自叙架空#140
お殿様に呼ばれて一休さんととんちの勝負をすることになった
先に正解を導きだした方が小判を十枚貰えるという取り決めで、早速お殿様から無理難題が申しつけられると、お題は思っていた以上に難解で、私はしばし熟考してみたものの答えの糸口すら掴めなかったため、ふと横を見ると一休さんも頭を悩ませている様子で、座禅を組んで人差し指を舐め、目を瞑りながらその指で頭をぐりぐりする例の動作を延々と繰り返していた
二人とも何も答えられないまま半刻ほど経つと、一休さんが急にそわそわしだし、薄目を開けてどこかを見ようとしていたので私も視線の先に眼をやると、開け放たれた襖の外の庭園の木陰に隠れたさよちゃんが、何か暗号めいた文字が書かれた大きな板をこちらに向けて掲げていて、それを見た一休さんがチーンと言ってお題の解答をお殿様に奏上した
コウ
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