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スポーツ批評あるいは批評の批評

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【スポーツ批評 第1回 第1章 対資本主義の構図 第2節】

【スポーツ批評 第1回 第1章 対資本主義の構図 第2節】

サッカー対資本主義 その人気ぶりから、テレビを通して一般公開された講義“JUSTICE”。日本国内でも『ハーバード白熱教室』としてNHKが放送した。この講義の教壇に立つ政治哲学者マイケル・サンデルは自身の著書『それをお金で買いますか 市場主義の限界』の序章を「世の中にはお金で買えないものがある。だが、最近ではあまり多くはない。いまや、ほとんどあらゆるものが売りに出されているのだ。 」という導入で始

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【スポーツ批評 第0回 序章】

【スポーツ批評 第0回 序章】

 M・マクルーハンは自身の著書『メディア論』で「メディア」を人間の感覚の拡張であると定義している。『メディア論』で語られている様々な「メディア」は、日本人が日常的に口にする「メディア」とは少し異なる。前者の「メディア」には皮膚の拡張として“衣服”などが含まれるが、後者の「メディア」にそれは含まれない。後者はいわゆる「マス・メディア」のことを指すわけである。ここで、本考察において言及される「メディア

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【スポーツ批評 第1回 第1章 対資本主義の構図 第1節】

【スポーツ批評 第1回 第1章 対資本主義の構図 第1節】

サッカーの本質「暗礁=創造」。文芸批評家、渡部直己の著書『小説技術論』の中に登場するこのフレーズは、暗礁に直面した時、それをどう乗り越えていくのか考えることで何かが創造されるということを意味している。絵画の技術がこれほど発展したのは、3次元を2次元にするという暗礁を抱えているからだ、といった具合に。同様に、サッカーがラグビーやテニスなど他の球技と比較して、戦術的・技術的に発展してきたのは、基本的に

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