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『三行で撃つ』を読んだので、ライブ映像を自分なりの表現で文章にしてみた

また、すごい本に出会ってしまった。

近藤康太郎さんの『三行で撃つ』という本です。

SNSなどで、複数の方がおすすめしているのを見聞きして、気になっていた本。
評判に違わず、とても刺激的な本でした。

読んでる間、ずっと脳と心がピリピリ刺激されるような感じがしました。痛いような、うずうずするような。

面白い本を読めている高揚感と、自分でもこれほどまでの文章を書けるようになるのだろうかという緊張感と途方もなさと、一刻も早く文章を書きたくなるような焦燥感。それらがないまぜになって、読みながら興奮してしまうくらい、いい本でした。

この本でくり返し主張されているのが、「常套句や流行語に頼らず、自分の頭で考えて、自分で見たものを、見たまま正確に書け」ということ。
つい常套句や、使いやすい言い回しに頼ってしまうことは、わたしもよくあります。

先日まで受けていたライター講座で、文章を添削してもらったときのこと。文章の流れ的に一番盛り上がる場面で、「~だと気づいて、ハッとした」という表現を使ったのです。そうしたら、講師の先生から「一番いいところで、こういうありふれた表現は使わないほうがいい」と指摘を受けました。

それまで、「ありふれた表現を使わない」という視点で文章を書いたことが一度もありませんでした。なので、その指摘は講座の中で受けた指摘の中でも、一番印象に残っています。

そんなことがあった後に読んだ、この『三行で撃つ』。
この本にも「常套句を使わない」ことが挙げられているのを読んで、ふと上記のやり取りを思い出しました。


自分の頭で考えて、自分の言葉で文章を書く

もし、常套句やありふれた表現を使わないで文章を書いてみたら、どうなるんだろう。それって難しいんだろうか?

そう思ったので、試しにライブ映像を観ながら、良いと思ったところをできるだけ自分なりの表現で言葉にする実験をしてみました。

今回観た映像は、大好きな坂本真綾さんの25周年記念ライブ『約束はいらない』です。映像を見ながら、箇条書きで良いところを挙げていって、あとでそれをつなげて文章にしています。


ステージ上、主役の坂本真綾さんは、自ら発光しているのかと思う。頬も白くつややかに輝いていて、表情も晴れやか。
映像は全体を通して、淡い光に包まれて幻想的。光の球が淡く光り、瞬きながら上下するのがまるで無数の蛍のようで美しい。

『スクラップ~別れの詩』、目まぐるしく変わるライティング(光の演出)に迫力がある。うつむいて力を込めて歌う姿と歌声から、強い切実さが胸に来る。

『色彩』のレインボーなライティング、プリズムみたいにきれいでうっとりする。サビのユニゾンが気持ちいいくらいぴったり合ってるのが本当に良い。向かい合って歌う「あなたがいる世界に私も生きてる」という歌詞、最高。

『birds』も熱量がすごい。そもそもこのライブ全体の熱量が、めちゃめちゃ高い。
『private sky』、感極まって泣きそうになるくらい、お客さんも演者もみんな楽しそうすぎた。あぁ、ライブに行きたくなる。

このライブは、曲に合わせてどんどん変わるライティングだったり、ステージ周辺に上がる炎の柱だったり、LEDの光の球だったり、せり上がるステージだったり、ありとあらゆる演出が詰め込まれている。この盛りだくさんな感じが好き。

名曲揃い、演出も多種多様、デュエットもある、ライティング最高、そして真綾さんが輝かんばかりに美しい。全てが揃った最高のライブだった。


はい。これを読んでいただければわかると思うのですが、すごく難しかった!

「迫力がある……ってどういうことだろう?」「美しいって、何がどう美しいんだろう?」と悩みながら脳内語彙集をフル回転させて書いてみたけれど、なかなか言葉が見つからなくて、自分の限界を感じました。

けど、そうやってみると、他の人が読んだ時にも情景が浮かびやすい文章になっているような、気がする。(私だけかもしれない……)

難しく感じたけれど、こういう文章の筋トレみたいなものは必要だと思うし、これからも続けていきたいな、と思いました。

ライブ映像を文章にしているときも、この文章を書いている今も、感じたこと全部を言葉にしきれていないような感じがしてすごく悔しいんです、本当は。語彙力とか、表現力とか、もっともっと身につけたい!


けど、自分のこの気持ちを表すにはどんな言葉がいいだろう、って頭が沸騰しそうなくらい考えて考えるのは、実はけっこう楽しいし気持ち良かったりします。
まだまだ足りないものは多いけれど、やっぱりわたしは書くことが好きだなぁ。


では、今回はこのへんで。

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