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なんかスキ

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よくわからないけど、スキだと直観的に感じた記事を集めてみた。  何がスキなのかは、集めているうちに気が付くかもしれない大笑。
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#創作大賞2024

アラフォー主婦が1か月野球をやり続けて得たもの【REAL ROOKIES⚾️】

アラフォー主婦が1か月野球をやり続けて得たもの【REAL ROOKIES⚾️】

何がどうしてこうなったのか分からない。

分からないけど、なぜだか私は今、野球場にいる。キラキラ輝く瞳の少年たちに囲まれて。
#創作大賞2024 #オールカテゴリ部門

⚾️・・・

さかのぼること1か月前、小学4年生の長男が言い出した。
「野球やりたい!」

やきゅう〜?
我が家はどちらかというとサッカー派で、小学1年生の二男はサッカースクールに通っている。

聞くところによると、長男と同じク

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借物の外套

借物の外套

 私は本屋のアルバイトだった。しがない本屋のしがない学生アルバイト。
 大学でも地味でぱっとせず、人付き合いのいい方でもないから、当然彼氏はいないし、友だちも少ない。合コンに誘われることもない。マッチングアプリで一度男の人と会ってみたことがあるが、これがひどいマザコン男で、女は嫁で、子どもを産む装置で、労働力と考えているような、前時代的、という言葉が優しい響きに聞こえるほど化石的な思想をもった人物

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日曜日に金曜日の本を(読書記録18)

日曜日に金曜日の本を(読書記録18)


■金曜日の本サムネイル画像は「金曜日の本」で生成AIが作成したもの。金曜日らしさとは?

今回読書記録をつけるのは、吉田篤弘著、『金曜日の本』。
こちらはエッセイ集である「金曜日の本」、短編小説「窮鼠、夜を往く」、書下ろしエッセイの「九人のおじさん」を収録した本だ。

「金曜日の本」では吉田篤弘さんの幼少期、概ね12歳頃までの記憶が語られる。親戚一同から大人しい子だったと語られる吉田さんは、本当

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【フォト小説】たどりついたら猫の島

【フォト小説】たどりついたら猫の島

 私が三十八歳のときに、夫は三十九歳で他界した。

 夫の遺品を整理している最中、免許証を見て、その本籍地が香川県の佐柳(さなぎ)という場所であることを思い出した。夫の父は佐柳島という瀬戸内海に浮かぶ小さな島の出身らしい。横浜生まれで横浜育ちの夫も、その父と同じく本籍地はだけは佐柳島になっているらしかった。

 一周忌が終わった後で、私はその佐柳島へ行くことにした。夫の父親も若い頃に島を出ているわ

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女性に言われた一生忘れられない絶妙なフレーズ3選

女性に言われた一生忘れられない絶妙なフレーズ3選

女性に言われて、なぜだか記憶に残って頭から離れない、恐ろしく力のこもった言葉たちがある。

例えば、大学で一番可愛いと言われていた"えりちゃん"が遅刻してきた時のこの一言。

「えりの"り"は利己的な"り"だから」

どーっんと思わず効果音をつけたくなる。

多少のわがままは黙認してちょうだいと言わんばかりの強気な姿勢に心を打たれる。たったその一言に恐ろしい力が宿っているようだ。

「私、わがまま

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写真作品「半透明の時間」

写真作品「半透明の時間」

わたしは、具象表現と抽象表現、あるいは日常と非日常の架け橋となる美を表現の中心に据え、アート作品の制作と発表を続けている写真家です。
これからご紹介する「半透明の時間」は、2023年7月、福島県福島市郊外の風花画廊において、個展を開催し発表した作品群です。
このnote記事では、それぞれの写真に籠めた精神をあらためて解釈し直し、自問自答や散文、詩に似た形で付記しました。それは解説でもあり、場合によ

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メンタル・マッチョ・ゴリラ vol.1   「一撃必殺」

メンタル・マッチョ・ゴリラ vol.1   「一撃必殺」

時は就職氷河期。

糖分、炭水化物、脂肪の順で野菜以外の食べ物を愛し、漫画と遊びに呆ける最大重量70キロのおなご=私。

母子家庭かつ絶望的な成績と人一倍のやる気のなさで、もれなく就職が危ぶまれていた。

そんな親不孝な阿呆が、

一撃必殺

コネなしで業界トップの社を射落とした。

、、、しかし、その奇跡には裏があり、、、。

「ジャングル」と呼ばれた地での会社員時代を綴る。

私は、確かに底辺

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ゆうぐれあさひ~SIDEゲーテさん~

ゆうぐれあさひ~SIDEゲーテさん~

■前回のお話はこちら■本編 書店員の朝は早い。十時の開店に備えて、それまでにある程度の新刊を店に並べておかなければならないからだ。
 正社員で朝の時間帯の責任者である僕は、出勤すると店舗裏手にあるスタッフ用の通用口の警備を解除し、鍵を開けて中に入る。このとき大体七時半頃だ。
 ユニフォームに袖を通し、売上管理用の端末を立ち上げ、各種システムの電源を入れてスタンバイにすると、売り場に出る。
 その日

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友人の孤独を陽気な天秤にかける。

友人の孤独を陽気な天秤にかける。

久しぶりの休日に友人の仕事を手伝うことにした。集められたのは別の友人と私の計二名だ。大きな工場の大きな音がする機械の試験を兼ねたメンテナンスをするという。私はもちろん機械を操作するでもなく、その試験の行方をもう一人の友人と精一杯声を出し応援する係だった。

応援とはいえ、時に囁き、時に叫び、時に頷くなど多種多様なリアクションを全力で空気を読み集中しなければならない。今どき「応援に来てくれ」と言われ

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初恋のロマンチックを誰かに預けることで私はロマンチックになりたい。

初恋のロマンチックを誰かに預けることで私はロマンチックになりたい。

私の人生で、そもそもロマンチックという言葉が適切な響きを得ているのかが謎だ。ロマンチックという経験を私は生を受けてから今まで本当に経験してきたのだろうか。まずその意味を知ることからはじめることにした。

現実離れで甘美で理想的な雰囲気や、なりゆきであるさまである。

これは、誰からの目線なのだろうか。こちらがそう思ってはいても、相手がそうは思っていないのが現実だったりする。周囲から見てそうだと言え

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【子の読書】本好き次女がハリポタを読めなかった本当の理由と、「子どもと本」に関する私の小さな気づき

【子の読書】本好き次女がハリポタを読めなかった本当の理由と、「子どもと本」に関する私の小さな気づき

 私は『ハリー・ポッター』シリーズが大好きです。
 
 映画はもちろんですが、小説のほうは新作が1~2年ごとのペースで刊行されていた20代の頃に夢中になり、最終巻の7巻下巻は徹夜で読破。児童書とは思えない濃厚な人間ドラマと、ミステリーとしての見事な伏線回収に感動して涙したのを覚えています。

 あの頃、仕事や人間関係に疲れ切り、大好きだった読書すらできなくなっていた私は、友人に勧められた『ハリー・

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ゆうぐれあさひ

ゆうぐれあさひ

■あらすじ小説家志望の男と同棲する翠。しかし現実を直視しようとしない男に愛想がつき、自分自身を顧みたとき、職場の上司である「ゲーテさん」のことが気になるようになっていく。小学生の朝陽などに背中を押され、ゲーテさんから打診された小説家になるという道を考え始める翠。
ゲーテさんと翠の関係は緩やかに進展していくが、お互いがお互いを意識し合いながらも、なかなか踏み込むことができない。しかしゲーテさんの誕生

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真冬のオペラグラス

真冬のオペラグラス

ファントム!ファントム!

今年の大寒もめっちゃ寒かった。1年で1番TRFの『寒い夜だから・・・』を聴きたくなる日だったな。去年よりも確実に寒い気がしたし、ヒートテックとダウンを着ていても全く意味がなかった。 でも、1番は去年の冬のようにマスクをしていなかったからかもしれない。

私は、そんな日にミュージカル『オペラ座の怪人』の来日公演を観に行った。本場ブロードウェイでは、35年のロングランを経て

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