中古車、古着、モノの価格

先日、車が壊れた。
母が運転していたところ、ハンドルの操作が利かなくなって、壁にぶつけてしまったらしい。幸い大きな事故にはならず、母は無事だった。

車は、近所のおばあさまからいただいたものだった。
その方が新車で購入してから20年ほど経過していたが、まだ3万キロほどしか走っておらず、傷やへこみもなく、捨てるにはもったいないということで、譲っていただいた。
しかし、以前にも不具合が起こっていたこと、今回の事故でウィンカーのライトも点かなくなり、修理するくらいなら新たに買った方が良いという話になり、譲っていただいた車は処分することになった。

車を処分するといっても、次に買う車のディーラーに下取りしてもらうのか、中古車販売店に買い取ってもらうのか、いくつか方法がある。
以前所有していた車は中古車販売店に買い取ってもらったのだが、そのときのことはなかなか興味深かった。当時はちょうど、中古車販売・買取会社のビッグモーターやネクステージでの不祥事が明るみになり、連日のように報道されていた時で、中古車売買業界が悪い意味での注目を集めていた。

擦り傷だらけのプリウスは、はじめ1万円と言われたが、その後すぐに6万円に引き上げられた。その後 他の業者から15万円と提示され、最終的には16万円で売却することになった。
当然だが、このように価格が変動する間、車の状態はほぼ変化していない。それに、価格は需要と供給のバランスで決まるとはよく言われるが、この短い間に需要が高まったわけでもない。どういう基準で判断しているのかはわからないが、値をつける人(企業)が変わるだけで、こんなにも差が出る。
それと似たようなことを私は古着屋でたびたび経験した。

古着は一点物とよく言われるが、偶に別々のお店で、同じものが売られていることがある。古着なのでそれぞれのコンディションが多少異なるとはいえ、価格が大きく異なるのを度々目の当たりにした。

中でもよく覚えているのが、ビーズとレースの装飾が素敵な薄いピンク色のブラウスだ。それは、同じ時期に三つの店舗で見かけた。高円寺のお店で約8千円、別の高円寺のお店で約6千円(セール期間中は5千円弱だった)、渋谷のお店では約一万円で売られていた。
あるワンピースは高円寺のお店で8千円代で売られていたが、それを私は別の高円寺のお店で、セール期間だったこともあり、約2千円で購入できたこともあった。その時はラッキーとしか思っていなかった。が、同じ高円寺という場所で、歩いて5分くらいしか離れていないお店で、こんなにも価格差が生じるのはなぜなのか、考えてみてもわからない。

どうして(ほぼ)同じモノの価格が、こうも異なるのか。
モノの価格は、誰がどのように決めているのか。
経済学入門の本には、たいてい需要と供給の話が載っているが、実際にはそう単純に決まっているのでもないだろう。

今まで提示された価格を言われるままに支払って生きてきたが、価格交渉も、値付けの現場を見てみたいと思った。
大阪には値段交渉の文化があったと聞いたが、いまでも健在なのだろうか。

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