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映画「アルゴ」を観て
8月14日「アルゴ」という映画を観た。原題は「ARGO」。2012年のアメリカ映画で、ベン・アフレック監督の作品だ。
キャストは、トニー・メンデス役のベン・アフレック、ジャック・オドネル役のブライアン・クランストン、レスター・シーゲル役のアラン・アーキン、ジョン・チェンバース役のジョン・グッドマンなどである。
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あらすじは、
イラン革命により、1979年2月にルーホッラー・ホメイニー率いる反体制勢力が、モハンマド・レザー・パフラヴィー国王をイランから放逐した。
しかしその後、国外に亡命したパフラヴィー元国王をアメリカが受け入れたことに反発したイスラム法学校の生徒を中心とした反米デモ隊が、同年11月にテヘランのアメリカ大使館を占拠し、52人のアメリカ人外交官が人質に取られた。だが、大使館が占拠される直前に6人のアメリカ人大使館員が大使館から脱出し、近くにあるカナダ大使公邸に匿われる。しかし6人が脱出したことを新政府(イスラーム革命評議会)は気づいていなかった。
これを受けて、CIA秘密工作本部作戦支援部のトニー・メンデスは6人をイランから救出するため、『アルゴ』という架空のSF映画をでっち上げて、6人をそのロケハンのスタッフに身分偽変させ、秘密裏にテヘランから脱出させるという作戦をたてる。
イランに渡り、6人の男女の大使館員に偽のパスポートを渡すトニー。映画スタッフとして実際にロケハンも行い、2日で帰国する予定だった。しかし、作戦中止を指示する上層部。アメリカ大統領が代わり、命令系統が滞ったのだ。イラン側の疑いを肌身に感じて、作成遂行を決心するトニー。CIAも協力して策を講じ、カーター新大統領から承認を取り付けた。
予定通り空港に向かうトニーたち。空港の警備隊長はハリウッドに国際電話をかけて英語でトニーの身分を問い合わせる才人だったが、これもクリアした。搭乗後に身元がバレて駆け付ける兵士たち。だが、スイス航空の旅客機は無事に飛び立ち、イラン領空から離れた。
と、いった内容。
で、観終わっての感想。
フィクションならば、すごくスリリングな映画
「第85回アカデミー賞作品賞」ということで鑑賞した。
全体を通して、見ごたえのある映画だった。
ただ、フィクションならばスリリングで楽しめたが、ノンフィクションとなると心は複雑である。
実際に起きたことだと思うと、恐ろしい
この事件が実際に起きていた。そう思うと恐ろしい。6名の脱出劇である。しかし、もし見つかってしまったら、恐らく街中でつるされて処刑された人と同じ目に遭っていただろう。それだけ、当時の人々のアメリカに対する憎しみは、凶器そのものになっていたことを感じた。
アメリカサイドの視点では美談だが・・・
この救出劇。視点を変えてみればどうなのだろう。
この映画は、アメリカ人サイドから見た視点で、描かれている。
いわゆる救出劇の美談である。
では、逆に当時のイランの人から見たらどうなのだろう。
それは、美談でもなんでもなくなる。
ぬけぬけと騙され、脱出させてしまった汚点になると思う。
どうしても、この手の映画は一方向だけ考えがちであるが、違う視点も持つべきではないかと、考えるのである。
1970年代の、再現の映画をつくること自体がスゴい
内容はさておき、1979年の事件そのものを再現する力は、さすがハリウッドという感じでである。
エンドロールで、当時の写真が出てくる。その比較として映画内のシーンと並べているのだが、これがまた再現度がスゴい。
いくら40年前とはいえ、イラン国内にはまだアメリカに対する悪い感情を持っている人も多いかもしれない。
そうではないかと思う中で、あれだけのエキストラを使って撮影する点も、あっぱれであった。
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