見出し画像

【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】女性のめまいと東洋医学

千葉市内、千葉駅すぐ、女性と子ども専門鍼灸院『鍼灸 あやかざり』です。いつも【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】の記事をお読みいただき、ありがとうございます。

何もしていないのに急に自分やまわりがぐるぐる回ってみえたり、ちゃんと地面に足をつけて歩いているのにふわふわしたり、気が遠くなっていったり。。。
このようなめまいの症状は、大きな病気の前兆では?とつい心配になったりしてしまいますが、意外なことに、ちょっとした体調の変化により発症することが少なくありません。
特に、女性の場合には月経の時にめまいがする、あるいはダイエットをしていたらめまいがするようになったなど、一度や二度は経験したことがある人も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は「女性のめまい」について、その症状や原因、治療方法、食養生について、西洋医学・東洋医学の両面からみていくことにしましょう。

では、どうぞ最後までお付き合いください。


1.「めまい」の症状と原因

「めまい」と一言で言ってもその症状は実にさまざまで、周りがぐるぐるしたり、立っている時にふらふらしたり、立ち上がるときに気が遠くなる立ちくらみがみられる、という場合もあります。
こうした症状について、以前の記事『秋バテ? めまいと鍼灸』では、どの年齢でも起こるけれど、年齢が上がるに従って起こりやすくなるとお伝えしました。
また、一般的には「めまい」は男性よりも女性に起こりやすい傾向にある、とも言われています。

2.西洋医学におけるアプローチ

では、なぜ、女性のほうが男性よりもめまいがおこりやすいのでしょうか?

西洋医学的には、めまいの症状には、女性ホルモンであるエストロゲンの影響が関与している、という一説があります。
まさに、月経前症候群(PMS)や月経困難症に伴ってめまいが現れることがあり、月経の前後や月経中にめまいの症状を発症したいう人も多いのではないでしょうか。
また、更年期を迎える女性の場合には、閉経前後に女性ホルモンが急激に減少するため、自律神経のバランスが乱れます。
それに加えて耳や目などの感覚器官にも加齢による変化が加わるため、めまいや耳鳴りなどの症状が出やすくなる、と言われています。
更年期の対象年齢は一般的には45~55歳を指しますが、最近では、30歳代後半の若い女性でも更年期の症状が現れることがあるので、めまいなどの症状がみられるようなら注意が必要です。
子宮筋腫や内膜症があるために月経過多であったり、婦人科系の腫瘍による不正出血がある場合には貧血が進行してめまいが起こりやすくなります。
そのほかの原因としては、過度のダイエットにより劇的な体重減少をおこすことで貧血状態となりめまいがおこりやすくなる、というのも一つの要因となりえます。

ただ、こうした女性特有と思われるめまいのなかには、メニエール病や突発性難聴など、その他の病が隠れている場合があるので、めまいが長く続く時は、必要に応じて近くの医療機関に相談して一度検査を受けておくと安心ですね。

月経が乱れるようになりそろそろお年頃、自分の女性ホルモンの変動が気になり婦人科を受診する際には、診察時に、月経の状態やご自身の身体の状態、「めまい」が起きた時の月経の状態などを伝えると、診察を受けてる際の診断の参考になるかもしれません。

3.東洋医学におけるアプローチ

「女性のめまいは鍼灸による治療が可能なのか?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、女性のめまいも鍼灸によるアプローチが対応可能な症状の一つです。
その効果は、世界保健機関(WHO)も認めています。
参考リンク:公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

鍼灸によるめまいの治し方は「症状が起こっている根本の原因」をみつけだし、それを正すことによって、めまいの症状を取り除くとともに、めまいをおこさない身体づくりをしていきます。

東洋医学的には、「体質、季候、食事、疲労、ストレスなど、何らかの原因で、体内循環が変調をきたすことにより、めまいの症状がひきおこされる」と考えて治療にあたります。

なお、鍼灸の施術をする前には、問診で詳細に話をお聞きします。
その際には、自分のめまいはどんなタイプなのか(ふわふわ、ぐるぐる、立ちくらみ、落下するなど)、どのような場合にその症状が悪化・改善をするのかを前もって記録しておくとよいでしょう。
また、月経の変化に伴ってめまいが悪化するケースの場合には、月経の状態(月経周期、月経量、月経の色、血塊の有無、月経痛の有無、その他月経に伴う不定愁訴)を記録しておいて、それらを問診時に伝えると診断の参考となります。

4.東洋医学における原因分類

東洋医学的にみる、めまいの原因は、次のように分類されます。

①肝陽化風(かんようかふう)
②陰虚陽亢(いんきょようこう)
③心脾両虚(しんぴりょうきょ)
④中氣不足(ちゅうきふそく)
⑤腎精不足(じんせいぶそく)
⑥痰濁中阻 (たんだくちゅうそ)

詳しく内容については、以前の記事『秋バテ? めまいと鍼灸』をお読みください。

5.一般的な「めまい」への対処法

「めまい」が起きたときには、倒れて大事にいたらないように、動きまわらず安静にすることが大切です。
立っている時なら、腰を下ろしたり、かがんだりして転倒を防止しましょう。
また、普段の食生活や生活習慣の見直しも有効です。
①食事はバランスよく時間を決めて摂取しましょう。
②塩分は控えめを心がけましょう。
③自律神経バランスを整えるといわれている食材を取り入れてみる。
代表的な食品や栄養素としては、以下のようなものがあります。
●発酵食品:味噌、納豆、漬け物、ヨーグルトなどの発酵食品は、腸内環境を整える働きがあります。
●たんぱく質:肉、魚、卵、大豆製品、乳製品などのたんぱく質は、自律神経の働きに必要なホルモンの材料になります。
●GABA:近年、注目されるようになった栄養成分で、ストレスを緩和したり、睡眠の質を改善する効果があります。トマト、かぼちゃ、きゅうり、みかんなどの野菜や果物や漬物に多く含まれています
する効果があり
●ビタミンB12:しじみやあさりなどの貝類や、牛や鶏のレバーなどに多く含まれていて、自律神経を安定させる効果があります。
④ストレスをためない生活を心がけましょう。
特に疲れが溜まったり、心労が続いているような時は、からだを十分に休めるようにし、趣味などでの気分転換も大切です。
⑤ハーブやアロマやヒーリングミュージックなど心地よくさせる方法をみつけて気持ちを落ち着かせてみましょう。

6.東洋医学的な「めまい」の食養生

東洋医学からみた「めまい」に効果のある食材をいくつかご紹介します。

①とうもろこし
【性質と味】甘、平(甘、淡、微寒)
【関連する臓腑経絡】胃・大腸・膀胱経(胃・大腸)
【東洋医学的効能】
●益気寧心(えっきねいしん):体力をつけ、精神を安定させる
●調中開胃(ちょうちゅうかいい):消化不良や食欲不振を解消する

②鶏肉
【性質と味】甘、温、無毒(甘、温)
【関連する臓腑経絡】脾・肺経(脾・胃)
【東洋医学的効能】
●益気養血(えっきようけつ):気血を補う
●温中補脾(おんちゅうほひ):胃腸を温め、丈夫にして機能を回復する

③サバ
【性質と味】甘、平(甘、温、有微毒)
【関連する臓腑経絡】脾・胃・心・腎経(肺・脾)
【東洋医学的効能】
●益気化湿(えっきけしつ):気を高め、余分な水分を排泄する
●寧心補腎(ねいしんほじん):腎を補っていらだちを解消する

これら各食材の効能も重要ですが、偏食をなくして、過食や脂っこいものを普段から控えることも大切ですね。

7.まとめ

今回は「女性のめまい」について、原因や対処法、予防方法について解説をしました。
なお、「めまい」はWHO(世界保健機構)においても鍼灸治療が 適応可能であるとされている疾患のひとつとなっていますので、西洋医学の治療を試してみてもなかなか症状が改善していかない場合には、鍼灸治療を一度試してみてはいかがでしょうか。

今回はここまでとなります。最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。

それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!

鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
千葉県 千葉市中央区新町1−6 ラポール千葉新町202
TEL:070-8525-6132

https://ayakazari.com/

画像の出典:https://www.photo-ac.com/

参考資料:日本女性心身医学会WEBページ、東方栄養新書、食材効能大事典、東洋医学の教科書

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?