(T24) 「試作は日本・生産は中国」で起きやすいトラブルとは?中国製部品を使う際の注意点。現地調達部品にこだわらない (2020.12.5) by 小田淳 より抜粋加筆しました。
⑴ 日本人設計者が中国メーカーに製造を依頼したときに発生しがちなトラブルの原因
【原因①】中国人の国民性と、その国民性による仕事の仕方を理解していないこと
【原因②】本人の会話やメールなどでの情報の出し方が、
非常に曖昧であること
【原因③】設計者による中国の製造現場の確認が、十分になされていないこと
⑵ これら3つが原因となって発生したトラブルについて
中国で部品を作製する意図のほとんどは,
コスト削減のため。
①中国で製品の生産を行い、
その製品に使用される部品を中国で現地調達するのが一般的。
②日本で製品の生産を行い、
部品は中国生産し、中国から輸入するという場合もある。
①の場合,サプライチェーンのなるべく多くを、
中国(現地)で行い、その製品の目標として現地調達率○○%として掲げる。
しかし現地調達率を上げることにこだわるあまり、
逆にコストアップになったり、予想外のトラブルに発展したりする可能性もある。
⑶ ⑵の内容は、中国で汎用部品を調達する場合に起きやすい
汎用部品は「品質不良」に発展した場合には、
その対処に膨大なコストが発生するので、ご注意いただきたい。
【トラブル例】線材のホルダや小型ヒートシンクのような汎用部品を中国で調達する場合。
製品を製造(組立て)する中国の工場、
(以下「組立工場」)がこれらのような汎用部品を調達する場合には、主に次の2つの方法がある。
【方法Ⓐ】中国の組立工場が自社の貿易ルートを使って、
日本にある汎用部品をそのオリジナルメーカーから調達する方法。
組立工場がほかにも多くの部品を、
日本から調達していれば、独自に貿易ルートをもっていることもある。
【方法Ⓑ】汎用部品のオリジナルメーカーが、
中国に現地法人をもっている場合や、その汎用部品を取り扱う現地商社がある場合に、それらの企業から調達する場合。
ここでポイントとなることは,
同じ部品でもⒶは日本製となり、Ⓑは中国製となること。
①コストはオリジナルメーカーの現地法人から、
調達する方が安いと考えがち。
②その汎用部品が中国ではほとんど販売されておらず、
現地法人も中国に在庫をもっていない場合は、組立工場が独自の貿易ルートで日本にあるオリジナルメーカーから調達した方が安いこともある。
↓
貿易は物量によって輸送費が変わるため、
どちらの価格が安いと決まらないことが多い。
よってこのような場合、
筆者は営業とのコンタクトのしやすさなどから判断し、
調達しやすい方から調達することにしている。
一般的にはオリジナルメーカーの現地法人から、
中国製として調達することが多い。
しかし本当に「コストが安いか」は、
わかってはいない場合が多い。
私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp