「Bonjour!」
重くてゴワゴワしたガウンを着て寝たために、かえって肩が凝ったような気がする。ガウンは裾が床につきそうなくらいに大きいのに、羽織ってみたら窮屈だった。
のそのそと起きて、まず顔を洗う。冷たい水で眠気を覚ましながら、ここはボルドーで今日はホストファミリーさんの家に行く、と最低限の確認をする。
ホテルの部屋は、どこでもない空間だ。窓を開けるまでは、ここがボルドーと言われようが、東京と言われようが、はたまた別の都市にあると言われようが、「あ、そうでしたっけ」と納得できてしまうような