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ハードボイルド書店員が「○○○○」に勧めたかった一冊

しっかり休んでください。

私は自民党を支持しません。景気が回復するまで消費税はゼロにすべきと確信しています。国の債務をあたかも家庭の借金みたいな事実とは異なるイメージで語り、不安を煽って増税を正当化する手口にも賛同できない。

でもそれとこれとを一緒にはしません。誰だって息抜きは必要です。

総理が足を運んだのは「丸善・丸の内本店」と思われます。村上春樹さんの「街とその不確かな壁」など約10冊を購入したとのこと。

彼が買ったとされる中で目を引いたのは↓です。

旅行ガイドの版元として知られる昭文社が出しているシリーズ。地図のコーナーがメインですが、私は世界史の棚にも置いています。

例の感染症が猛威を振るっていた3年前、同社の営業さんと話す機会がありました。当時の旅行書の売り上げは壊滅的で、前年比5%とかそんなレベル。生き残るために知恵を絞り、新たなヒット作を生み出した企業努力に頭が下がります。

ダイヤモンド社から学研グループへ事業譲渡された「地球の歩き方」も、近年は国内を扱うようになりました。販売データを確かめたわけではないのですが、レジにおける体感では海外ガイドにひけを取っていません。先月出た↓も好調です。

東京の書店で23区のガイド本が売れる。興味深い現象です。外国ばかりに目を向けず、足元を見ればまだまだヒントや打開策が眠っているのかもしれません。

最後に、もし岸田首相が私の職場に来ていたら勧めたかった本を一冊紹介させてください。

ウクライナで生まれ、日本の大学院で学んだ著者が日本語で綴ったエッセイ。チェルノブイリの事故や戦争、革命に振り回された人々のエピソードが胸に染みました。本の中で紹介されている相田みつをさんの言葉も記憶に焼き付いています。

「がんばらなくてもいいからさ。具体的に動くことだね」

どうぞ素敵な休日を。

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