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盲導犬エルとの日常〜ユーザー家族の視点から

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2022年9月、全盲の夫のパートナーとして我が家にやってきた盲導犬のエル。一緒に暮らす中で感じたことや残したいことをユーザーの家族の視点で綴っていきます。掲載している文章と写真は…
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#視覚障害

「Dog Education」で緩んだネジを締めなおし

「Dog Education」で緩んだネジを締めなおし

最近のエルの様子をいくつか残しておきます。

耳掃除が大好き

三日に一度ほどのペースで夫がエルの耳掃除をしています。ラブラドールはたれ耳なので耳の中に湿気がこもりやすいとのこと。コットンに耳掃除用の液体を付けて、耳の中を丁寧に拭いていきます。

「エル、耳掃除するよ」

呼ぶと、夫の前にゴロンと横になります。

「気持ちええわぁ。俺も協力するわ」

と、耳掃除しやすいように顔を夫の方に傾けていま

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エルのがんばり、エルの不思議

エルのがんばり、エルの不思議

我が家の長男坊、盲導犬エルのがんばりと不思議なお話。
まずはがんばりのエピソードからご紹介します。
信号を渡るとき、渡り口の真ん中で止まって、夫の出発するよという指示

「ゴー」

を待っています。音響信号のときは、夫が左側に寄ってボタンを押してから渡り始めることを憶えたようです。

「ここにボタンあるよ」

と言うように押しボタンのところでぴったり止まると教えてくれました。

「すごい!天才やん

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4歳の誕生日

4歳の誕生日

1月21日、エルが4歳の誕生日を迎えました。娘が星と4の形をした風船を用意してくれて、みんなでお祝いしました。エルのパピーウォーカーさんからも

「赤ちゃんだったエルがもう4歳なんて早いですね」

とメッセージがありました。離れて暮らしていてもずっとエルのことを思ってくださっていることが、文面から伝わってきます。
大切に育ててもらったことが、いただくメールから溢れていていつも泣きそうになっています

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ドナドナ・エル

ドナドナ・エル

すっかり寒くなり、エルは去年買ったベッドがお気に入りです。出してあげるとすぐに

「これ俺の!」

と寝転がっていました。最近のエルの様子をいくつか残しておきます。

夫がダイニングでスマホを見ていたときのこと。エルはそーっと近づいて夫の腕に顎を乗せて

「どれどれ?俺にも見せて?」

と一緒にスマホをのぞき込んでいました。私と娘は

「エルかわいい!」

と大騒ぎ。夫が

「エル、今買い物してる

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1年記念日

1年記念日

9月16日でエルが夫の盲導犬として我が家に来て1年が過ぎた。当日ケーキでお祝いをした。日々エルから、たくさんの癒しと微笑ましい気持ちをもらっている。心がささくれ立っているとき、フワフワの頭、大きな背中、長くて立派な尻尾を撫でながらエルに話しかけている。背中に顔をくっつけると、毎日夫がブラッシングで使っているミスとの臭いにエルのにおいが混ざっていて、優しい気持ちになる。

「アロマのにおいやなぁ」

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盲導犬とユーザーへの嬉しい取り組み

盲導犬とユーザーへの嬉しい取り組み

暑い夏を盲導犬たちが快適に過ごせるようにと、洋服を寄付してくださった、株式会社VERY様の取り組みにお礼をお伝えしたくてこのnoteを書いています。いつもエルのフードや犬グッズを買っている盲導犬総合支援センターで買い物をしたユーザーさんに一枚プレゼントという形でした。紺と白のボーダーの洋服を購入した夫がプレゼントしてもらったのは、スイカが描かれた洋服です。接触冷感素材になっていて、頭がすっぽり隠れ

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三歳の誕生日、最近の様子

三歳の誕生日、最近の様子

1月21日でエルが三歳になった。誕生日プレゼントは何がいいか家族で相談し、洋服とケージの中に入れられるフカフカのベッドをプレゼントした。洋服を着て夫と一緒に仕事に出かけ、帰ってからはベッドでリラックスしている。そんなエルの様子を娘がたくさん写真と動画を撮ってくれた。家族みんなで

「エル、誕生日おめでとう」

を言ってお祝いした。こうして我が家にエルが来てくれたのは、関わってくれたたくさんの人のお

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新しい家族の形

新しい家族の形

4カ月前、我が家に新しい家族が増えた。夫のパートナー、盲導犬のエルだ。
生まれつき全盲の私、人生の途中で全盲となった夫、目が見えている小学六年生の娘に盲導犬のエル。三人と一頭で暮らし始めた。

年明け、初めて夫とエルと買い物に出かけた。これまで近くのスーパーの入口まで送ってもらったことはあったのだが、お店に入ったことはなかった。家を出て歩き出すと夫が

「今日のエルはすごいルンルンで歩いてる」

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エルのシャンプー

エルのシャンプー

元旦の午後からエルのシャンプーをした。日々のお世話は全部夫がやっているが、シャンプーのような大がかりなことは家族として私も娘も手伝う気持だ。我が家にエルが来て三回目のシャンプーになる。一回目は盲導犬協会まで行ってやり、二回目は私が留守の間に娘と夫で協力してやっていた。三回目にして私は初めての参加だ。夫がお風呂場でエルを洗っているところにアシスタントとして娘が入った。私はバスタオルを持ってお風呂場の

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盲導犬エルとの日常~1カ月

盲導犬エルとの日常~1カ月

盲導犬のエルが我が家に来て1カ月が過ぎた。盲導犬ユーザーの家族として一緒に暮らして感じたことを書いていきたい。まず最初に思ったのは

「盲導犬ってすごい!」

だった。エルが夫を誘導して毎日通勤し、私や娘の簡単な支持を聞けることに改めて感動した。優秀な遺伝子と数回の試験を経て盲導犬になったとは言え、ここまで犬が人の言葉を理解できるなんてすごい!

「エル、ストレート・ゴー」

と言えばまっすぐ進み

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盲導犬エルが家族になった日

盲導犬エルが家族になった日

我が家に盲導犬がやってきました。夫のパートナー、エルという黒ラブの男の子です。夫から初めて名前を聞いたのが8月の終わり。盲導犬センターでの3週間の訓練を追え、9月の半ばから盲導犬見習いとしてうちで暮らし始めました。一週間一緒に暮らしたところで夫と娘がコロナに感染し、10日ほど盲導犬協会に預かってもらいました。療養機関が終わり、訓練も無事終了し、10月6日エルは晴れて盲導犬となりました。一緒に暮らし

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動物恐怖症の私が盲導犬ユーザーの家族になると決めるまで

動物恐怖症の私が盲導犬ユーザーの家族になると決めるまで

子供の頃から動物が怖かった。犬や猫だけでなく、鳥やウサギなど触れるものは何もなかった。少しでも触れれば、大声とともに飛び退いていた。

「わざとやってるんちゃう?声でかすぎやろ!」

と言われるほどのリアクションで、私の叫び声に周りが驚くほどだった。もちろんわざとではなく、怖くてどうしようもなかった。全く動物と関われないまま大人になった。そんな動物恐怖症の私が、盲導犬ユーザーの家族になる日が近づい

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