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奴隷商人 Ⅸ、第51章 ●奴隷商人49、紀元前46年

奴隷商人 Ⅸ
第51章 ●奴隷商人49、紀元前46年
 ●砂漠行 3
【砂漠行10日目】 200+60キロ

 純粋知性体ってのは、アインシュタインにも全宇宙中のレシピを知っているグルメにも似ている。神にも等しい。ただ、鍋やフライパン、天体望遠鏡などという下賤なものは扱わん、という存在だ。

 もちろん、純粋知性体は、地球の内核、外核を操って大規模造山運動を起こさせることはできる。事実、ベータ本体はアトランティスを造山運動で海の底に沈めた。あるいは、太陽の黒点活動を活発化させたり、不活化させたりして、地球への太陽電磁波の量を変えたりもできる。地球の自転軸を変更したりもできる。そういう大規模で大雑把なことは可能だ。

 じゃあ、純粋知性体にいちから大規模集積回路、半導体を生物の助けを受けないで作れと言っても、長い時間をかければできるだろうが、ヤツラは対費用効果が悪いと言ってしないだろう。シリコンの原料の天然のケイ石(SiO2)を念動波で集めて、純度を上げ、1,410℃以上で溶融シリコンにして単結晶シリコンインゴットを作り、スライスしてシリコンウェハを作って、表面塗布剤を塗ってエッチング・・・なんてことを純粋知性体はやらない。念動力でやるには手間暇がかかりすぎる。自分でやるよりも、知性体になる手前の高度のテクノロジーを発達させた生物種をマインドコントロールして、自分の代わりにやらせた方が手っ取り早い。

 全宇宙中のレシピを知っているグルメが、料理人を使ってレシピを教えながら料理を作るとか、アーサー・エディントンがアインシュタインの代わりに日食時に太陽がヒアデス星団の近くを通過する時の写真撮影をするようなものだ。

 だから、1万年前、クローヴィス彗星衝突で起こった一時的な氷期のヤンガードリアス期の後にベータが地球に飛来した時、たぶん、高度のテクノロジーを発達させた塩素呼吸系生物を連れてきて、大スフィンクスを建設させたのだと思う。1万年前の人類は人口も少なく、かき集めても大スフィンクスを建造するのに数百年はかかっただろう。

 なぜ大スフィンクスを作ったか、というと、まず、人類は半神半獣の姿(後でファラオが自分の顔に削り直してしまったがオリジナルはたぶんアビヌスみたいな獣の頭部だったんだろう)のスフィンクスを恐れて近づかないこと。それからスフィンクスは地球の環境変化に影響されない大きさで、数千年経っても宇宙からでもわかる目印だということ。さらに、本来の目的は、スフィンクスの下に埋められた、チャンバーだということだ。数千年経って、チャンバーはクレオパトラがやったような先端工場に転用できる。そのスペースを数千年確保するのが狙いだ。

 え?なぜ、最初からスペースだけを作って、先端工場は作らないのか、だって?それは、工場設備の維持・メンテが数千年もできないからさ。自動メンテのナノマシンを作ってもいいが、構成部品・材料は数千年も経てば、腐食してボロボロになる。スペアパーツも同じことだ。半導体のシリコンは残るが集積回路の銅線などは錆びる。だから、手間のかかるスペースを作ってやって、目印と重しになるスフィンクスだけを1万年前に準備したのさ。

 古代の建築物で、巨大な空洞だけのものというのがたくさんあるだろう?人類は、何のために?何に使ったのか?と疑問を持つが、なんのことはない、単なる将来利用可能なスペースを確保する空洞ってだけさ。何に使ったのか、って、使われちゃあいないんだ。

第51章 ●奴隷商人49、紀元前46年 に続く。


奴隷商人とその時代 (続き)
奴隷商人とその時代 Ⅳ
 ●紀元前46、47年前後の出来事
 ●古代ローマの浴場

奴隷商人とその時代

奴隷商人とその時代 Ⅰ

奴隷商人とその時代 Ⅱ
 ●古代の鏡

奴隷商人とその時代 Ⅲ
 ●イスラムの一夫多妻制度
 ●奴隷制度
 ●奴隷制度・ハレムと一夫多妻制
 ●奴隷商人ムラーの商売

奴隷商人とその時代 Ⅳ
 ●紀元前46、47年前後の出来事
 ●古代ローマの浴場

奴隷商人 Ⅰ

奴隷商人 Ⅱ

奴隷商人 Ⅲ

奴隷商人 Ⅳ

奴隷商人 Ⅴ

奴隷商人 Ⅵ

奴隷商人 Ⅶ

奴隷商人 Ⅷ

奴隷商人 Ⅸ

A piece of rum raisin - 単品集


ヰタ・セクスアリス(Ⅰ)雅子 総集編1

ヰタ・セクスアリス(Ⅰ)雅子 総集編2

ヰタ・セクスアリス(Ⅰ)雅子 総集編3

挿入話第7話 絵美と洋子、1983年1月15日/1983年2月12日


登場人物

宮部明彦 :理系大学物理学科の2年生、美術部
小森雅子 :理系大学化学科の3年生、美術部。京都出身、実家は和紙問屋
田中美佐子:外資系サラリーマンの妻。哲学科出身

加藤恵美 :明彦の大学の近くの文系学生、大学2年生、心理学科専攻
杉田真理子:明彦の大学の近くの文系学生、大学2年生、哲学専攻

森絵美  :文系大学心理学科の2年生
島津洋子 :新潟出身の弁護士


シリーズ「A piece of rum raisin - 第1ユニバース」

第1話 メグミの覚醒1、1978年5月4日(火)、飯田橋
第2話 メグミの覚醒2、1978年5月5日(水)
第3話 メグミの覚醒3、1978年5月7日~1978年12月23日
第4話 洋子の不覚醒1、1978年12月24日、25日
第5話 絵美の覚醒1、1979年2月17日(土)
第6話 洋子の覚醒2、1979年6月13日(水)
第7話 スーパー・スターフィッシュ・プライム計画
第8話 第二ユニバース
第9話 絵美の殺害1、第2ユニバース
第10話 絵美の殺害2、第2ユニバース
第11話 絵美の殺害3、第2ユニバース

シリーズ「フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス(Ⅱ)-第4ユニバース

第一話 清美 Ⅰ、1978年2月24日(金)
第一話 清美 Ⅱ、"1978年2月24日(金)1978年2月27日(月)
第二話 メグミ Ⅰ、1978年5月4日(火)
第三話 メグミ Ⅱ、1978年10月25日(水)
第四話 メグミ Ⅲ、1978年10月27日(金)
第五話 真理子、1978年12月5日(火)
第六話 洋子 Ⅰ、1978年12月24日(土)

 ●クリスマスイブのホテル・バー
 ●女性弁護士
第七話 絵美 Ⅰ、1979年2月17日(土)
 ●森絵美の家
 ●御茶ノ水、明治大学
 ●明大の講堂
 ●山の上ホテル
第八話 絵美 Ⅱ、1979年2月21日(水)
第九話 絵美 Ⅲ、1979年2月22日(木)
第十話 絵美 Ⅳ、1979年3月19日(月)1979年3月25日(日)
第十一話 洋子 Ⅱ、1979年6月13日(水)

メグミちゃんの「ガンマ線バースト」の解説

マルチバース、記憶転移、陽電子、ガンマ線バースト


シリーズ「雨の日の美術館」


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シリーズ「アニータ少尉のオキナワ作戦」

シリーズ「エレーナ少佐のサドガシマ作戦」

A piece of rum raisin - 第3ユニバース

シリーズ「フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス-雅子編」

フランク・ロイドの随筆 Essay、バックデータ

弥呼と邪馬臺國、前史(BC19,000~BC.4C)


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