見出し画像

マイペース【ドーミーイン高崎】(2/3)

 僕は電車で都内の自宅から群馬県に向かっていた。この日、高崎駅周辺では第48回「高崎まつり」が開催されることとなっていたのである。この夏祭りは個人的に昔から馴染みがあり、昨今の社会情勢を鑑みて3年ぶりに行われるということで、僕も久々に足を運びたくなったわけだ。

 意外と知られていないことだが、東京駅から高崎駅までは鈍行でも片道2時間以内、新幹線では50分もかからずに移動することができる。関西や九州の友人からすると、北関東3県の群馬、栃木、茨城の位置関係がよくわからないそうだが、群馬は「内陸県」と呼ばれる比較的珍しい地域で、いわゆる海なし県だ。それだけ覚えれば、なんとなくどこにあるのか覚えられそうなものである。

 高崎に来た時は、いつも「そば処 梅の花」で蕎麦をいただいている。僕はここよりも美味しい蕎麦を食べたことがない。ただ、あまりにも何度も通い過ぎていたため、今回はあえてそのすぐ近くにあるもう一店舗の蕎麦屋、「蕎麦処つゆ下梅の花 本店」に数年ぶりに伺うことにした。ちなみに、この界隈には同じ「梅の花」という名前を冠する飲食店が複数あるけれど、店舗が公式に出している情報によると直接の関係があるわけではなく、それぞれが独立した店舗らしい。

 予約していた時刻に訪れ、注文をしてからしばらくすると、待望の「山家蕎麦」が運ばれてきた。蕎麦の盛り付け方こそ違うものの、メニュー表や薬味、器などを見る限り、どう考えてももう一店舗の蕎麦屋と資本的な関係がありそうな気がしたが、きっとなにかしらの大人の事情でもあったのだろう。僕がそこを詮索する必要はなく、純粋な気持ちで蕎麦と向き合えばいい。そして衝撃を受けることとなる。

ーーうますぎるじゃないか!!

 一口すすった瞬間に、蕎麦の香りと風味が口いっぱいに広がり、さらに歯応えのある食感が職人技を感じさせた。僕がよく行くほうの「梅の花」と比べると、つゆに関してはややカエシが強い分ダシの弱さを感じたが、総じてレベルが高い。都内にあったら間違いなく行列ができるだろう。といっても、すでに2店舗とも開店直後から満席になるほど地元民から支持を集める人気店なのだが。

ーーお腹も満たされたことだし、そろそろ行こうかな。

 僕は会計を済ませると、予約をしていたホテルに向かって歩き始めた。

ーー続く

(written by ナオト:@bocci_naoto)

YouTube「ボッチトーキョー」
https://www.youtube.com/c/boccitokyo

Twitterコミュニティ『ボッチトーキョー

①僕たちは自費でサウナに伺います ②それでお店の売上が増えます ③noteを通して心を込めてお店を紹介します ④noteを読んだ方がお店に足を運ぶようになります ⑤お店はもっと経済的に潤うようになります ⑥お店のサービスが充実します ⑦お客さんがもっと快適にサウナに通えます