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奴隷商人とその時代 Ⅰ

奴隷商人とその時代 Ⅰ

 異世界ファンタジーで、ウンコをどう拭くか?とか、お風呂の話をしつこく書くのは私くらいでしょうか?

 いつも私が書くフィクションは、日本を舞台として、せいぜい1970年代からのラブコメであったり、SF・近未来小説であったりします。登場人物もほとんど日本人です。

 その私が、紀元前46年、47年を中心とした古代エジプト、古代ローマのお話を書き出したか?

 塩野七生さんの『ローマ人の物語』なんかを読んでいて、

  1. 塩野さんはそれでもよく書く方だが、ローマ史、ヘレニズム史の文献や小説を読んでいても、そこに生きた人間たちの生活がさっぱりイメージできない、

  2. あまりに17~19世紀のアフリカ―アメリカの黒人奴隷貿易の印象が大きすぎて、紀元前から続いた奴隷制度、それが現在の白人至上主義の時代ではなく、コーカサス系の白人蛮族もいたし、ギリシャ系の白人種もいた、ということを書いているものが少ない、

  3. 同じく、17世紀のオスマン帝国のハレム制度の印象が大きすぎて、紀元前から続いてあった一夫多妻・一族制度はイスラムのハレム制度と違った形態であったのに、それを書いているものが少ない、

  4. 例えば紀元前49年と言ってもピンと来ない、

とこういった理由です。

 1. の古代ローマに生きた人間たちの生活がさっぱりイメージできないですが、私の商売柄、ウンコはどうしていたの?とかすぐ興味がいくのです。塩野七生さんもこれは書いています。ヘラで大便をこそぎ落として、棒付き海綿スポンジで拭う、それを共同で使うとか。私もそれを採用して書いています。

奴隷商人 Ⅰ、第6章 ●奴隷商人4、ムラーの家、紀元前47年

「え~っとね、トイレに行ったんだけど、大きい方・・・ それで、個室なんかないのは仕方がないけど、私が便座に座ると、8歳くらいの女の子が、素焼きのツボと、あれは 海綿のスポンジかな?それらを持って跪いているの。出てって欲しいと思ったら、この体のエミーが頭の中で『常識じゃん!その奴隷の女の子はあんたの下の始末をするためにいるんだよ!』って言うのよ」
「ワハハハハハ、それで絵美は女の子にケツを拭われたんだな?」」
「笑い事じゃないわよ」
「そうか。俺もそうされるのは、なんかイヤだな」

しかし、あるブログを見ると、どうも違う。

※古代ローマ・トイレの落とし穴、その2

ローマ・トイレ最大の謎と誤解に迫りたい。それはいわゆる「尻拭き」「落とし紙」の件である。略史的に書くなら、ローマ人は最初ギリシア人同様小石や布、そして指を使用していた(その場合、最終的には水で指を洗ったはず。いやこれまでなぜか指摘されていないが、水での洗浄こそ少なくとも地中海世界では本流だった、と私は密かに確信しているのであるが)。それがいつしかなぜか「棒付き海綿」を使ってお尻を拭いていたといわれ出す。前稿で書いたように、考古学的な遺物としての出土例はこれまで皆無であるにもかかわらず、なのである。どうやらその鍵を握っているのは、唯一の文書的典拠としていつも引用されるセネカの以下の証言のせいらしい。

『たとえば最近のことですが、闘獣者訓練所のゲルマニア人の一人が、午後の公演の訓練を受けていたときに、体を休めるといってその場を出ました。監視人もなく彼が一人でいることを許されるのは、これ以外にありませんでした。そこで彼は、そこにあった汚物洗浄用の海綿付きの棒 ad emundanda obscena adhaerente spongia をとって、それを喉に奥深く詰め込み、喉笛を詰まらして息を断ちました』

それを、かの有名な哲学者モンテーニュがふんだんにセネカを引用した『瞑想録:エセー』(1580年刊行)の中で、この箇所を「彼らは尻を拭くのに・・・(棒の先に結びつけられた)海綿を使った」とコメントしたため、多くの研究者が検証もせずこれまでそれに無批判的に追従してきたためと思われる。

そもそも、セネカは尻拭き用として「棒付き海綿」に言及していたわけではない。現代でも類似品を見ることができるトイレ洗浄器具と読むのが正しい理解なのだが。そしてその結果、ご丁寧にもいたる所でもっともらしい復元物や絵画や解説を目にするようになった、というわけである。

実際に使用してみると、いや想像してみるだけでもわかりそうなものだが、排便の事後処理用としてそれはとても使えたしろものではない。むしろ棒なしで直接海綿を使ったほうがよほど効果的なはず。

もちろん、世の中には私と同様、流布説に不同意の大先達もいらっしゃって、セネカの言及はトイレ掃除道具だったとか、なんと嘔吐用具だったと喝破した人たちもいた。管見の限りその劈頭の栄誉を担っているのは、前号で紹介した20世紀初頭の辞書項目の執筆者 H.Thedenat(col.991)であり、最近では本稿掲載のモネスティエや、カール=ヴィルヘルム・ヴェーバーであろうか。

「海綿」はなぜ刑場にあったのか。「居合わせた者たち」がおそらく常時携帯していたからである。なぜ携帯していたのか。これが当時の紳士淑女のたしなみだったからに違いない。いわばかの時代の携帯ティッシュだったのだ。具体的に想像するに皮製の小袋にでも入れて持ち運んでいたのではなかろうか。事に及んでの後始末にやおら小袋から「マイ・スポンジ」を取り出して、水に浸して尻を拭く、そしてまた水に浸してプシュップシュッと洗浄して小袋に戻す・・・。乾燥した地中海性気候だから、臭いは瞬時に拡散して気にならなかったはずだ(水がなければ使い捨てたかも。いな最初から使い捨てだったかもしれない)。

興味のある方は、以下も参照。

※古代ローマ・トイレの落とし穴、その1

※かつては異端だった排せつのお供「トイレットペーパー」の歴史

※古代ローマの水洗トイレが残る、砂に埋れたオスティア・アンティーカ遺跡公園を歩く

石鹸だって気になります。紀元前47年の古代ローマでは、石鹸はあったのか?という話。

奴隷商人 Ⅰ、第6章 ●奴隷商人4、ムラーの家、紀元前47年

「ところで、この世界、臭い!」
「ああ、臭いな。確かに臭い。この時代にも石鹸はあるんだ。古代ローマ時代の初めごろ、サポーという丘の神殿で羊を焼いて神に供える風習があった。この羊を火であぶっていて、滴った脂肪が木の灰に混ざって石鹸もどきができた。だからサポー、ソープという。しかし、羊の油だから汚れ落としには良いが、入浴に使えるような代物じゃない。ムラーの丘の家にオリーブの木がある。オリーブオイルと海藻の灰でソープを作ろうか。海水から採った食塩から硫酸ソーダを作って、石灰石と石炭を混ぜて加熱して炭酸ソーダを作れば純度の高い石鹸ができる。香料はレバノン杉やエジプトの白檀、ニッケイ、イリスを混ぜればいいかな?」
「それって、化学実験器具が必要じゃない?」
「この世界でもガラスは既にある。ガラス職人もいるはずだ。耐熱ガラスを作るには・・・ホウ素が必要だな。アラビアにホウ砂があるだろうから、それで耐熱ガラスができれば、ビーカーやフラスコができるだろう。ゴムの木があるはずだから、原始的なゴムチューブもできそうだ」
「私も手伝えそう」
「協力してやろう。え?この体のムラーが、その製品は売れるぜ、金儲けになる、と言っている」

石鹸、化学実験器具まで自分で作り出さないといけない。これまた調べるんですよ、古代ローマの石鹸もガラスも。一行書くのも大変で、そんなことを調べなくてもいいと思うのですが、性分なものですから。ちなみに、ガラスの原料の硅砂はアラビア半島で産出していて、原料として地中海世界に流通していたそうです。

※石鹸の歴史

※世界と日本で比べる!石鹸の歴史!

さて、気になるのは当時のお金。これだって、塩野七生さんが金貨何枚とか、銀貨何枚とか書いてますが、ピンと来ない。日本円でいくらだろうと。そこで、また調べだします。

奴隷商人 Ⅰ、第5章 ●奴隷商人3、紀元前47年

今回は、円安もあるので、アウレウス金貨は5万円としました。絵美/エミーは、50アウレウス、250万円で売買されたと言う事。

しかし、5万円相当の金貨って普段遣いしませんよね?奴隷売買とか大規模な穀物売買、造船した船の支払いとかならそうですが、普段、5万円の硬貨を支払われて、数千円のものを買ったら、お釣り、こまりますよね?

奴隷商人 Ⅸ、第49章 ●奴隷商人47、紀元前46年

ムラー様が村人たちに酒を振る舞った。もちろん、水で薄めて。村人からデーツやナッツなどを買った。こちらも綿の反物、糸や針などを売った。払いはアウレウス金貨じゃなくて、デナリウス銀貨、セステルティウス青銅貨、アス銅貨で支払う。アウレウス金貨は25デナリウス銀貨で、約二千円の価値がある。

 1アウレウス金貨      =約5万円
=25デナリウス銀貨     =約2千円
=100セステルティウス青銅貨 =約20円
=400アス銅貨        =約5銭

オアシスの民にとって、金貨5万円とか銀貨2千円をもらっても、交易で相手がお釣りをもっていないのだ。逆も同じ。小銭がありがたがられる。ムラー様は小銭もたくさんもってきている。

異世界ファンタジーで、ここまで親切なものはないんじゃないかと?でも、荒唐無稽ですから、近未来シリーズを書くよりも楽ですが・・・

アニータ少尉のオキナワ作戦

・・・無駄でしょうけど・・・_| ̄|○


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A piece of rum raisin - 単品集


ヰタ・セクスアリス(Ⅰ)雅子 総集編1

ヰタ・セクスアリス(Ⅰ)雅子 総集編2

ヰタ・セクスアリス(Ⅰ)雅子 総集編3

挿入話第7話 絵美と洋子、1983年1月15日/1983年2月12日


登場人物

宮部明彦 :理系大学物理学科の2年生、美術部
小森雅子 :理系大学化学科の3年生、美術部。京都出身、実家は和紙問屋
田中美佐子:外資系サラリーマンの妻。哲学科出身

加藤恵美 :明彦の大学の近くの文系学生、大学2年生、心理学科専攻
杉田真理子:明彦の大学の近くの文系学生、大学2年生、哲学専攻

森絵美  :文系大学心理学科の2年生
島津洋子 :新潟出身の弁護士


シリーズ「A piece of rum raisin - 第1ユニバース」

第1話 メグミの覚醒1、1978年5月4日(火)、飯田橋
第2話 メグミの覚醒2、1978年5月5日(水)
第3話 メグミの覚醒3、1978年5月7日~1978年12月23日
第4話 洋子の不覚醒1、1978年12月24日、25日
第5話 絵美の覚醒1、1979年2月17日(土)
第6話 洋子の覚醒2、1979年6月13日(水)
第7話 スーパー・スターフィッシュ・プライム計画
第8話 第二ユニバース
第9話 絵美の殺害1、第2ユニバース
第10話 絵美の殺害2、第2ユニバース
第11話 絵美の殺害3、第2ユニバース

シリーズ「フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス(Ⅱ)-第4ユニバース

第一話 清美 Ⅰ、1978年2月24日(金)
第一話 清美 Ⅱ、"1978年2月24日(金)1978年2月27日(月)
第二話 メグミ Ⅰ、1978年5月4日(火)
第三話 メグミ Ⅱ、1978年10月25日(水)
第四話 メグミ Ⅲ、1978年10月27日(金)
第五話 真理子、1978年12月5日(火)
第六話 洋子 Ⅰ、1978年12月24日(土)

 ●クリスマスイブのホテル・バー
 ●女性弁護士
第七話 絵美 Ⅰ、1979年2月17日(土)
 ●森絵美の家
 ●御茶ノ水、明治大学
 ●明大の講堂
 ●山の上ホテル
第八話 絵美 Ⅱ、1979年2月21日(水)
第九話 絵美 Ⅲ、1979年2月22日(木)
第十話 絵美 Ⅳ、1979年3月19日(月)1979年3月25日(日)
第十一話 洋子 Ⅱ、1979年6月13日(水)

メグミちゃんの「ガンマ線バースト」の解説

マルチバース、記憶転移、陽電子、ガンマ線バースト


シリーズ「雨の日の美術館」


フランク・ロイドのブログ


フランク・ロイド、pixivホーム

シリーズ「アニータ少尉のオキナワ作戦」

シリーズ「エレーナ少佐のサドガシマ作戦」

A piece of rum raisin - 第3ユニバース

シリーズ「フランク・ロイドのヰタ・セクスアリス-雅子編」

フランク・ロイドの随筆 Essay、バックデータ

弥呼と邪馬臺國、前史(BC19,000~BC.4C)


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