在宅勤務とコンビニとパス度について

国の緊急事態宣言を受けて当社も原則在宅勤務なので、一ヶ月以上ずっと自宅で仕事している。

通勤があった約一ヶ月前までは家に帰るといつもくたくたになっていた気がするけれど、通勤時間がまったく無くなったからか、オフィス勤務の頃とだいたい同じ時間で勤務を終えてもそれほど疲れたなって感じがしない。

外にほとんど出なかったり通勤しないのだとしても、テレビ会議で他人との会話はだいたい毎日するしチャットも頻繁にするし、外界とコミュニケーションを断絶するような状況ではないし、ほどほどに人と話せているので、世捨て人になるようなことも無いように思う。
このほどほど感が自分には心地いい気がしていて、居心地良すぎるくらいだ。何でもっと早く気がつかなかったのだろうとつくづく思う。


ただ、その分のエネルギー消費していなかったり日光に当たらない時間が長くなったので、一日一回か二回は必ず外に出るようにしている。
五月に入ってからはだいぶ暖かくなって天気のいい日が続いているので、日中にわざわざ少し離れたコンビニまで歩くことにしている。
普段から運動をまったくしないので、往復でたかだか一キロちょっとではあるけれど、何もしないよりはマシかなと思って毎日続けている。
ずっと家に籠もりっきりというのもそれほど苦痛ではないけれど、とにかく意識的にそうしている。

お昼時にそのコンビニに行くことが多いので、現場仕事のお兄さん方だったりコンビニの向かいに一つだけあるオフィスビルにお勤めの方だったりが、次々と昼食を買いに来る。

私はだいたい缶コーヒーを買って、外の灰皿の置いてあるあたりで電子タバコを一服二服しながらちびちびと缶コーヒーを飲んで、しばらく頭をからっぽにして、ただただ良いお天気の空をぼおーっと眺めて一刻ほど脱力して過ごすことが習慣になっている。


ある日、いつもと同じようにコンビニでリフレッシュしていたのときのこと。

向こう側から目の前の片側二車線の大きな道を横断してこちらに向かってくる人や、コンビニ前の歩道を右から左に歩いて最寄り駅に向かっているであろう人なんかを何にも考えずにぼおーっと眺めていた。

何気なくふと違う方向に視線を向けた刹那、黒いポロシャツのお兄さんと目があった。
コンマ2秒ほど視線が重なった後、お兄さんはやや恥ずかしげに目を逸らした。

ここ最近やたらとチラ見されている気がする。

どしゃぶり雨の日以外はだいたいそのコンビニで喫煙タイムしているのだけれど、通りがかりの人と目が合うのがほぼ毎日に近い。(そのたびにかならず相手側が目線を逸らす)
そのほとんどが男性だったりする。たまに私より年上だろうと推定される女性のときもあるけれど。若い女性とかは多分ない。

こうも頻繁に続くので、偶然ではないような気がしてきている。
何かデカイ女がいるなあと思われているのか、あれ男?それとも女?・・と物珍しく見られているのか。(カジュアルでユニセックスな装いなのでどっちともつかない可能性がある)
前者であれば少しは嬉しいのだけれど。


やっぱりパス度は気になる。

どんなにきれい事を言ったところで、現実は他人にどう見られているか、少しはマシな女性に見られているのかどうかは、性別移行する上でかなり重要だと思っている。

第三者の目から客観的にどう見られているかということを知り、それを分析してちゃんと自分にフィードバックすることはすごく大事だなと思っているから、これらの全く見知らぬコンビニ客や通りがかりの人からの反応は、ずっとステイホームしている最近の生活の中では貴重なものとして受け止めている。

初めは自意識過剰な自分に自己嫌悪もしていたけれど、私は多分やや控えめな性格なので、自意識過剰なくらいでやらないとやっぱり上手くいかないのではと思い直した。

見た目が人の全てではないにせよ、見た目はやっぱり相応に大事だなと思う、特にMtFの場合は。
その点でのプレッシャーはやっぱりそれなりに感じている。

何年か前にとある女性芸能人が整形した件。

その子の妹も芸能人で、妹の方が美人と言われていて売れていて、そんな中でものすごく大きなコンプレックスがあったのだろうと思われる。
第三者はネットやSNSなんかで批判的な見方をする輩なんかも多くいたけれど。(大半は男だったように推察される)
私なんかから見たら、その子は整形なんかしなくても充分にキレイに見えたけれど、美人の妹と幼い頃から比べられて本人はずっとずっと長い間辛かっただろうと思うし、事情が違えど長い間自分も見た目や身体のコンプレックスに悩んできたので、私は何かものすごく共感してしまっていた。

男から女になろうとするのって、その子が美人の妹に近づこうとするのよりもかなりハードルが高いわけで。
そうありたい自分と現実の自分の大きなギャップにずっと苦しんできた身としては、とにかく勝手に他人事とは思えなかった。
私も条件が整えば整形とか豊胸とかしたいと思っているし。
その子に批評的なやつらはその苦しみがどんなものかっていうのが分からないから言えるんだと思う。


ふー・・ちょっと興奮しすぎた笑

五月いっぱいか、早くて再来週には都内でも緊急事態宣言が解かれるかもしれない。
自分自身では毎日鏡を見ているので本当に少しずつの変化しか感じられないけれど、しばらく振りに合う知り合いなんかは何か感じ取るところもあるのだろうか。
ひさびさに顔を合わせる上司や同僚たちの反応が少し気になるところだけれど、たかだか二ヶ月弱の変化や印象はそんなに変わらないんだろうな。


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