音中今哉

某レコード会社のディレクター | 映像作家。

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第1章 / だから, 遠い未来も人はアナログに旅をする.

1−1 「送る」について。 だから、遠い未来も人は旅をする「アナログならではの温かみ」 「デジタルで撮影する」 「アナログ人間なんで」 「デジタル・トランスフォーメーション(DX)」  などなど、よく使われる「Analog」と「Digital」––––  その意味をご存知だろうか?  アナログな人間や温かさとは一体?––––雰囲気では掴んでいるけど、いざ、その真意を問われると「???」となってしまう(かく言う、僕も、今の会社に入って随分経ってから知りました……)。  

    • 【哲学者ミルコからの問い】 「球」と「ドーナツ」と「立方体」についての考察

      Ⅰたった一面で構成されている「球体」–––– 人も一面といえば一面。 ドーナツだって、そうだ。 ひとつながり。 でも、それなら、 立方体だって、実は「ひとつながり」だ。 「球」と「ドーナツ」と「立方体」–––– すべて「ひとつながり」とも考えられるし、 立方体だけは、あるいは立方体とドーナツは、 別の面を持つと考えることもできる。 球は間違いなく一面体だが、 ドーナツを一面体と捉えるか、 多面体と捉えるか–––– ①ドーナツも多くの面を持つと考える か、 ②

      • 第8章 / いつかこの世界はこの世界ではなくなる. 【後篇】 ノットオーディエンス・アバターズ・サーファー・アンダーシティ・サイクル。

        8−3  ② オーディエンスがいなくなった話 2030年––––今年から火星に人類が移り住めるようになると言っていたのはNASAだったか––––地球上の総人口が百億を目掛けて増加する一方で、火星移住は実現する目処さえ見せず、人類は今なお仮想現実内で擬似的に火星を旅するしかない。  火星と言えば、「トータルリコール」をオマージュしたVRムービーが最高だった。 【 VR ム ー ビ ー と は ? / 前 篇 は コ チ ラ 】 8−1 永遠に完成しない未来のオブジェクト

        • 第8章 / いつかこの世界はこの世界ではなくなる. 【前篇】 不変を重宝する現代性に反して変わりまくる記録。

          8−1  永遠に完成しない未来のオブジェクト オブジェクトには、「物や物体」という意味の他に「目的や目標」という意味がある。  タイトルに冠した「永遠に完成しないオブジェクト」とは、すなわち「時代や環境に合わせて可変する物や目的」というコトになる。そして、そんな不確かでふわふわとしたオブジェクトがなければ生きてゆかれない人間にとって、大切にすべき哲学が「反脆弱性(悪くなれば悪くなるほど良くなる状態)」であり、それは普遍的な「美徳」へと繋がっている。  人間の描く目的や求

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        第1章 / だから, 遠い未来も人はアナログに旅をする.

        • 【哲学者ミルコからの問い】 「球」と「ドーナツ」と「立方体」についての考察

        • 第8章 / いつかこの世界はこの世界ではなくなる. 【後篇】 ノットオーディエンス・アバターズ・サーファー・アンダーシティ・サイクル。

        • 第8章 / いつかこの世界はこの世界ではなくなる. 【前篇】 不変を重宝する現代性に反して変わりまくる記録。

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        • だから, 遠い未来も人はアナログに旅をする.
          23本

        記事

          第7章 / 新たな法治を行うのは誰か?

          7−1  何度でも巻き戻しが効く可逆的未来 最先端のテクノロジー観点から見据える「xR」のフォーカスは「いかに、リアリティを保って、仮想と現実を融合できるか?」に当てられることが多いが、アート業界やエンタメ業界から見た場合、「xR」の社会実装に向けたβ版の開発や実証実験が急務である現段階で、現実への仮想の融合精度(本物のリアリティの追求)は、必ずしも重要なファクターではない。  なぜ、アートやエンタメという視点が重要なのか?––––まず、その理由を明確にしておく。 人は

          第7章 / 新たな法治を行うのは誰か?

          モノ消費とコト消費にまつわり 「旅はいつ始まって、いつ終わるんだろう (いや、きっと終わりはしないし、いつも始まってる) 」 って幻想譚。

           モノ消費とコト消費という言葉が大量消費されているが、その区分の多くに意味などない。  Society 5.0という言葉もある。 ・1.0:狩猟社会 ・2.0 : 農耕社会 ・3.0 : 工業(=工場 = 資本主義)社会  その次には、4.0 : 情報と来ているが、  情報(想造)は–––– ・1.0 : 神様(宗教)神話や呪術、神治社会 ・2.0 : 王様(領土)封建制度、人治社会 ・3.0 : 民主化(法律)多数決、法治社会  ––––と、太古の昔から人間社会に

          モノ消費とコト消費にまつわり 「旅はいつ始まって、いつ終わるんだろう (いや、きっと終わりはしないし、いつも始まってる) 」 って幻想譚。

          AIが人類から奪ったのは「仕事」ではなく「労働」だったせいで「追放」されたマイノリティも「解放」されたマジョリティも 「 」 を思い知るだろう。

          最新のVR/ARゴーグルなんて付けなくても、今、目の前に広がっている風景こそ似非物質で囲われた仮想現実なのに…… 本来、人以外と等しく只の動物である『人類』は、想造(想像による創造)力を以って『人間』となり、唯一絶対の「世界(またの名を自然(またの名を現実))」に「社会」という人間のみに通用する共同幻想を重ねて以来、球体である「地球」のたった一面の上を「国境」という不確かな「線」で区切り、多種多様な虚偽を駆使して「壁」を捏造し続けてきた。  都道府県や市町村という壁–––

          AIが人類から奪ったのは「仕事」ではなく「労働」だったせいで「追放」されたマイノリティも「解放」されたマジョリティも 「 」 を思い知るだろう。

          第6章 / 昔から世界の約半分は想造で出来ていて, 未来の世界の半分以上は想造で出来ていく.

          6−1  昔から世界の約半分は想像で出来ている 世界のもしかして半分以上は想造で出来ている? Ⅰ/世界のもしかして半分以上は想造で出来ていることを証明するために、   まずは「想造」という造語についての定義から始めたいと思う。  僕は、「魔法」を、実際、目にしたという人に会ったことがない。  それなのに「魔法みたい」という言葉も「夢と魔法の国」も、きちんと成立している。この「魔法」というモノこそ「創造による捏造」が産んだ「認識に過ぎない存在」の最高傑作だと思っている。

          第6章 / 昔から世界の約半分は想造で出来ていて, 未来の世界の半分以上は想造で出来ていく.

          第5章 / 未来は常に始まっている.

          5−1  VUCAや突然変異を歓迎する性質 パラレルな思考。  パラレルな組織。  パラレルな体験。  同時多発が歓迎されている。  なぜ、そうなっているのか?––––  ––––IT技術の「発展」によって、目の前にある選択肢の幅や数が爆発的に増殖し、太古の昔からある「VUCA(変動性/不確実性/複雑性/不明瞭」がより進行したからだ。  その「発展」というのも、大量のプロダクトを売買するという画一的なベクトルを持つインダストリアルな進化(何次にも渡る産業革命のような

          第5章 / 未来は常に始まっている.

          AIとシンギュラリティについて ❸ - 音楽の神への信仰と争いが生まれる (2018年に思っていたこと)

          人 工 知 能 が 音 楽 業 界 に も た ら す コ ト (注:これを記したのは2018年であり、ChatGPTが普及する前の予測が含まれている/当時、とある人工知能プロジェクトのコンサルティングを行なっていた)  AIによる作曲ソリューションを、人間の作曲家との対比で描く傾向が強いが、僕は、まったくそのようには考えていない。  それが音楽業界に起こす革命のテーマは「シンギュラリティ」ではなく、「大規模なパーソナライズ(マス・カスタマイゼーション)」や「オーダーメイ

          AIとシンギュラリティについて ❸ - 音楽の神への信仰と争いが生まれる (2018年に思っていたこと)

          AIとシンギュラリティについて ❷ - 科学技術ではなく精神の話では? (2018年に思っていたこと)

           AIに対して楽観的でも悲観的でもないが、シンギュラリティについて思うことはある。  僕もAIによる音楽創作プロジェクトに携わっているので、AIによるクリエイションを否定したいわけではない。むしろ、積極的に推進していきたい派だ。  ただし、いつまでも、ビッグデータ(大量の学習データ)のみに頼る存在であるなら、それは、知能ではなくシステムに過ぎない。  でも、これすら否定したいわけではない。  テクノロジーのみに依存しないシンギュラリティの起こし方、知能という存在感の生

          AIとシンギュラリティについて ❷ - 科学技術ではなく精神の話では? (2018年に思っていたこと)

          AIとシンギュラリティについて ❶ - 常に死に続け生まれ変わる超高速輪廻に在る永遠 (2018年に思っていたこと)

           これは、僕が、とある人工知能プロジェクトのコンサルティングをしていたときに思ったことのメモだ。  2018年のこと。  ChatGPTという神さまは、まだ、この世に降臨していなかった。 「AI」は、常に死んでゆく。  AIは、肉体を持たないマシンであるから、永遠の命を持っているように見えてしまう。  実際、僕らが死んだあとも、AIの中には、僕らとのコミュニケーションの欠片が生き続ける(現生人類が生成する言動や全人類が残してきた作品などが学習データの一部として蓄積/活

          AIとシンギュラリティについて ❶ - 常に死に続け生まれ変わる超高速輪廻に在る永遠 (2018年に思っていたこと)

          だから, 遠い未来も人はアナログに旅をする. 〈前半まとめ〉

          音楽業界(某レコードメーカー)で、約20年、ディレクターをしているボクが書く––––〈音楽業界に興味のある方向け〉+〈DXやxRに興味のある方向け〉マガジン–––– 「だから、遠い未来も人はアナログに旅をする」 ––––から、音楽業界(を目指す方)向けの内容をキーノートにまとめました。画像中心となるため、どうしても「PC推奨」となっております。 もし、お時間許せば……以下のリンクから第1章/第1部(1−1)だけでもお読みいただければ、より深くお伝えできるやもです。 そ

          だから, 遠い未来も人はアナログに旅をする. 〈前半まとめ〉

          第4章 / 古い記録が新たな記憶を創る魔法.

          4−1  オープンソースの時代 今のレコードメーカーは、オリジナルのコンテンツ(音源や映像)をマテリアル化することで、X次創作を通じた共創コンテクストが生まれやすい状況を促進している(※)。  高性能なコンテンツ(アーティストやエンジニアが高い技術を活かして生み出す音源)だけではなく、それを取り巻くコンテクスト(後述する進化型リスナーの拡散行動や交流などで生まれる文脈)の上質さが「ブランド」を構築する場面が増えている。  品質だけでなく、プロセスの質もウォッチされる時代

          第4章 / 古い記録が新たな記憶を創る魔法.

          ピカソの「キュビズム」 - 生みの親かも知れない葛飾北斎は、それを嫌う。

           キュビスムは、ピカソのゲルニカに代表される絵画の表現手法で、4次元視点から見た立体を2次元へと押し込める。 - - - - - キュビズムとは? 3次元の住民である我々が、「高さ」という概念も存在も持てない平べった位2次元の住民には絶対不可能な方法 =「たとえば、ねじったり、折り曲げたり」で、トランプの表裏を同時に見ることができるように、4次元の住民が、(ボクらには想像も付かない方法で)同時に見る「立体を構成するあらゆる面」を(擬似的に)キャンパス一面に並べるようなこ

          ピカソの「キュビズム」 - 生みの親かも知れない葛飾北斎は、それを嫌う。

          第3章 / ○○○○○ - 誰が物語るべきか? 【後篇】 ビックリマンは、どのようにして小学生たちを熱狂させ、その夢から覚めさせたのか?

           引っ張る形になってしまった「○○○○○」––––  いよいよ、それを定義していく––––と言いたいところだが、実は、もう【前篇】に書いた「2つの新たな価値」こそが「○○○○○」の真髄なのだ。 「❷最先端のエンターテック(エンタメ × テクノロジー)」は、プロセスを民主化するコトで多くの共創を促すコトにフォーカスしており、それを活用すれば音楽の生演奏(ライヴ)が古来より持っていたリアルタイムかつ多方向的に影響し合う(メタ・インタラクティヴな)体験を創出できる––––

          第3章 / ○○○○○ - 誰が物語るべきか? 【後篇】 ビックリマンは、どのようにして小学生たちを熱狂させ、その夢から覚めさせたのか?