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(R10) 日本企業が目指すべき雇用のカタチは「ロール型雇用(役割型雇用)」だと考える-2 (2020.9.14) by 中村天江 より抜粋加筆しました。

⑷ 日本的雇用のメンバーシップ型雇用と、ジョブ型雇用の最も本質的な違いは、以下の人材と仕事内容のマッチングの仕方にある

①人材がいることを前提に仕事を振り分けるのか

②職務内容(ジョブ)を先に決めて、
その職務を遂行できる人材に任せるのか


Ⓐジョブ型雇用では職務が高度であれば、
給与も連動して高くなる。

Ⓑメンバーシップ型雇用では高度な仕事をしていても、
給与が安かったり、逆に給与は高いのに大した仕事をしていなかったりということが起こる。


⑸ 日本企業が目指すべきジョブ型雇用のカタチとは

以下の理由だけで、すべての職務を言語化しなければならないジョブ型雇用を目指すのは、やりすぎではないか。

「テレワークでも従業員が自律して働き、
組織の成果をあげられるようにしたい」


日立製作所がジョブ型雇用に舵を切ったのは、
優秀な人材を獲得し活用したいとの考えがあったから。


日本企業が目指すべき雇用のカタチは、
「ロール型雇用(役割型雇用)」だと考える。


ロール型雇用とは、
従業員一人ひとりが担う、役割を明確にし、期待役割と役割成果に応じて給与を支払う雇用制度。


ロール型雇用と、ジョブ型雇用やメンバーシップ型雇用との違いは下記である。

①職務を起点とするジョブ型雇用では、
JDの整備が前提になる。

②ロール型雇用は、あくまで組織の構成員、
それぞれの役割を明確にする雇用制度。
JDをメンテナンスする必要はない。


Ⓐ人材を起点とした雇用制度という点で、
ロール型雇用とメンバーシップ型雇用は同じ。

Ⓑメンバーシップ型雇用と違い、
従業員同士の仕事の境界がはっきりしている。


つまり、以下がロール型雇用の狙い。
❶雇用継続を前提とする

❷従業員一人ひとりが担う役割をはっきりさせる

❸日々のマネジメントや仕事内容と、
評価・処遇と連動を強化する


これは伝統的な日本的雇用をベースに、
ジョブ型雇用の利点を取り入れた、「日本的ジョブ型雇用」ともいえるだろう。


日本総研の山田久氏は、雇用のあり方として、
若い時は職能ベースで人材を育成し、経験を積んだ年代は職務ベースに移行する、以下を提唱している。
「職能×職務のハイブリッド型雇用」


⑹ 「ロール型雇用」は、年代によらず人材に任せる役割を明確にし、役割給の比重を高めるものである

日本企業がジョブ型雇用の利点を取り入れる、
といった点は共通するが、仕組みが異なる。


グローバル化やDX、
テレワークは今後も広がっていく。

だからといって、日々の働き方の基盤であり、
経営活動の源泉である雇用制度を変えるのは容易ではない。


「ジョブ型雇用」というマジックワードに、
安易に飛びつくのではなく、経営の目指す方向や人材戦略に応じて、雇用制度を検討していくべきです。

私は上海在住11年目。 2020年2月、在中国日系企業を対象とする、 「⺟国語で現場情報を引き出す、社内コミュニケーションツール」 を無料リリースしました。 コラボしたい方、ぜひお待ちしております。 bigluck777r7@yahoo.co.jp