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MtF。カミングアウト、在職しながらの性別移行の道程、その他日々思うこと ...etc…

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MtF。カミングアウト、在職しながらの性別移行の道程、その他日々思うこと ...etc を書いていきます。

最近の記事

退職のこと

十月いっぱいで退職する旨を、今週上司に報告した。 昨年の十二月から今年の一月にかけての二ヶ月間の休職。 二月のあたまに復職して復調のために私なりに努力はしてきたけれど状態が戻りきらず、七月まで頑張ってみたところで、これ以上は今の会社に勤め続けるのは厳しいなと思うようになった。 環境を変えてリスタートすることが、調子を戻すために必要だと判断した。 * 復職時のシチュエーションは悪くなかった。 復職前の人事・産業医との面談のときにお願いしていた部署異動の希望も現場の方

    • 結局何に『適応』できなかったのだろう?

      年が明けてはや半月経って、少しづつ心に余裕が持てるようになってきたので、適応障害で休職に至るまでのことをゆっくりと振り返ってみた。 潰れてしまった原因は、大きく二つあったと思っている。 一つは、私の担当する案件で委託先のプロジェクトリーダーが鬱病になってしまったこと。 関係者の間では、私が潰したということになっていたみたい。 そして、あることがきっかけで、委託先も私の上司たちも一方的にそう結論づけていたことを知ってしまった。 時間が経過して、少し冷静に振り返ることができ

      • 休職のこと

        いろいろあって、実は昨年の十二月から休職している。 十二月初旬のある日の夜、仕事を終えた私は、そのまま社員証兼入館カードと社用携帯を机に置いたまま帰宅した。 そして翌日は無断欠勤してしまった。 人生初。自分自身ちょっとショックだった。 その日は一日中ずっと泣いて過ごした。 自死も考えた。何度も何度も。 その度に踏みとどまろうとするけれど、涙が止まらない。 嗚咽を繰り返し、落ち着くと今度は希死念慮が静かに襲ってくる。 その繰り返しで、まるっと一日を潰した。 精神の不安定

        • 今日の占いから

          なにかしら示唆めいたものを感じたので、少し記録にとどめておこう。 一日の終わりに、ふと、いつもの占いサイトで今日の運勢を振り返って見てみたら、このように書いてあった。 あなたはあるジレンマに直面しています――  あなたが欲しているのにどうしても手に入れられない何かがあり......そして、あなたがなくしたいと思っているのに、どうしても取り除けないように思えている何かがあります。 私の抱えている課題について、一日中あれこれと考えを巡らせていて、少しネガティブになったり、そ

        退職のこと

          職場でのアウティングについて考える

          先日、職場の皆様方へ向けてカミングアウトした際に一番憂慮したことは、私がオープンに知らせてしまうことで相手方に必要以上に意識させちゃったりして、人間関係がよそよそしくなったりギクシャクしたり、何かしら気まずい雰囲気が続いてしまうことだった。 なので、話の内容として、前半は事実や経緯を淡々と伝えつつ、後半は当人としてはアンタッチャブルな事柄ではないことと、何か迷ったり分からないことがあったりしたら気兼ねせずにお問いあわせいただいて大丈夫だよってことを、あわせて伝えた。 皆、

          職場でのアウティングについて考える

          職場へのカミングアウト

          先週末に職場の同僚の方々に一斉にメールでカミングアウトした。 当初は、月に一回か二回開催される所属部署の全体ミーティングで少し時間をもらってお話をさせていただこうと思っていたけれど、部長や課長から何かもうちょっとライトな感じでやれないかなー・・とやんわり諭されてしまったので、まずはメールで周知することになった。 私はこの日はお休みで、午前中はクリニックへの通院だった。 職場にいる間に送信したり、帰り間際にメールを出し逃げして帰宅するのも、何か居心地悪いというかお互い気ま

          職場へのカミングアウト

          薄着と口紅へ思いを巡らせる(または在宅勤務への哀愁)

          結局、例のマスクはまだ届かず仕舞いのまま、一昨日の夕方に首都圏の緊急事態宣言が解除された。 それを受けて当社もフルタイムの在宅勤務が終わるという周知がされた。 ちょっと急ぎすぎなんじゃないかと思うけれど。 これから来週くらいにかけて、電車の混雑状況や感染者数の揺り戻しや病院のキャパなんかからリスク評価したい気分ではある。 当社の業態についてはここでは明かせないけれど、おそらく出社を増やしたところで売上がすぐに平常時並みに回復するとも思えないし。 大半の社員が出社してい

          薄着と口紅へ思いを巡らせる(または在宅勤務への哀愁)

          想像できないものを理解することってなかなか難しい

          今日たまたま読んだこちらの記事から思ったことを書こうと思う。 <あらすじ> 僕(ゲイの男性)がパートナーの男性と式を挙げる。 その二人のことが取り上げられた新聞記事を見て、かつての僕の彼女が連絡をよこす。 彼女は性同一性障害で、今は男(FtM)としてケンジという名前で生活していることを明かす。 当時僕にも好きな男がいて、そんな中でケンジと付き合っていたことに後ろめたさを感じていたが、ケンジの方も女と付き合っていたことが噂になっており、カムフラージュのために僕と付き合っていた

          想像できないものを理解することってなかなか難しい

          在宅勤務とコンビニとパス度について

          国の緊急事態宣言を受けて当社も原則在宅勤務なので、一ヶ月以上ずっと自宅で仕事している。 通勤があった約一ヶ月前までは家に帰るといつもくたくたになっていた気がするけれど、通勤時間がまったく無くなったからか、オフィス勤務の頃とだいたい同じ時間で勤務を終えてもそれほど疲れたなって感じがしない。 外にほとんど出なかったり通勤しないのだとしても、テレビ会議で他人との会話はだいたい毎日するしチャットも頻繁にするし、外界とコミュニケーションを断絶するような状況ではないし、ほどほどに人と

          在宅勤務とコンビニとパス度について

          名前なんて私にとっては単なる記号でしかない

          今の会社には当事者だってことをあらかじめ伝えた上で入社した。 役員面接のときにその件についてもいろいろと質疑応答した。 社長にも副社長にも関心を持って応対してもらえたし、気にかけてもらえている感じがした。 ちゃんと仕事してくれれば何だっていいよ、と言ってもらえたことが嬉しかった。 今はまだ直属の上司や人事など一部の人しかこのことは知らない。 数千人規模の会社だけれど意外にも前例がなく、当事者を受け入れるのは初めてのことらしい。 できる限り早めにタイミングを見てオープンに

          名前なんて私にとっては単なる記号でしかない

          心が女ってわけではないのです(性自認とは何か)

          シスジェンダー&ヘテロセクシャルの人によく、性自認が女=心が女・・のように変換されてしまうので、ちょっと誤解を解いておきたい。 心が女性のMtF当事者は確かにいるだろうし、心が男性のFtM当事者も確かにいると思うけれど、当事者全員がそうなのではないよということを伝えたい。 心が男性のシス女性も、心が女性のシス男性もいると思うし。 こういうやつもいるよ!・・ということで理解を深めて頂ければ嬉しいです。 さて、性同一性(=だいたい性自認)については、以下のような但し書きが

          心が女ってわけではないのです(性自認とは何か)

          心が女なんだから男が好きなんだよね?の件(性的指向とは何なのか)

          表題のトランスあるあるについて、やや赤裸々に。 慣れっこなのでそれほど気にすることではなくなったけれど、性的少数者の理解・認知がそこそこ進んでいる中でも、非当事者界隈では依然として根強い先入観があるようだ。(一部理解を示して頂ける人もおります) 私個人のことで率直に申し上げると、この構図での恋愛経験がほぼ無い訳でして、自分でもどうなのか分からないところがある。 LGBTネタとなると性的指向という言葉が必ず登場するけれども、その定義がいまいちしっくりこないところがある。

          心が女なんだから男が好きなんだよね?の件(性的指向とは何なのか)

          周囲の認知度と心理的安全性と未来について

          先日ツイートされてきていた記事から少し考察してみた。 厚労省が国の事業として初めて職場のLGBTに関する実態を調査したというものだった。 表題になっている「困りごと」ではなくて、周囲にどれくらい認知されているかと、それによって当事者の心理的安全性が高まるかの観点で見てみた。 なお、LGBTのカテゴライズの中では私はTに属する(厳密にはたぶんBTなのだけれど)ので、あくまでTの当事者視点での考察ということで。 着目したのは、以下の二つのアンケート結果だった。 ①職場にお

          周囲の認知度と心理的安全性と未来について

          両親へのカミングアウト

          ・・がまだできていないよ!というお話です。残念ですが笑 いきなり本題からは逸れるけれど。 社会に出てひとり立ちしてからは、周りのいろんな人たちのお世話になりながら、ここまでなんとかやってこられたなと思う。人への感謝の気持ちをいつも忘れないようにしたいという気持ちは、歳を重ねるごとに強く思うようになってきている。 周りに恵まれているなということに感謝しながら、お世話になった人たちにちょっとでも何か恩返しできるといいなと日々思う。こんな自分でも何か。 そんな思いが強いせい

          両親へのカミングアウト

          少し切実な問題

          ジェンダーという言葉だけれど、医学的な用語としてのジェンダーと社会学的な意味合いでのジェンダーとがあるらしい。 性同一性障害にかかる文脈では前者のジェンダーのことを指しているけれど、当事者である私はその治療の過程で、後者に近いところでの課題に遭遇することになった。 少し小難しく言うと、ジェンダーにまつわる行動様式への適応について。 ホルモン療法を開始して一ヶ月ほどが経過していた。 クリニックから言われたとおり7〜10日ごとに通院して、四回目の摂取の前に血液検査をしてい

          少し切実な問題

          私を許せるようになるまで

          振り返ってみると、ずっと仕事のことばかり考えて生きてきたように思う。 特にこれといった趣味や興味が持てることがなかったこともあるけれど、ある意味、生きていく中でつらくて苦しいことから少しでも逃れられるように、半ば強制的に自分には仕事だけと思い込むようにして、なんとかやってこられたと思う・・ある時までは。 仕事自体はいつも面白いと感じていたし、結果もまずまず出せていたから、多忙な中でもそれを苦痛と感じることはなかった。 私に向いていると思ってずっと続けてこられていた。 そ

          私を許せるようになるまで