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映画「海の上のピアニスト」を観て

3月2日、「海の上のピアニスト」という映画を観た。
原題は「La leggenda del pianista sull'oceano」。1998年のイタリア映画で、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の作品だ。

キャストは、1900役のティム・ロス、マックスプルイット・テイラー・ヴィンス、少女役のメラニー・ティエリーなどである。

あらすじは、

第二次世界大戦の終戦直後、マックス・トゥーニーは愛用のトランペットを金に換えるために楽器屋を訪れた。彼はトランペットを売った後になって、店主にもう一度だけトランペットを吹かせて欲しいと頼む。彼の演奏を聴いた店主は、同じ曲がピアノで刻まれたレコードを持ち出し、曲と演奏者の名前を尋ねた。すると彼は、「1900 (ナインティーン・ハンドレッド)」と呼ばれた男の物語を語り始める。
大西洋を往復する豪華客船ヴァージニアン号。その上で産み捨てられた赤ん坊を拾った黒人機関師のダニー・ブートマンは、その子に自分の名前、捨て置かれていた箱の名前、生まれた西暦などから「ダニー・ブードマン・T.D.(Thanks Danny)レモン・1900」と名付けて大切に育てる。しかし、ダニーは1900が8歳の時に事故で帰らぬ人となった。1900はダニーの葬儀で流れた音楽に惹かれ、ピアノを弾き始める。
1927年、成長した1900は嵐の夜に船酔いで動けないマックス(コーン)と出会い、共に船内でバンド演奏をすることになる。その誰も聴いたことの無い音楽の噂は瞬く間に広がった。そんな中、ジャズを生んだというピアニストのジェリー・ロール・モートンも噂を聞きつけ、ピアノ演奏による決闘を申し込んでくるが、奇跡のようなピアノ演奏で1900は見事にモートンを打ち負かす。
ある日、レコード会社が1900の音楽を世間に広めようと録音にやってきた。1900はろくに話も聴かず演奏を始める。この時、何気なく窓に目をやると美しい女がそこに見えた。彼はすぐに恋に落ちてしまい、演奏した音楽には愛が溢れていた。録音が終わると、1900は契約を破棄してレコードを持ち去る。
1900が何も行動できずにいると、彼女が船を降りる時がやってくる。1900は勇気を出して会話をするが、レコードを渡すことは人ごみで果たすことはできなかった。1900はレコードを割り砕き、ゴミ箱に捨ててしまう。
彼女に会いに行くために1900はついに船を降りることを決意する。仲間たちが見送る中、1900は階段をゆっくりと降りていった。しかし、途中で立ち止まり、何も言わずに船の上に戻ってきてしまう。それから月日は経ち、マックスも船を降り、1900だけが船に残り続けた。
1946年、楽器屋の店主から、戦争で朽ち果てたヴァージニアン号を解体するために、船にダイナマイトが仕掛けられたと知らされたマックスは、船内にまだ1900が残っていることを必死で訴え、強引に入船する。自らがゴミ箱から拾い上げ、後に楽器屋の店主が入手したレコードを借り出して。
しかし、いくら探しても船内に1900の姿は無く、レコードを流しても応答は無い。諦めかけたその時、マックスは暗がりに人影を見つける。1900の姿だった。マックスは船から降りて一緒に音楽をしたいと説得するが、1900が船から降りられない理由を聞かされると、返す言葉が無かった。
マックスが船を降りた後、船は爆音と共に海に沈んでいった。話を聞き終えた楽器屋の店主は、去り行くマックスにトランペットを返して見送る。

出典:Wikipedia

といった内容。

で、観終わっての感想。

無限の鍵盤で人間が弾ける音楽はない

「鍵盤の数は88と決まっている。無限ではない。弾く人間が無限なのだ。人間の奏でる音楽が無限。無限の鍵盤で人間が弾ける音楽は音楽はない。」

この言葉が、ボクには刺さった。
要は、限られた世界の中で生きる人間こそ、無限の生き方ができる。「どんな状況下でも、人の生き方次第で人生は無限に広がる」ことを伝えたかったのではないかというセリフである。
人は生きている状況下で、その環境に嘆き、言い訳にする。
どんな環境に生まれようとも、自分の生き方次第で無限に人生は変えられるのかもしれない。

陸に降りなかった「1900」

1900は、陸に降りようとしたことが一度だけある。
でも、タラップの途中で立ち止り、しばらくそこで街を眺める。
そして、結局陸に降りずに、そこから船に引き返す。

のちに、親友のマックスに、その時の気持ちを伝える。
「あの大きな街には、終わりがなかった。」という言葉だ。
終わりがあるからこそ、人は進んでいける。
彼にとって、終わりのない世界ほど怖い世界はないのかもしれない。
船はアメリカとイタリアの間を航海する。
そこには必ず終着点がある。

ボクらの生きる生活の中で、終着点とはいったい何なのか?
それを考えさせられるシーンである。

結局、1900は、船から降りず、船の爆破とともにその一生を終えることとなる。

ジャズピアニストとの対決シーンがたまらない

この映画の中で一番の見どころは、ジャズピアニストとの対決シーンだ。
観ていてすごく楽しいし、1900の行動がかっこいい。

煙草を、演奏で熱くなった弦でつけるシーンは、面白すぎた。
とにかくこのシーンが、この映画で最大に盛り上がるシーンだと思う。

マックスとの友情

この映画の中で、1900のことを回想するのが親友のマックスである。

マックスが1900と出会ったのは、嵐で海が荒れる船の中。
そこで、船酔いもせず悠々とピアノを弾く1900。
さらに、ピアノの車止めを外して、ピアノを弾く。
まるでピアノが、船の中をダンスしているように動く。そこで、軽やかにピアノを奏でる。マックスも彼の横に座りそれを体験する。
その出会いから、2人の友情は深まってゆく。

映画の中では、マックスの回想が、1900という人がこの世の中に存在していたことを、明らかにしてくれる。

人は、それぞれの人生があり、誰かの記憶の中にずっと生き続ける。
その記憶をする人がいなくなった時が、本当の死かもしれない。


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