コウ。。。

架空の日記、体験記です。基本的には一話完結で、ハッシュタグまで目を通して頂けると有り難…

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架空の日記、体験記です。基本的には一話完結で、ハッシュタグまで目を通して頂けると有り難いです。自身のコメント欄に雑文掲載中。こちらで小説を投稿しています➡️https://note.com/kyuyonkikaku

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自叙架空#147

  格闘技好きの彼女に連れられて、あるプロレスの試合をリングサイドで観戦することになった     彼女は今試合をしている悪役レスラーの大ファンで、私は全く知らないが世間的にもそこそこ認知されているレスラーのようで、『ハグ』という必殺技でその人気と知名度を得たらしい   必殺技と銘打ってはいるが『ハグ』というネーミングから、どうせオーバーアクションで強く抱き付いて相手を苦しめる程度だろうと思いつつも、私は期待を込めて試合を観ていたところ、そのうち横にいる私の彼女を含め、立ち

    • 自叙架空146

      私の直属の上司で部署の総責任者の統括部長はスパイダーマンだ     スパイダー統括部長は、業務中はいつも例の全身赤と青のコスチューム姿で、手首から発射した糸で常にオフィスの天井からぶらんぶらんぶら下がって、日々我々のデスクワークを見守っている     ある日一人の職員のミスで、契約先の企業に大至急サンプル品を届けなければならない状況になったのだが、午前の忙しい時間帯で人が出せないのと、我々がまともに届けても時間がかかってしまうため、この高層階の窓から飛び出してビルの合間を

      • 自叙架空#145

        パンがなければお菓子を食べればいい  マリーが実際にこの言葉を言った事実は無いらしい   だが私の妻の麻里は、パンツがなければバスタオルを巻けばいい、と毎回風呂上がりに全裸で部屋を歩き回る私に向かって必ずその言葉を言ってくる             コウ

        • 自叙架空#144

          カツオは病んでいた   毎週日曜日に公共の電波で一家のプライベートを面白おかしく晒され、そのおかげでカツオやカツオの家族の知名度は上がったものの、数十年に渡って私生活を切り売りする生活にほとほと嫌気がさしたようで、カツオは時々荒んだ眼をしたかと思うと、こたつで寝ている私を捕まえて悪さをしたり、何の落ち度もない妹のワカメに陰湿な罵声を浴びせ掛けたりしていた   更にマスオの浮気三昧のせいでサザエもここのところ言動がおかしく、うつろな表情で家の中をふらふらと歩き回ったり、私の

        自叙架空#147

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          自叙架空#143

          私が教員として勤める大学の教頭は、アメリカから期間限定で赴任してきたクラーク博士だ   クラーク博士は、優秀で高名で人格者なのだが少し変わり者で、その日初めて顔を合わせた人には誰にでも「ショウネンヨタイシヲイダケ」と言って笑顔を見せ、学食でランチをとる時は手を合わせて「ショウネンヨタイシヲイダケ」と言ってから食事を始め、温泉に肩まで浸かって気持ち良くなったひと言めには必ず「ショウネンヨタイシヲイダケ」と言う   一年の赴任期間が終了して博士が帰国する当日、私や生徒達が

          自叙架空#143

          自叙架空#142

            ある日街の食堂で、友人で画家のパブロ・ピカソを見かけた     ピカソは一人でいたので私は一緒に食事をしようと思い、店に入って少し離れたところから、ピカソの背中越しに、「久しぶりだな、パブロ ディエーゴ ホセー フランシスコ・デ・パウラ ホワン・ネポムセーノ マリーア・デ・ロス・レメディオス クリスピアーノ デ・ラ・サンティシマ・トリニダード ルイス・ピカソ」と、フルネームで呼び掛けたものの反応が無かったので、私が名前を言い間違えたのかと思い、もう一度ゆっくりはっきりと

          自叙架空#142

          自叙架空#141

            ある日エジソンから、今日これから私の家に遊びにいきたいと電話が入った     現在エジソンは十四もの会社を所有する経営者であり、日々新たな技術革新に尽力をつくす発明家で、私とはしばらく会っていなかったのだが、少し時間の都合がついたので久しぶりに顔を見たいと言い、今から家を出るので待っていてほしいと電話が切られた エジソンの自宅と私の家は三百キロほど離れていて、おそらくエジソンは自家用のヘリか、ハイウェイを運転手付きのリムジンで走ってくるはずなので、ニ、三時間もあれば到

          自叙架空#141

          自叙架空#140

            お殿様に呼ばれて一休さんととんちの勝負をすることになった     先に正解を導きだした方が小判を十枚貰えるという取り決めで、早速お殿様から無理難題が申しつけられると、お題は思っていた以上に難解で、私はしばし熟考してみたものの答えの糸口すら掴めなかったため、ふと横を見ると一休さんも頭を悩ませている様子で、座禅を組んで人差し指を舐め、目を瞑りながらその指で頭をぐりぐりする例の動作を延々と繰り返していた   二人とも何も答えられないまま半刻ほど経つと、一休さんが急にそわそわ

          自叙架空#140

          自叙架空#139

            波平とオバQが二人でクレームを入れにきた     二人は私が医師として常勤するクリニックの受付に来ていて、受付の女性職員では対応できないほど凄い剣幕で詰め寄ってきていると報告を受けたので、当院としては元々二人の『その』治療に全く乗り気ではなく、本人達の強い要望で半ば強引に治療を施したとはいえ、二人を担当した医師として仕方なく私は受付に出向いてどうしたのか訊くと、オバQは、先生が処方してくれたAGAの薬、毎日欠かさず飲んでるのに毛が三本から全然増えないじゃないか!と語気を

          自叙架空#139

          自叙架空#138

          牛若丸と弁慶が五条大橋の真ん中で対峙していた 私は大事な用事があり、急いで橋の向こうの隣街に行きたかったのだが、二人が刀を抜いて正対したまま動かなかったので渡ることが出来ず、その場で立ち往生してしまった いつまで経っても二人は睨み合ったまま動かず、いい加減邪魔臭かったのと、この二人の勝負は牛若丸が勝って、弁慶が生涯牛若丸に臣従するということを既成事実として知っていたので、私は弁慶の背後に回って牛若丸に、身振り手振りと口パクで、脛、弁慶、弱点、さっさと決着つけろ、と伝えてい

          自叙架空#138

          自叙架空#137

            ある週末、IQが二十二万あるという地球外的生物とチェスの勝負をすることになった     地球外的生物は、腕が二本、足が二本、頭が一つと容姿こそ人間と「ほぼ」同じだが、自分は宇宙一高等な頭脳を持つ種族の中でも更にエリート一中のエリートで、貴様のようなトイレのスリッパの裏以下の下等生物に負ける訳がないと言い放ち、こんな原始的なゲームやるだけ時間の無駄だと嘲笑した 先手の私が初手を指すと、地球外的生物はほんの一、ニ秒考えただけで、三十八手後に自分がクイーンで貴様のキングをと

          自叙架空#137

          自叙架空#136

            妹のウランは世間のイメージと違って高価なジュエリー好きだ      その日も私は十万馬力のパンチやキックで怪物ロボットを倒して帰宅すると、ウランが24金のネックレスを手に何か悩んでいたので、私が「どうしたんだ?」と訊くと、「これお茶の水博士から誕プレで貰ったやつなんだけど、デザインがダサ過ぎて一度も着けてないのよね」と言ったので、私は、ウランは昔から他人を思いやるとても良くできた妹で、私の非道徳的な提案など即座に却下するだろうと思いながら「いま金の価格は上昇してるから、

          自叙架空#136

          自叙架空#135

          その日私は哲学者のニーチェの自宅に招かれていた     ニーチェはその風貌や職業上の言動から、性格が暗く気難しい奴だと思われがちだが、実際私生活では気さくで人付き合いも良く、この日も私を自宅に呼んでニーチェ自身が料理したランチを振る舞ってくれ、さらに食後には、甘くて冷たくてプルプルして美味しいデザートがあると、その場で調理用のボウルに牛乳と色のついた液体を入れて混ぜ合わせ、出来上がった物をガラスの容器に取り分けてくれた     私はこのデザートの名前を知っていたのだが、あ

          自叙架空#135

          自叙架空#134

            ある日スティーブン・スピルバーグ監督からフリーメールが届いた     来年クランクインする予定の映画で、純愛活劇SFロードムービーを撮ることが決まったので、その四番手役として出演してくれないかという監督直々の出演依頼メールで、出演が承諾なら、ギャラは二千万払うので、映画の初期登録費として今月中に二百万円を下記の口座に振り込んで欲しいという内容だった     俳優の仕事の依頼は実に二年ぶりで、最後に出演した映画は、総制作費が八百万円の邦画で、私の役は、セリフのない「主人

          自叙架空#134

          自叙架空#133

            うちの診療所に運ばれてきた時にはすでに患者は虫の息だった     患者は女性で付き添いに旦那がいて、その旦那が「妻を治せるのはもう先生しかいません。先生が医師の免許を持っていないのも、手術費が法外なのも承知です。三千万でも五千万でもお支払いするので、なんとか妻を助けて下さい」と私に言ったので、私は「それは漫画が連載されていた当時の料金で、今の令和の時代に換算するとこの患者の手術代は二十億円になる」と言った     二十億なんてとても払えない、とその場は一旦保留とし、そ

          自叙架空#133

          自叙架空#132

          私の部下でフロアマネージャー補佐はプレデターだ プレデターは、容姿は映画に出てくる奴と同じだが、人に暴力をふるったり殺めたりといった残虐行為は一切せず、数年前に我が社の百貨店部門に新卒で採用されて以来、真面目な勤務態度と高い接遇スキルでお客様からの評判も良く、今やうちの店舗には欠かせない存在となっていた   ある時ビルの配電盤のトラブルで営業中突然フロアが停電になり、予備電源に切り替わるまで一分の間真っ暗で、夜目が効くプレデターはお客様に声を掛けてフロアの安全な場所に誘

          自叙架空#132