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(R08) 日本企業が「ジョブ型」雇用に飛びつくべきではない、これだけの理由-1 (2020.9.14) by 中村天江 より抜粋加筆しました。

⑴ ジョブ型雇用には2つのタイプがある

ジョブ型雇用への転換企業として、
しばしば名前があがる日立製作所は、2011年に人事制度の大改革に乗り出している。


つまり、コロナ禍にともなう施策ではなく、
企業経営を支える人材戦略として、長い時間をかけて雇用システムを進化させている。

ここに注目すべき点が潜んでいる。


①日本企業はこれまで、アルバイトなどの、
いわゆる非正規雇用でジョブ型雇用を行ってきた。

これは業務の効率化や人件費の削減、
といった「守り」のジョブ型。

これは新たな競争優位を生み出すための、
「攻め」のジョブ型ではなかった。


しかしグローバル化やDXで求められているのは、
攻めのジョブ型雇用。

同じジョブ型雇用でも、目指すゴールが異なれば、
人材マネジメントの要は異なる。


ジョブ型雇用の導入検討においては、企業内で認識をそろえることが必要です。
「なぜ雇用制度を変える必要があるのか」


⑵ 以下のように解雇のしやすさや成果主義を、ジョブ型雇用と混同した言説が散見される

①ジョブ型雇用にすれば解雇しやすくなる
②成果主義のジョブ型雇用


しかし、ジョブ型雇用だからといって、
解雇しやすいわけでも、メンバーシップ型雇用だから成果主義を導入できないわけでもない。


米国は“Employment at will”により、
従業員の解雇が容易。

欧州には解雇規制の厳しい国もあり、
フランスやドイツの平均勤続年数は日本とそう変わらない。


ジョブ型雇用だから解雇しやすいのではなく、
米国という職務起点で以下にすぎない。
「解雇可能な人事制度が、普及している国がある」


ジョブ型雇用の導入議論を突きつめると、以下の課題が出てくる。
「そのジョブがなくなったときに、
従業員の雇用をどうするのか」


なので、ジョブ型雇用といっても、
実は雇用保障のあり方については手をつけず、各人に任せる職務の内容を明確にした「ジョブ型人材マネジメント」をイメージしている企業は少なくない。


組織の成果や業績を高めたり、
柔軟な人材活用を目指したりするだけであれば、必ずしもジョブ型雇用に変える必要はない。

なぜなら、真正のジョブ型雇用を導入し、
運用するのは、大変だからです。


⑶ JDを整備し、人材を評価するのは大変

ジョブ型雇用は、
人材マネジメントの作業量の増加につながる。


欧米企業の人事経験者に話を聞くと、こんな声が上がる。

「ジョブ型雇用って大変。
膨大な仕事を分解して、それぞれのJDをつくって、
さらに毎年更新していかなければならない。

その上で、従業員を適切に評価し、
本人にフィードバックし、納得させなければならない」


そして日系企業は、
従業員を評価するのが苦手、不得意です。

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