんと四半世紀に渡って同役を演じたとか。

もはや私の中では「池田秀一=シャア・アズナブル」であるのと同じ意味で「デビッド・スーシェ=エルキュール・ポワロ」です。特に「スズメバチの巣」のドラマ版を見た時に受けた清々しい感銘が忘れられません。この人はわかってるなあと(実際、スーシェさんは原作を読み込んでいました)。監督と衝突してもなお貫いた誇りと愛情の深さにぜひ触れてみてください。

お子さんや大切な人への贈り物に「クリスマスの殺人」を、そして己を鼓舞するためのプレゼントに「ポワロと私」を全力でオススメします。

2022年の冬も寒くなりそうです。面白い本と一緒に楽しく乗り切りましょう。オ・ルボワール&メルシー・ボク。

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