茉莉亜まり

ことばのひとです。ことばにはっとしたりとっつかまったりだきしめられたりすてきにとりつか…

茉莉亜まり

ことばのひとです。ことばにはっとしたりとっつかまったりだきしめられたりすてきにとりつかれたりします。もうすこし書くと川柳と詩とエッセイのひとです。

最近の記事

ひねもす句会グループ展のお知らせ

昨年、須磨のあいうゑむさんで展示をさせていただいたご縁で、徳島からお見えの梅村光明さんが講師兼捌きをおつとめくださる連句の会 「ひねもす句会」に連ならせていただいています。 「十七季」をぱらぱらと繰り、浅学ははじめて知るゆたかな日本語に出合いながら出句しますが、連句のきまりごとはまだまだ頭に入ってはおらず、入っているものも、句を考えているとどこへやらでついつい頭から飛んでしまいがちです。 それでも、連なるみなさんそれぞれの話題が尽きず、半分以上、いや、劣等生であるわたし

    • 墓標空白

      白昼に満月きのう遇った人 三つ買う呪文月夜の露店にて 紙の月不実の半分を愛す 冤罪のはや十度目で虹を出す 約束の時間へ空は深くなる 墓標空白天使の羽を葬って #川柳 #Senryu #月音花声 #創作大賞2024

      • 山梔子(くちなし)

        夏の気配の深くなった 朝を歩く 葉ばかりを繁らせた 山梔子の茂みから その命を終え 褐色に朽ちたその白い花のあとも いつしか消えていた そこかしこに その一瞬を叩きつけるように 一気懸命に降りそそぐ 蟬の声 と、すすみゆく季節の 忘れ形見として 世界が見逃して たいせつに残していた 名残の山梔子 そのいち輪の真白に きょうという日を託される 生きて 花 どんな風に生きようと #詩 #poem #月音花声

        • 満月抱くやわらかな音

          おかやまより東行 最終鈍行の車窓より。 今宵、夏至。 雲ひとつたなびかぬ宵漆黑は  満月抱くやわらかな音 #短歌 #tanka #月音花声

        ひねもす句会グループ展のお知らせ

          ポップな闇

          かたくなな闇ふわふわとまたひとり ふるるるるポップな闇へすべり込む ブラウスはシルク闇こそやわらかい #川柳 #Senryu  #月音花声

          ポップな闇

          呪のひかり

          紅の衣にシャーマンは裸足 囚われの宿世の暗く美しい 呪のひかり貝殻に月閉じ込めて #川柳 #Senryu  #月音花声

          終わりしか見ない

          やすらかにちいさな村に旗立てて この旅の果てへ果てへと波に風 たたかひは終わり終わりと海へ出る 一巻の終わり辺りに植える種 終わりしか見ない瞳であたたかい #川柳 #Senryu #月音花声

          終わりしか見ない

          朝顔の花冠

          いつも死を思えば朝顔の花冠 1週間ほど家を空けてのち帰宅した翌朝、 双葉も本葉もなしにひょろりんと伸びた 蔓に今季いちばんの朝顔が咲きました。 引っ越した娘が今年の3月まで住んでいた奈良大和郡山の佐保川のそば、「の山にいでし月かも」と続けたくなるメゾン三笠の、北東には若草山を臨むアパートのベランダで咲いていた朝顔です。 娘は当時の職場の先輩から「咲いてのお楽しみ」と、どんな朝顔かを知らされず貰った種をプランターに植え、帰宅が夜の9時、10時、それより遅くなってもなんとか

          届かない月

          愛だからぢゃなくて 月が満ち満ちている 捨てに行こう 月の寒さを あの気高き山を越えたところの 湖へ 愛だったとかぢゃなくて あすから欠けてゆく その月を 世界のあっちのほうのすみっこと 世界のこっちすぎるすみっこと うんと手を伸ばして 届かないを届けながら 届かないままを 愛して #詩

          まっしろな

          さざずずずと 鳩尾からこぼれる いまへの違和と 未来へと向かう あしあとと もどってもすすんでも 愛にはもう遅い つぎのページにあるのは 青色のペンで描かれようとしている 空になる手前の まっしろな 海 #詩

          たすけての便りはソーダ水の泡

          ふつふつの たすけてといふ泡として ソーダ水には無限の記憶 #川柳 #Senryu  #短歌 #tanka #jtanka #月音花声

          たすけての便りはソーダ水の泡

          水たまからこぼれるはなし

          2600余字の原稿を書くため、浅学は浅学なりをもって折口信夫という崇高な山に分け入っています。一昨年、おかやま文学おかやま文学フェスティバルでお役目のおはなしをさせていただいたときに一度分け入り、ふたたびこの山にやってきました。 林浩平さんの『折口信夫 霊性の思索者』を読み進めていき、きのうの明け方、ある部分にきて、ああ、この方は、となり、今日びのことでごめんなさいとウィキペディアカンニングをさせていただき、加納光於、キング・クリムゾンと出てきたので、おぉ、となり(このあた

          水たまからこぼれるはなし

          水たま

          ぽろんとこぼれる 水はわたしから わたしの外へと 川へ 海へ 空へ 宇宙とかまでへも いのちのすべてを 運んでは またもどる 水は玉、となり 玉は珠、を産み 靈の内へと 吸われゆく すべては巡り 巡らせる その巨いなる掌の中 水たまは ぽろん ころんと 光って #詩 #poem #月音花声 #水 #水たま

          フラスコ

          おおきさの知れないフラスコ なかでぶくぐちゃとしているのは ごめんなさい ごめんなさい 過剰なのです 生きること そのありようが 稀薄に生まれついたのです いのち その濃度が フラスコの過剰 ぶくぐちゃと濃度をますための そのさまは 空のうら側のその向こうそのあたりで やれるといいのに その向こうは永遠ほど遠く いのちが生身に巣食ううちには たどり着くこと決して叶わず ぶくぐちゃと フラスコをみにくく持ち歩く ふられふる ふりにふる ほんの一瞬、それ一瞬きり 透

          とけてゆく実験

          とけてゆく輪郭探る湖の底 noteをよたよたとつかいはじめました。 ルビが入るなんてしらなくて、ってか、そもそもできない体でしらべてなかったなあなまんまつかってるよ〜、で 湖(うみ) ってしてたら、note、ルビ入りますよ、ってまつりぺきんさんにリンクまで張ってお教えいただき(もうね、めちゃめちゃありがとうございまっす!です)、なるほどなるほどアップしたあとでも編集できるのね、とリンク先のAndroid用の手順を書き写し、編集を試みるも、むむむ。 ルビを入れるための決ま

          とけてゆく実験

          水音(すいおん)

          水の奥神なるものに遭うための とけてゆく輪郭探る湖の底 愛うすく凍れば切れるような水 わたくしを委ね川面に射す陽の手 侵されぬこの深淵の苔に露 魂魄を漱ぐいまから往く海へ 水の音たったひとこと泣いた日の #川柳 #Senryu  #月音花声 湖(うみ)

          水音(すいおん)