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思わず引き込まれました❗️

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私の好きなクリエイター様の、読んでいて思わず引き込まれた素敵なエッセイ、日記を集めています
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記事一覧

ゆらゆらしたい。

見慣れたその顔を、私はちゃんと知っているはずだった。 目の前でスマホ画面を見つめるその顔は、何度も話し、何度も一緒に笑ったよく知っている顔だった。 ふいに彼女の顔から力が抜け、感情が動いたのがわかった。 スマホから目をはなし、私に向けられた顔。 知っているはずのその顔を見て私は動揺した。 「この人って、こんな顔してたっけ?」 全体像ではなく、目元だけを見つめすぎたせいかもしれない。 でも、この感覚を一度でも持ってしまうと、相手の顔を以前と同じようにひとつにまとめるこ

「なんなの?」より「なんなん?」

飛び出ている鼻毛なんかはもう、目に入ってきてもなんとも思わない。 私の仕事場は、箱のような宝くじ売り場で、座り仕事。 売り場によって、わたしの目線はお客さんと同じだったり、少し見上げるようだったりする。 目線の高さによって、見えるものが違ってくるわけでして、、、 関東生まれ東京育ちの私。話す言葉はいわゆる、標準語という面白味のない言葉。 関西弁が好きです。 「金属バット」彼らの話すコテコテ関西弁はお気に入り。 〝怒気〟を含む言い方。 標準語の「なんなの?」は、他を寄せ

難題。

「コケコッコー!!!!」 熟女の顔に飛び散る白い液体。 安心してくだい、唾液ですよ。 私は家族の中でイジられ役だ。 リーダーは夫、手下の長男。 それに加え、わたしの言動を常に監視する恐ろしい監視官、長女。 昨日も、歯を磨いていたら、無防備な私の後方から夫が忍び寄ってきた。 そして耳元で突然「コケコッコー」とバカでかい声で叫んだ。 驚いた私の口からは、歯磨き粉で白く濁った唾液が飛び散った。手を空中でばたつかせ、足踏みをし、襲ってきたコケコッコーの声を振り払おうと必死に踊り

蟻地獄 後編

まさに 蟻地獄だった もがいても もがいても 抜け出せなかった 4年目に入った頃 私の身体に異変が… 見たこともないようなカサカサした丸い赤い斑点が足にいくつも出てきたのだ 皮膚科に行ったが かぶれ か 蕁麻疹かな? くらいで薬をもらったけど 良くはならなかった 足だけじゃなくて 腕にも 背中や身体にも その丸い斑点は 増えてきた また、別の皮膚科に行ったけど アレルギーかな? 蕁麻疹かな? と、よくわからないまま 塗り薬も出してもらったが それも効かなかった

モンキーパンツの大冒険

~皆様、小さな頃にした自身の「はじめてのおつかい」は覚えていますか?~ 大人になってしまえば 買い物なんて当たり前のようにして 特別なものではなくなってしまいます。 買いたい物を選んで レジに持っていき お金を支払う。 簡単なことかもしれませんが 初めてお買い物をする時は 当たり前にはいかないですよね。 お店に並べられた、数ある商品から 買うものを探しだして 店員の方に商品を渡して やり取りをした後 お財布からお札や小銭と 計算してから出さなければいけません。 初め

¥100

わたしの旅行記③・・・オーストラリアの川に、酔う(後編)

(前回のあらすじ) オーストラリア・ケアンズでラフティングに挑んだ私は、開始3分で川に落ちた。 幸い助けのロープが投げられたが、なぜか掴んだとたん「NO!」と怒鳴られたのだった。 どうなる、私! それでもロープを握りしめていた私だが、とうとう怒鳴り声に負けて手を離した。 このまま何処へ・・・。 しかし次の瞬間、私は首根っこを掴まれガッと引き上げられていた。 後発のボートが助けに来てくれたのだ!引き上げてくれたのはインストラクターさん。 確かにそれなら、ロープへのしが

R&B映画の金字塔!『ブルース・ブラザーズ』を語る。

こんにちは、ぷるるです。 今日は1981年に日本公開された映画「ブルース・ブラザーズ」のレビューです。 「1981年・・・君、最近の映画は見ないの?」 いいえ、見ますとも。現代に生きるぷるるであります! ただブルース・ブラザーズは、私にとって抗えぬ魔力を持った特別な映画のため・・・一度がっつり語りたかったんです。 だから今だけ、ちょっとだけ! この映画トークにお付き合いくださいますよう、お願い申し上げ候でござりまする。 *今回は本当に長くなりましたので、目次をつけ

【In The Court Of The Crimson King】(1969) King Crimson アナログレコードから見た堅牢な館 "宮殿"

実は私は、洋楽ロックに興味を持って初めて買ったレコードが本作でした。忘れもしない中学2年生、1987年暮れのことです。 日本盤の帯付き中古が1200円。一緒に買ったのがフィル・コリンズとフィリップ・ベイリーの「イージー・ラヴァー」12インチ。レシートがまだあります。これでこの月のお小遣い2000円は終了。なのに随分と満ち足りた心持ちでした。大人になった気分でしょうか。 そんな訳で本作、よく聴きました。 私は特にプログレに詳しい訳ではありません。でも発売から半世紀以上、数ある

彼の、とても豊かな人生

こんにちは、ぷるるです。 先日うちで、水道修理工のモリさんによる「トークライブ」が開催されました。 場所は我が家の廊下で。参加者は私ひとりです。 もちろん、モリさんとは初対面。 つまり、「水道修理に来たモリさんが、突然始めた自分語り」を聞いたわけですが、意外や意外、なかなか素敵なお話でした。 今週の月曜日、私は専門業者の方に、水回りトラブルの修理をお願いしました。 やってきたのは、推定60才前後の男性スタッフ、モリさん。マスクをしたお顔が「岸田首相」にそっくりな方で

Now And Then

ビートルズの最後の新曲が11月2日に配信された。 ”Now And Then” 配信前には、 AI で人工的に合成した曲だと言うひとたちがいた。 いいかげんなことを言うな。 ジョン・レノン ポール・マッカートニー ジョージ・ハリソン リンゴ・スター ビートルズのこの4人が一緒になってレコーディングした、 正真正銘のビートルズの曲だ。 4人のその時々の生の声と演奏が詰まっている。 まぁ 聴いてほしい。 ポール、ジョージ、そしてリンゴの3人の話をまとめると、 こういうことになる

日本で使った魔法の言葉、アメリカで見た魔法のジェスチャー

日本には魔法の言葉がある。 プロフィール欄にも書いているが、私は若い頃に日本を飛び出した。 そして海外で10年以上暮らした後、帰国した。 帰国直後、関東の満員電車にしばしば戸惑うことがあった。 あるとき、満員電車に乗り、下車する予定の駅に到着した。 しかし、あいにく私は電車の中ほどにおり、苦労して人込みをかき分けて下車しなければならなかった。 できるだけ人と人の間をすり抜けて出口に向かうが、電車は~♪ 今日も鮨詰め~♬ で、なかなかたいへんだ。 ふと私は、日本を離れ

皮膚科・うらみ節

こんにちは、ぷるるです。 さて今回は、私が10年前に通っていた近所の皮膚科に対するうらみ記事です。 本当はうらみの思い出など忘れてしまいたいです。 でも、近所にあるガッツレンタカーのせいで、なかなか忘れられないのです。 ここの前を通ると、私はどうしても当時のことを思い出さずにいられない。 もちろんガッツレンタカーには、何の問題もありません。 いけないのは、かつての私。 その小さな選択が、このうらみ節につながっていくのです・・・。 <ちょっと長い前置き> 2014

親愛なるフォロワーさまたちと初の「オフ会」へ。。。

noteを始めて約半年が経過したが、親愛なるフォロワーさまたちと初の「オフ会」を実施した。 、、、と言っても、そんなに大げさな話ではない。 ちょっとした理由があって、仲良くしていただいている2名のフォロワーさまと食事に行ったという話である。 フォロワーさまたちのお名前は、、、伏せておいた方がいいだろうか。 とりあえず「Aさん」と「Bさん」とお呼びする。 少しお2人に対する印象をご説明しつつ、noteで我々が日ごろ仲良くしていただいているフォロワーさまとお会いすると、

[解答ハチドリ三世] - 「前回のミステリー54字の答え合わせ(feat. 南ノ名探偵)」

たとえる~なら~♪ そら~ヲか~ける~♫ ひと串~のハミングさ~ん♪ ハチドリ the 3rd~♬って、焼き鳥にされとるやないか~い! 、、、(キョトン Σ(・□・)) 、、、えー、外の暑さにもかかわらず、実におサムいオープニングとなりまして失礼いたしました。。。 前回、謎解き形式の『54字の物語』という企画で「ミステリー54字 ハチドリからの挑戦状」ヲ投稿した。 即興で作った内容であり、シャレのようなトリックものであると書いたが、想像以上に多くのフォロワーさまにコメン