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【本とわたし】 2月の読書記録。
2月に読んだ本は全部で9冊。(1冊入れるのを忘れてしまいました。)
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◆月の立つ林で 青山美智子
まさか、泣くとは思ってもみなかった。誰もが心の奥で抱えているであろう、それを心の奥深くで感じている。ひとつひとつの物語が繋がっている。月に関する語りに心を寄せる。連作短編集なので読みやすさもありつつ、物語は繋がっている。人は繋がりあっている。気づかないところできっと誰かの力になれている。
見えない新月に、願いをかける。
そしてそのあと、祈りを込める。
そこに変わらずいてくれる大きな存在に。
願いを叶えるために、僕は僕のやれることをしよう。
だからどうか、どうか見守っていてください。
この弱くて愚かで、ただ懸命な僕たちを。
◆詩集 愛について 若松英輔
買ったのは昨年の12月だったと記憶している。友達からの『買ったよー!』というLINEの連絡。
若松英輔さんの「詩集 愛について」の写真が送られてきた。「私もこの本気になっているのよ〜!」と返した・・・数日後。私も買った。
若松さんの詩集は全部いい、どれもいい。2月はバレンタインということもあって、この本をメインにした読書会を開催した。若松英輔さんの詩集は、私の言葉にならない思いを言葉にしてくれている。
奇蹟は あるとおもう
こんなに多くの ひとがいるのに
あなたに会えて
わたしは
ほんとうの わたしに会えたから
◆中庭のオレンジ 吉田篤弘
日常を離れ、21話のショートストーリーを。あなたもぜひ!吉田さんの物語は心に残るものがある。読了後の余韻が、また心地よかった。手にフィットする、本の大きさも好き。
人間というのはおかしなもので、たとえ、それが一度でも経験したことのないものだったり、あるいは、世間に背くような選択であったりしても、どういうわけか、「これでいいのだ」「自分にはできる」という確信めいたものが芽生えたりするものです。
◆すべて君に宛てた手紙 長田弘
時々、ふと手に取りたくなるのが、長田さんの本です。いつも夜に読みます。
贈られるあなた宛の39通の手紙。(エッセイ)
言葉に触れて、言葉から温もりを感じて。
谷川俊太郎さんの解説も、また良い。
急いでもはじまらないと、剣呑に構えて、本を手にする。ただそれだけ。
それが一人の「私」にとっての読書のはじまりなのだと思い切れば、よし。
◆一日の終わりの詩集 長田弘
同じくこちらも読むときは、いつも夜。
一日の終わりに、ベッドで、お風呂で、照明を少し落としたソファで。
リラックスした時に読むのがいい。大事なことが詰め込まれている、心をホッとさせてくれる詩集。
◆おかえり横道世之介 吉田修一
生きていると、日々いろんなことがある。それは、苦しくなる時も辛い時も。目を背けたくなるような出来事もある。それでも、生きていく。生きていける。
いろいろあっても、大丈夫なんだって。世之介見ていると、そんな風に思う。
「あとは、ここから浮かび上がるだけ。」
世之介はもう一度口にしてみた。
さっきよりももっと浮かび上がれそうな気がしてくる。
◆もう泣かない電気毛布は裏切らない 神野紗希
すごくすごく良かった。俳人 神野紗希さんが見ている視点、見ている世界が、私の心にも沁みました。(女性におすすめしたいエッセイ)
でも、子育てには必ず終わりが来る。そう考えれば、つらいあれこれも、少し楽になった。そのうち抱っこをせがむ回数は減り、毎日数時間おきに搾乳して与えた母乳も必要なくなり、手間ひまかかる離乳食の時期も過ぎ去った。
◆預言者 カリール・ジブラン
人間の普遍的なテーマを語る。愛、結婚、子ども、労働、理性と情熱、苦しみ、友情、美、死について、など26の項目について深く語りかけてくる詩集。
小さな本屋さんでこの本を買った。レジで店主の方が声をかけてくれてお話をしていたら、「これ、地味にうちの売れ筋の本なんです」とおっしゃっていた。置いてくださりありがとうございます!と伝えた。普段行く大型書店では、なかなかお見かけしない。気づけなかった。「これからもぜひ置いてください!」と笑顔で伝えた。
◆全ての装備を知恵に置き換えること 石川直樹
言葉になりません!もう、素晴らしく良かった!!頭のなかは、石川さんと共に世界を旅している。そして、私も一緒にその場所に立っている感覚。付箋だらけ。石川さんの生き方から勇気をもらう。私はわたしの生き方で、この選択を信じ、愛し、今を生きている。
ある晴れた日。思い立ったらザックひとつを背に歩き出せばいい。身勝手な生き方だと思われるかもしれないが、人間の生き方は本来そのようなものではなかったか。生命は常に旅立っていく。上昇気流に乗って浮かび上がる子グモのようにヒトは身軽であるべきだ。
三月。気持ちも弾む。新しい季節の訪れにワクワクする。さぁ、今月も読書を楽しみましょう!!