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映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』を見てきたガチ勢の私が『ガンダムSEED』アニメの魅力を暑苦しく語る

こんにちは、水無瀬あずさです。2月も無事締まったので、平和な気持ちで月初を過ごしております。昨日との緊張感の落差がすごい。

さて、気が楽になった本日は本業を午後休とし、午後から映画を見てきました。公開以来ずっと行きたかったのに、いろいろあってなかなか行けなかった映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』です!!大ヒット中!!

テレビアニメが放映されていたとき私は新卒1年目で神戸に住んでいたんですが、当時の彼氏の家(大阪)でたまたま見てハマり、毎週楽しみにしていた思い出の作品です。DVDも持ってるよ!!いやあ、まさか20年の時を経て映画になるなんて夢にも思っていなかったので、見に行くのを心待ちにしていました。

ガンダムSEEDのことをよく知らない方からすれば、「なに?ガンダム?なんでそんなロボットアニメが映画のランキング上位に来るのよ!?」って不思議に感じるかもしれませんが、SEEDは単なるロボットアニメではないんです。まあ私、ほかのガンダムは見ていないんですが(水星の魔女は途中で飽きてやめた)、ガンダムシリーズは深い人間ドラマが魅力なんです!

と言うことで今回は、映画の魅力を語りつくそうと思っていたのですが、書き連ねているうちに「これ、そもそもガンダムSEEDのことをよく知らない人からすると全然面白くないのでは!?」と思ったので、前段階として、まずテレビシリーズのガンダムSEEDについて語ってみたいと思います。映画のみどころは次回ね!今回はガッツリとオタクネタ。どうかドン引きせずに最後までよろしくお付き合いくださいませ。

※使えそうなイラストが無かったので、あちこちにAmazonアソシエイトを入れていますが、イラストを見てほしくて入れています。キャラクターの顔を確認する用と思ってください・・・!


そもそもガンダムSEEDとは?

機動戦士ガンダムSEEDは、2002年から2003年にかけてTBS系列で放送された『機動戦士ガンダム』シリーズのロボットアニメです。主な呼称は「SEED」あるいは「種」。人気があったため、2004年から2005年には続編『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』も制作されました。こちらの呼称は「DESTINY」あるいは「種死」(『デスティニー』だから)。今回の映画は、DESTINYからさらに2年後の物語が描かれています。

ガンダムSEEDあらすじ

物語の舞台は仮想の地球。主に地球に住む人間・ナチュラルと、主にスペースコロニー「プラント」に住むコーディネーター(遺伝子操作することでナチュラルより優位点を持っているとされる人間)によって、長い戦争が繰り広げられています。ナチュラルによる連合国軍と、コーディネーターによる組織ザフト(ZAFT=Zodiac Alliance of Freedom Treat)の戦争が激化するなか、主人公キラ・ヤマトは、中立国オーブにあるヘリオポリスという都市で工学を学びながら、ナチュラルの友達と平和に暮らしていました。

キラ・ヤマト
出典:ニコニコ大百科

ちなみにキラはコーディネーターです。世界はナチュラルとコーディネーターによる争いが絶えなかったものの、オーブは中立国なのでそれほど影響なく、キラは留学か何かで地球に居たということのようです。ただしナチュラルによるコーディネーター差別は激しかったようで、「コーディネーターのくせに!」というセリフを言われて傷つくキラの姿が何度も描かれます。差別って胸が痛い。

しかし中立国オーブで実は、水面下で連合国軍のモビルスーツ(ガンダムのようなロボット機体)開発が進んでいました。その情報をひそかに聞きつけたザフトメンバーが潜入捜査をしていたため、なんだかんだで戦いが巻き起こってしまうのでした。連合の技術士官マリュー・ラミアス(ナチュラル)とともにたまたま現場に居合わせたキラは、ザフトメンバーの中にかつての親友アスラン・ザラ(コーディネーター)を発見し、驚愕します。しかし自らと仲間を守るため、残された機体ストライクに乗り込み交戦(※ストライクは未完成だったが、キラがその場でOSを書き換えるとかいう驚異の芸当を繰り広げて起動)、見事脱出を果たすのでした。

物語の終盤で明かされるネタバレですが、実はキラはコーディネーターの中でも特に優れたスーパーコーディネーター。「最高の能力を有するコーディネーターを生み出す」という闇研究の末に誕生した唯一の生体であり、頭脳的にも身体的にもとにかくめっちゃすごいのです。だからOS書き換えとか余裕だし、性能が向上しまくった機体を簡単に操作もできちゃいます。ロボットなのにエヴァ並みの動きで、まあとにかく強いのです。

ストライクはキラにしか操作できないということで、キラはマリューが艦長となった連合国軍の戦艦アークエンジェルに友達とともに乗り込み、ザフトと戦います。キラはコーディネーターですから、ザフトは本来仲間のはずなのに、あえて敵対して連合国軍として戦うわけです。このアイロニックなボタンの掛け違いこそが、SEEDの大きなテーマと言えます。「なぜ戦うのか」「なんのために、何を守るために戦うのか」という、命に繋がる非常に重いテーマです。

その後、プラントの有力者の娘ラクス・クラインと出会ってキャッキャウフフといい感じになったりしながら(のちに恋人になる)、キラはザフト軍と交戦しつつ交渉を試みますが、激戦の末アスランの乗るイージスに敢え無く惨敗。ストライクは大破してしまいます。何とか一命をとりとめたキラは「自分が戦争を終結させなければ」という想いを強くし、ラクスから最高級のガンダムフリーダムを託されるのでした。争いを終わらせるために、守るために託された「力」―それこそがフリーダムです。カコイイ!

最終的に、キラやアスランによる激闘の末、ザフトと連合国軍は停戦協定を結ぶことになります。

ガンダムSEED Destinyあらすじ

続編DESTINYでは、停戦中なのに諍いが絶えないなか、連合国軍とオーブによる戦争で家族を失ってしまったシン・アスカ(コーディネーター)が主役。家族を失った苦しみ、連合国軍やオーブ、ナチュラルへの恨みを強くしたシンはザフトに入隊し、インパルスという機体のパイロットとして戦地でさまざまな任務に従事していました。が、少しずつ多方面への恨みの度合いを強めていき、シンはプラントの議長ギルバート・デュランダルに呼応する形でどんどん攻撃的になっていってしまうのでした。悲しい。

デュランダル議長は、人間が争いをするのは、不確定で不明確な未来が怖いからだと言います。そこで、遺伝子操作によってすべてが決められた世界を作ろうとする「デスティニープラン」を画策するのでした。遺伝子を操作することで、人生のすべてを生まれたときにプログラムしてしまえば、人は役割を全うすればいいので「次にどうすべきか」と悩む必要がないし、争うこともなくなるというわけ。でもそれって、人間として選び取る自由、考えて成長していく自由もない。好きな人を選ぶことも、未来を決めることもできない。そんな世界が幸せなわけがない!と立ち上がったのが、前作主人公キラでした。

キラは前作のバトルで英雄となり、ラクスや仲間たちとともに離島でひっそり暮らしていました。が、戦争が激化したことを受け、再び戦争へ身を投じていきます。デュランダル議長の手先となったシンがキラの前に立ちふさがり、激戦の末にフリーダムを失ってしまいますが、今度はストライクフリーダムという機体に乗り、戦争を終結するために戦うのでした。足したら強くなるかも!みたいな短絡的ネーミングであります。でもめちゃカコイイ。

なおシンは新たな機体ディスティニーのパイロットとして前線で活躍するものの、完全に悪役化してしまっていて、キラに主役の座を奪われるというヨクワカラナイ状況になります。可愛そうすぎる。物語のラストでは、キラVSデュランダル、アスランVSシンのバトルの末、キラとアスランが勝利。ラクスによる停戦勧告により、ザフトとオーブの停戦が実現したのでした。

なおタイトルにあるSEED(種)とは、コーディネーターが極限状態に追い詰められたときに能力を開花させるイメージ?を意味しています。画面上では種子が弾けるという描写になっていて、キラやアスラン、シン、ラクスが物語中に種を弾けさせています。

時を経てなお心に響くガンダムSEEDからのメッセージ

私がSEEDで心に響いたポイント、感じたことを挙げてみます。感じ方は人それぞれだと思いますが、1ファンの意見として読んでいただけると嬉しいです。

人と人の心の葛藤の物語

ガンダムシリーズは基本的に戦争の物語です。SEEDも例にもれず、ナチュラルとコーディネーターという種の違う人間同士が争っている世界線。とても悲しいことです。

主人公キラと親友アスランは、互いに尊重し信頼し合っていたにもかかわらず、戦争と言う暗い影のもとで意図せず敵対関係になってしまいます。またキラからすれば同胞を殺しているわけで、責められるし自責の念もすごいわけです。さらにキラはナチュラルにとって異端な存在であり、「コーディネーターのくせに」といわれなき責めを負うこともあります。あと大切な仲間を守り切れずに死なせてしまって自責の念に駆られることもしばしば。まあつまり、全体的に鬱展開です。

戦争の陰には、こうした人と人との葛藤と苦悩がせめぎ合っています。ロボットを介した戦争ではありますが、これは壮大な人間ドラマなのです。

正義の形はそれぞれ違う

連合国軍、オーブ、そしてザフトそれぞれが、自らの掲げる信念や大切な人を守るために戦っています。たとえ人を多く殺めてしまう戦争という悪しき手段であっても、それぞれが正義を持って戦っているのです。ただ、その正義がそれぞれかみ合うことなく、ぶつかり合ってしまうからこそ、戦争が起こってしまう。それはとても悲しいことです。

今私たちの現実世界で起こっている戦争もきっと同じで、各々の考える正義を貫こうとした結果が、悲しいことに戦争と言う手段だっただけなのかもしれません。きっとこの世に絶対的な正義なんてものはなくて、一方からは正しくても、もう一方からすれば正しくない。でもきっと、誰も間違っていない。そして、そうやって平和は少しずつ侵食されるように脅かされていくものなんだなと、SEEDを見ていて痛いほど感じました。

誰も戦争なんかしたくない

別に戦争がしたいわけじゃないけど、遺伝子を恣意的に操作された存在なんて得体が知れなくて怖い(ナチュラル)、自分より劣った存在を受け入れられない(コーディネーター)というそれぞれに対する恐れや侮蔑が小さな火としてくすぶり、なにか突発的な事件が起こるたびに戦争に発展する。そんなSEEDの世界です。誰も戦争がしたいわけではない、でも自分と異なるものが怖い。だから互いにけん制し合い、緊張状態を保っている。その姿はとても悲しいけれど、人間心理を忠実に再現しているものだとも感じます。

主人公キラは心優しくて強くて、誰も傷つけたくない、守りたいという想いで戦っています。でも彼がどれほど有能で、次から次へと目の前の敵を殲滅したとしても、あちこちで上がる戦禍をすべて食い止められるわけじゃないんですよね。もしこの世界に本当に仮面ライダーがいたってゴルゴ13がいたって、きっと始まってしまった戦争は誰にも止められないし、終わらない。みんなで協力しなければ、戦争は終わらないものなんだということを痛感します。

戦争が悲しみの連鎖を生む

誰かや何かを守るために戦って誰かを傷つければ、傷ついた側の身近な人たちがさらに悲しみから戦いに繰り出していく。戦争は悲しみの連鎖以外に何も生みだしません。

Destinyの主人公シンは戦争で家族を失った被害者でありながら、自ら志願して戦争へ身を投げ、そして多くの人の命を奪いました。自らの悲しみがどこかに繋がってしまう、それをどうやって断ち切るのか、どこで断ち切るのかは、とても難しい問題です。きっと自分一人の力ではどうにもできなくて、傷を負ったみんなで乗り越えるしかないことなんだなと思いました。

人は「攻撃できる標的」を求める

Destinyでデュランダル議長は、今起こっている戦争はザフトでも連合国軍でもない、ロゴスという抵抗勢力が原因なのだと市民を扇動します。実際に裏で揉め事を起こしているのは議長本人であるにもかかわらず、です。そして市民を自分の都合がいいように揺動し、ディスティニープランへいざなおうとしていたのです。悪いやつだ、声もシャアだし。そして、それに対抗して市民へと呼び掛けるラクスのセリフが、私にはとても印象的でした。

「ナチュラルでもない、コーディネーターでもない、悪いのは彼・・・世界。『あなたではないのだ』と語られる言葉の罠に、どうか陥らないでください」

目の前の戦争が終わっても、人はまた争い、攻撃できる標的を見つけて攻撃を繰り返す。歴史は繰り返すと言いますが、人の歴史は本当にそれの繰り返しです。でも、あなたが悪くないからといって、他の人を攻撃していいわけじゃない。ラクスのセリフは非常に冷静で理知的だと思いました。

人は誰だっていつだって、答えが欲しくて、物事が起こったら原因を特定したいって思います。悪いのは自分じゃない、誰が悪いのか?って。それはさながら、SNSで正義感を振りかざして不特定多数の人を攻撃するのと似ています。エコーチェンバーに乗っかって誰かを、何かを攻撃することは、小さなことでも戦争の火種になりうることなんだなって、今改めて思いました。

結び

ガンダムSEED自体は20年前の作品なのですが、強いテーマ性を持っているため、時代を経てなお支持され続ける名作です。アニメ作品はNetflixやHuluなどのサブスクで視聴できるので、見たことがないという人はぜひ見てみてください!見ないと人生損してるとおもう!!ただ・・・昔からSEEDって目がキラキラの少女漫画然としたアニメではあったんだけど、映画はなんかキラキラが過剰すぎて食あたりを起こしそうになりましたがね。昔の絵の方が好きだなー。

映画の感想やみどころは次回に回すとして、まあ何というか・・・面白かったけど・・・いや面白かったけどね!?って感じでした。往年のファンは絶対見るべきなんだけど、感想は好みが分かれるところかもしれません。何回かガチめに吹き出しそうになったよね。ということで次回は映画についてです。

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