茉莉亜まり

ことばのひとです。ことばにはっとしたりとっつかまったりだきしめられたりすてきにとりつか…

茉莉亜まり

ことばのひとです。ことばにはっとしたりとっつかまったりだきしめられたりすてきにとりつかれたりします。もうすこし書くと川柳と詩とエッセイのひとで月に一度FM宝塚で川柳の時間を担当したりしています。

記事一覧

とし総子&茉莉亜まり二人展@くうねるん 〜「場」を与えていただけるということ、ことばとともにあるということ〜

JR土山駅南から歩いて3分。 こっこさんのつくってくださっている「場」、くうねるんがあります。 「絵本カフェ」と冠しておられますが、音楽、朗読、落語、テーマトークな…

7

終巻の朝

終われと願う 終わりと真夜の空を仰ぐ 終巻その最後まで 旅を続けた 終巻の終わりは 一巻の終わり そして落ちてきた 魔界とも聖域とも決まらぬ 朝の空 終われと願う は…

13

終巻のハーモニー

わっと放り込まれるはあもにい破綻 破鏡へと「実」どどどどと投下され たすけての声出せなくて潜る水 輪郭はとけて滅びてゆくお皿 あなたから見えずどこにもいなくなる…

10

砂時計

月は満ちる わたしのそとで わたしのなかへ 光を喰む わたしのそとの わたしへ向かう 満ちては 光る みちたり かけたり  なにもかけることなく みちたり 過去も未来も…

8

龍の尾

水清か滝の裏より見るこの世 龍神を待って谷間の水の宿 水の奥神なるものに遭うための 源流を辿れば川ごとがわたし 雲流る龍はその尾を靡かせて #川柳 #Senryu #月

10

龍の棲む處

苔むす岩肌からしとしとと 水が滴る 山道をてつてつと登り その山に棲むという龍 そのものに会いにゆく せせらぎの音が肌をなで  俗の皮膜をうすくうすく こそぎ落とす …

7

だんだんのたんたん

狂いとは見えてたゆたう海へ入る うつくしいあんぜんふわふわのくらげ 毒に刺そして水へとちかくなる マンボウの生存 天の掟ごと だんだんのたんたんクリオネはきれい…

8

だらりとつづく

いわゆる二度目のコロナ感染で一度目よりも熱も出なくて喉の痛みもなんとかしのげるくらいで家から出ない生活を今日で4日続けていたけれど微塵も苦痛でなくからだ的に苦痛…

茉莉亜まり
10日前
6

記憶の海

書くための 記憶を掘り 海を渡りはじめる 彫られ刻まれた記憶が 封印を解き 細胞に滲み出る おわったこと おわらせてきたこと おわらせたのだと じぶんのすべてをだまし…

茉莉亜まり
10日前
8

夜に摑まれ幻を貰う

正気ひとつ手放す夜に摑まれる 咽頭にちいさな神の蠕いて わけ入った先どどどうと森の川 ダリア赤覚悟おおきく掌に置かれ 幻を貰い女神は瞳を開く 蝶渡る視界の消えた…

茉莉亜まり
11日前
6

はなれる

かたかたとしてきた さあはなれよう からだから どこへでもいっていいのだと ちひさなとりがさへずる そらはそらとして 自由の色をいつも示し うみはうみとして 旅立つ…

茉莉亜まり
12日前
11

うつくしい湖

もう焉わるのだから うつくしいだけを 喰んで喰んで みぞおちあたりの湖は 凪いで鏡となる 鏡に映る女神が やがてわたしの躯を連れ去る それは百万年の先のこと うつ く…

茉莉亜まり
2週間前
14

黒百合の永遠

生かされてアラビカジャスミンの魔法 死に向かう花であなたはうつくしい この花は永遠だよと植えられる 黒百合の異臭わたしを憶えてて

茉莉亜まり
2週間前
9

きえゆくきぼう

その名はきぼうといった 夏の宵 突然に光の粒としてあらわれ 瞬く間に 夜空を真横に過ぎって ふたたび夏の宵だけが残された まぼろしはまぼろしで ほんとうもほんとうで …

茉莉亜まり
2週間前
5

それのみの世界

その空を戻そう 渡してはならないものを 渡してしまうその 弱さに火を放て その水を浄めよう あらぬ流れを引き入れてしまう その不浄を切り捨てよ そのニセモノの愛を 海…

茉莉亜まり
2週間前
6

雲どれもずっと完全なるかたち

このところ動き過ぎて多くの人に会いすぎたのでしょう、キャパオーバーとなりずどんとダウンしました。こうなるとひたすら感覚にやすんでもらうしかなく、リビングの床のベ…

茉莉亜まり
2週間前
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とし総子&茉莉亜まり二人展@くうねるん 〜「場」を与えていただけるということ、ことばとともにあるということ〜

とし総子&茉莉亜まり二人展@くうねるん 〜「場」を与えていただけるということ、ことばとともにあるということ〜

JR土山駅南から歩いて3分。
こっこさんのつくってくださっている「場」、くうねるんがあります。
「絵本カフェ」と冠しておられますが、音楽、朗読、落語、テーマトークなどなど、その冠にはとどまらない多彩なイベントが開催されています。

くうねるんさんのインスタグラムはこちら。

https://www.instagram.com/kunerun8?igsh=cmVibTlvZmxyZGZ1

くうねる

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終巻の朝

終巻の朝

終われと願う
終わりと真夜の空を仰ぐ

終巻その最後まで
旅を続けた

終巻の終わりは
一巻の終わり

そして落ちてきた
魔界とも聖域とも決まらぬ
朝の空

終われと願う
はじまるのかと空を仰ぐ

その一瞬に
鳥の群れが
過ぎる
#詩 #ポエム #月音花声

終巻のハーモニー

終巻のハーモニー

わっと放り込まれるはあもにい破綻

破鏡へと「実」どどどどと投下され

たすけての声出せなくて潜る水

輪郭はとけて滅びてゆくお皿

あなたから見えずどこにもいなくなる

暗闇へ無限に消えてはあもにい

閉じた瞳の奥にカケラは刺してある

もういいねさよなら待ってはあもにい 

窒息の時間ふるえて閉じる朝

月あかり 戻らず消えるはあもにい

終巻の終わりに一巻の終わり

救いなどない空からのハー

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砂時計

砂時計

月は満ちる
わたしのそとで
わたしのなかへ

光を喰む
わたしのそとの
わたしへ向かう

満ちては
光る

みちたり
かけたり 
なにもかけることなく
みちたり

過去も未来も
時はすべてを含みきり

月あかりのもと
砂時計は永遠に
かえし
かえされる
#詩 #ポエム #月音花声

龍の尾

龍の尾

水清か滝の裏より見るこの世

龍神を待って谷間の水の宿

水の奥神なるものに遭うための

源流を辿れば川ごとがわたし

雲流る龍はその尾を靡かせて
#川柳 #Senryu #月音花声 #創作大賞2024

龍の棲む處

龍の棲む處

苔むす岩肌からしとしとと
水が滴る
山道をてつてつと登り
その山に棲むという龍
そのものに会いにゆく

せせらぎの音が肌をなで 
俗の皮膜をうすくうすく
こそぎ落とす

やがての滝
そのものそれこそが
龍の姿となり
天翔ける

あなたを
あなたたちみなを
ほかならぬいまのいま
此処へと呼んだのだ



そんな証を見せた
龍は  

いついかなるときも
水として
雲として
見えはしない
存在そのも

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だんだんのたんたん

だんだんのたんたん

狂いとは見えてたゆたう海へ入る

うつくしいあんぜんふわふわのくらげ

毒に刺そして水へとちかくなる

マンボウの生存 天の掟ごと

だんだんのたんたんクリオネはきれい
#川柳 #Senryu #月音花声

だらりとつづく

だらりとつづく

いわゆる二度目のコロナ感染で一度目よりも熱も出なくて喉の痛みもなんとかしのげるくらいで家から出ない生活を今日で4日続けていたけれど微塵も苦痛でなくからだ的に苦痛でないほどであることがありがたくて思い出など掘りおこして掲載の可否はとある編集部に一任というエッセイ原稿を2本書き上げたりというか一本は既提出のムーンライダーズと架空楽団のことなど書いた2800字ほどこものを半分くらいになりませんかというミ

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記憶の海

記憶の海

書くための
記憶を掘り
海を渡りはじめる

彫られ刻まれた記憶が
封印を解き
細胞に滲み出る

おわったこと
おわらせてきたこと
おわらせたのだと
じぶんのすべてをだましていたこと
それでよかったのだからのこと

すべてがさざ波となって
全細胞にゆきわたる

こわさもいたみも
りあるも
もうないとして
ないのなかに
ゆるやかにあり
時間はにじみながら
ふくよかに
海からの風をふかせる
#詩 #ポ

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夜に摑まれ幻を貰う

夜に摑まれ幻を貰う

正気ひとつ手放す夜に摑まれる

咽頭にちいさな神の蠕いて

わけ入った先どどどうと森の川

ダリア赤覚悟おおきく掌に置かれ

幻を貰い女神は瞳を開く

蝶渡る視界の消えた対岸へ

道に遭うすべて振り切り海に出て
#川柳 #Senryu #月音花声

はなれる

はなれる

かたかたとしてきた
さあはなれよう
からだから

どこへでもいっていいのだと
ちひさなとりがさへずる

そらはそらとして
自由の色をいつも示し

うみはうみとして
旅立つ先を果てしなく与える

からだというものなど
それというもとがあるがために
不自由の色を塗られ
旅立ちを遮られる
それならば

はなれよう
はるかゆたかな過去へと
とても届かぬ未来へと
いまのいまという時
そのど真ん中へと
#詩

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うつくしい湖

うつくしい湖

もう焉わるのだから
うつくしいだけを
喰んで喰んで

みぞおちあたりの湖は
凪いで鏡となる

鏡に映る女神が
やがてわたしの躯を連れ去る

それは百万年の先のこと
うつ



すべてを鏡に映しきり
百万年のその先へ
ようやく向かう
その時のこと
#詩 #ポエム #月音花声 #創作大賞2024

黒百合の永遠

黒百合の永遠

生かされてアラビカジャスミンの魔法

死に向かう花であなたはうつくしい

この花は永遠だよと植えられる

黒百合の異臭わたしを憶えてて

きえゆくきぼう

きえゆくきぼう

その名はきぼうといった
夏の宵
突然に光の粒としてあらわれ
瞬く間に
夜空を真横に過ぎって
ふたたび夏の宵だけが残された

まぼろしはまぼろしで
ほんとうもほんとうで

そのどちらをも
おなじように愛している

わたしこそが
ほんとうで
まぼろしなのだとしたら
それこそが
消えゆくけれど
たしかにある
きぼう
#詩 #poem   #宇宙ステーション
#月音花声

それのみの世界

それのみの世界

その空を戻そう
渡してはならないものを
渡してしまうその
弱さに火を放て

その水を浄めよう
あらぬ流れを引き入れてしまう
その不浄を切り捨てよ

そのニセモノの愛を
海に還そう
愛は愛そのものであって
黒インクで書かれた「似非」は
宇宙から消し去られるべく
矢の先に結わえ
彼方へと放てばよい

取り戻せ
空は空でしかなく
水は自然の光しか反射することなく
海は海そのものとしていのちを抱き
紛れも

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雲どれもずっと完全なるかたち

雲どれもずっと完全なるかたち

このところ動き過ぎて多くの人に会いすぎたのでしょう、キャパオーバーとなりずどんとダウンしました。こうなるとひたすら感覚にやすんでもらうしかなく、リビングの床のベランダ寄りに布団を引き、寝っ転がっています。
今の季節、白くてころんころんとした花を付け香るアラビカジャスミン、葉を繁らせているマスカット・オブ・アレキサンドリアが、外界との結界を作ってくれています。たぶん。

アラビアジャスミンは5年前の

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