両親へのカミングアウト

・・がまだできていないよ!というお話です。残念ですが笑

いきなり本題からは逸れるけれど。

社会に出てひとり立ちしてからは、周りのいろんな人たちのお世話になりながら、ここまでなんとかやってこられたなと思う。人への感謝の気持ちをいつも忘れないようにしたいという気持ちは、歳を重ねるごとに強く思うようになってきている。

周りに恵まれているなということに感謝しながら、お世話になった人たちにちょっとでも何か恩返しできるといいなと日々思う。こんな自分でも何か。

そんな思いが強いせいか、仕事上でもプライベートでもいろんな人たちからの頼まれ事に対して、なかなか断れずにがんばって対応してしまうクセがある。

自分で言うのもなんだけれど、私はかなり細やかな性格なので、ときには過剰なまでに相手の意図を汲み取ろうとしたり、あれこれ親切心(あるいはお節介ともいう)を働かせてしまう傾向がある。
必要以上に時間をかけて対応してしまったり、ともすれば、本当に相手の求めているものは実は依頼者当人が思っているものとは違っているかもしれない・・とすら思い、ただ言われたとおりにサクッと対処するのではなく、あれこれ深堀りして手繰るところから始めてしまっていたりする。

結果、一部の人には思慮深いとか勘がいいとか粘り強いとかありがたい評価をいただいていたりするけれど、実は単に疑り深いだけかもしれない。


最近ちょっとしたことでヘコむ出来事が続いたことがあった。

またいくつか頼まれごとがあったのだけれど、立て続けにうまく対応できなかったことがあった。
後で振り返ってみると、その相手はおそらくそれほどガッカリしていないし、それでそこまで困るような内容ではなかった思われた。
でもなぜか私の方が、相手の期待に応えられなかったことに必要以上に申し訳なさを感じたり、イライラしたり、ヘコんだりしてしまっていた。

気がついたら、ものすごく利他的で自分を卑下する人間になってしまっていた。自分というものがなにもかも無くなってしまっていた。

以前このようなことを書いていたけれど、少し似通った話かもしれない。
なんでこうなってしまっていたかということの一因は、この時にあわせて書いているけれど。

これらのことをひっくるめて、これからはもっと素の自然体の自分で振る舞いたいがゆえに、過去をいろんなことを振り返りながらマインドセットの修正を模索している中で、もう一つ大きな要因と思われることに行き着いた。


幼少期から思春期まで、親の目を気にしながらお利口さんでいることで過ごしてきた結果かもしれないなと、最近ふと振り返ってみて思った。

親はものすごく私に期待していたと思う。特に母親は。
私は期待に応えなきゃっていつも思っていた・・というか思わされていた気がする。

幼少期に何度かわざと母親の望まない行動を取ってみたことがある。
その時の母親の反応はものすごく冷たいものだったと記憶している。
まるで言うことを聞かない犬か猫に対してヒステリカルかつ冷徹に叱り蔑むような。

その時、ああ、私はペットみたいだなって思った。
それで、そのことだけではなくて、いろいろとああしなさいこうしなさいって言われ続けていて、なぜかそれに抗うことができなくて、そのうちあまり気にしなくなってしまっていた時期があった。
振り返ってみると、どうしても母親の言いなりになっている構図なのだけれど、その当時はまったくそのように思っていなかったと思う。
知らず知らずのうちに、洗脳されてしまっていたのだろうか。

ちなみに、その頃は父親は教育面ではほぼ前面に出てこずに、そこは母親の独壇場だった。


それからだいぶ月日が経って今は離れて暮らしているけれど、その間の私の経過と現在については、目に見えるところだけでは両親としてはそこそこ満足していることだと思う。
そこそこいい大学出て、そこそこいい会社に就職して、そこそこ稼いでて。

ちょっとひどい書きっぷりだけれど、激しく毒親だったわけではなく、ある意味愛情と苦労をもって育ててもらったと思っているし、学校も出してもらっているし、本当に心から感謝はしている。

でも、両親のその目に写っている私は虚像で、本当の私じゃないことを知らない。

できれば、二人が人生を全うしてお墓に入るまでは、その虚像の私を本当の私と偽り続けて、失望させないようにしたい気持ちが大きいけれど。


GID当事者が親へのカミングアウトを躊躇する大きな理由の一つには、その家族の周囲(近所や親戚)からの目を気にしてというところがあると思う。

私の場合はそのこともあるけれど、それ以上に両親が思いこんでいるであろう私はウソの私で、幸せに生きていると思っていることがそうではないかもしれなかったことを突きつけてしまうようで、それは最後の最後に両親に後悔の念を与えてしまうようで、それが何より辛いことだから、なかなか言い出せずにいる。

身体や外見の変化もこの先の1〜2年で隠しきれなくなるかもしれないから、そろそろちゃんと決心しなきゃと思っている。


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