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【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】真っ赤な美味しさ『イチゴ』のヒミツ!

千葉市内、千葉駅すぐ、女性と子ども専門鍼灸院『鍼灸 あやかざり』です。いつも【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】の記事をお読みいただき、ありがとうございます。

今回とりあげるのは、真っ赤な果物「イチゴ」です。
「イチゴ」は年齢を問わず人気が高い果物のひとつで、これからの時期はクリスマスケーキの色どりとして、その飾りつけに欠かせないですね。
スーパーマーケットや八百屋さんの店頭にもたくさんの「イチゴ」が並ぶようになってきており、冬が旬の果物なのかと思ってしまいそうですが、本来は3月~4月下旬、春が旬の果物です。

では、いつものように食材の東洋医学的な効能を含め、「イチゴ」のパワーのすごさをご紹介していきますので、どうぞ最後までお楽しみください!


1.「イチゴ」の由来

一般的にイチゴとして知られている種は、オランダイチゴ属で、りんごやなし、さくらんぼと同じバラ科に分類されます。
原産地は南アメリカのチリとされ、18世紀中ごろにオランダで北アメリカ原産のバージニア種とかけあわされて誕生したものと言われています。

オランダイチゴという和名は、江戸時代末期の頃にオランダから長崎に観賞用として持ち込まれたことに由来しますが、イチゴの食用の歴史は古く、石器時代にはすでに野生のイチゴが食べられていたようです。
イチゴという名前の由来ははっきりしていませんが、『日本書紀』には「伊致寐姑(イチビコ)」という記述が残されており、後の『倭名類聚抄』に「以知古」とあることから、「伊致寐姑(イチビコ)」から変化したものと考えられています。

ところで、みなさんが食べているイチゴの実はどんな色していますか?
当然ながら「赤!」という答えが返ってくると思いますが、実は黒や白!!
表面にあって種のようなツブツブのひとつひとつが果実なのです。
これは『痩果(そうか)』といい、1つ1つツブを割ってみるとちゃんとその中に種が入っています。
実だと思っている赤い部分は、花の中心にある『花托(かたく)』、または『花床(かしょう)』と呼ばれ、本来はオシベやメシベが生えるための土台の役目を果たすものです。

では、ひとつぶのイチゴにはどれだけの実がついているのでしょうか?
一粒のいちごには、200個から300個の果実がついています。
次にイチゴを食べるときには、あのツブツブが気になりそうですね!

2.栄養学としての効果

イチゴには、ビタミンC、カルシウム、葉酸、カリウム、マグネシウム、食物繊維など、豊富な栄養素が含まれています。
特にビタミンCは豊富で、その含有量はみかんやグレープフルーツに比べて約2倍、6〜7粒食べるだけで1日に必要なビタミンCを補えるほどです。
また、ポリフェノール(エラグ酸やアントシアニン)も多く含まれています。
その他、意外に知られていないのですが、虫歯予防に働くキシリトールも含まれているそうですよ。

●ビタミンC:
イチゴ100g中に62㎎のビタミンCが含まれていて、「ビタミンCの女王」とも呼ばれています。
ビタミンCは壊血病の研究によって発見されたビタミンでコラーゲンの生成と維持に役立っていて、血管や皮膚、粘膜などを丈夫にするために欠かせない成分です。
免疫力を高めてカゼやがんを予防したり、肌の新陳代謝を高めるはたらきがあるとされています。
水溶性のビタミンで熱に弱い性質があるので、生で食べるイチゴからは効果的に摂取できます。

●葉酸:
ビタミンB群の一種で、ビタミンB12とともに赤血球の成分であるヘモグロビンの合成に関わり、造血に働きます。
また、たんぱく質の合成や細胞の増殖にも関わる栄養素です。
普通の食事を取っていれば必要量を摂取できますが、特に妊婦さんは赤ちゃんの成長に必要な栄養素なので、積極的に摂取するとよいとされています。

●食物繊維:
食物繊維の一種であるペクチンが100g中に1.4gも豊富に含まれています。
ペクチン水溶性食物繊維で水分を含むとかたまるため、便秘のときは水分のなくなった便をやわらかくし、逆に下痢のときには膜状になって腸の壁を守ります。
血糖値の急な上昇を防ぎ、コレステロール値を下げる働きもあります。
また、腸内環境を整えて生活習慣病の予防、改善にも効果が期待できます。
いちごの食物繊維は100g中1.4gもあり、バナナよりも多いのです。
食物繊維の一日の必要量は成人女性で18gなので、いちごだけでは賄いきれませんが、不足しがちな食物繊維を、おいしいいちごで補給してみてはいかがでしょうか?

●キシリトール:
唾液の分泌を促す効果や歯の再石灰化を促進する効果があります。
さらに、虫歯の原因になるミュータンス菌の増殖を防ぐ効果もあり、虫歯予防の効果が期待できるそうです。
そのキシリトールがイチゴには100g中に約350mgも含まれているのです!

このように、イチゴはビタミン以外にも多くの栄養素を含んでおり、健康にもうれしい食材ですですが、水分も多く冷たいフルーツであることから、食べ過ぎは胃腸や内臓を冷やしてしまいます。
適度な量を、おいしく味わって食べるといいですね。

3.東洋医学的な効能

オランダイチゴは中国名を「草苺」といい、東洋医学的には以下のような属性と効能をもちます。

【性質と味】 
甘・酸、寒、無毒(甘・酸、涼)
【関連する臓腑経絡】 
肺・胃・肝経(肺・脾)

①生津止渇(しょうしんしかつ)

体内における津液(水分)の生成を促すことから、唾液を増してのどの渇きを解消します。

②健胃消食(けんいしょうしょく)

胃の調子を調え、食べたものを消化を促します。
食欲不振や消化不良を改善します。

③清肝熱除煩(せいかんねつじょはん)

肝にこもった余分な熱を収めて、ストレスを解消します。

イチゴは「寒性」で熱を収める作用があるため、喉が痛んだり口が渇いて水分を欲するような風邪で発熱症状がある方や、「肝陽亢盛」体質で熱っぽい方、微熱のある「陰虚」体質の方には向くとされています。
逆に、冷え性のある「陽虚」体質の方は控えめにしたほうがよいでしょう。
また、イチゴの繊維はからだに水を溜めやすいので整腸に効果的ですが、胃腸が弱い「気血両虚」体質の方や高齢者、妊婦の方は胃腸が冷えるとむかつきが起きやすくなるので少量にしておいたほうがよいでしょう。
「食積痰湿」体質の方は体内の水分を処理する能力が低下しているので、イチゴを食べ過ぎると水分が溜まり体調が悪くなりがちですので、気を付けましょう。

4.千葉とイチゴ

イチゴといえば「とちおとめ」や「あまおう」が代表されるように、栃木県や福岡県が有名ですが、千葉県も全国第9位の生産量を誇っています(2021年産作況調査:農林水産省)。
千葉県内の主ないちご産地は旭市や山武市などですが、当院のある千葉市内でも古くから盛んに栽培されています。
また、千葉市は全国の県庁所在地・政令指定の中でイチゴの購入額が2位、購入数量でも5位(2023年家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング:総務省)と、とってもイチゴ好きなんです!
そんな千葉市で栽培されている主な品種をご紹介します。

【かおり野】
オレンジ系の赤色で、香りが高く、ジューシー。
酸味が少なくさっぱりとした甘さ。

【とちおとめ】
鮮やかな赤色で、酸味と甘みのバランスがよく、ジューシー。
また、日持ちもよく人気のある品種です。

【べにほっぺ】
美しい紅色で、コクのある甘酸っぱさが味わえます。
「ほっぺが落ちるぐらい美味しい!」というところから名付けられました。

【チーバベリー】
千葉県が開発したオリジナル品種。
酸味と甘みのバランスがよく大粒で果汁たっぷり!

イチゴは品種によって味も香りも異なります。食べ比べをするのも楽しいですが、好きな品種だけをとことん味わうのもいいですね。

5.「イチゴ」の楽しみ方

5-1.イチゴ狩り

完熟の甘くて美味しいイチゴは一口食べると幸せな気分になりますよね。
食べごろを思う存分味わえるのは産地ならではの特権!
イチゴを楽しむならやはりイチゴ狩りではないでしょうか。
千葉市内にもイチゴ狩りの観光農園やとれたて新鮮なイチゴを買える・食べられる場所がたくさんあります。

●いちご農園『ワイズアグリ』 いちご狩り(千葉市若葉区)
1組ごとに1棟を貸し切りにして贅沢ないちご狩りができます。

●ドラゴンファーム(千葉市若葉区)
定番のとちおとめから珍しいものまで19品種が栽培されているので、いろいろな品種の食べ比べが楽しめます。

●フルーツランドとけ 観光いちご園エーアト・ベーレ(千葉市緑区)
千葉県内屈指の大型観光いちご園で、チーバベリーも栽培されています。

他にも、全部で16か所の農園があり、1月~5月まで長い期間楽しむことができます。みなさんもお近くにイチゴ狩りのできる場所があれば、今シーズンはぜひぜひ、もぎたてを味わってみてください。

5-2.からだにやさしい簡単アレンジ

疲れた時のおやつとして、甘酸っぱい生のイチゴがおすすめですが、冷たい果物よりあたたかいものの方がホッとすることもありますよね。
そんな時にはイチゴと甘酒を混ぜて「イチゴ甘酒」を楽しんでみませんか?

《作り方》
甘酒いちごの作り方はとっても簡単です。
甘酒をレンジで温めたら、つぶしたイチゴを加えて混ぜればできあがり

甘酒には古くから伝わる発酵食品で、ビタミンB1、B2、オリゴ糖、食物繊維、アミノ酸、ブドウ糖など、たくさんの栄養成分が含まれているため滋養に効果があり「飲む点滴」とも言われています。この甘酒に足りないビタミンCをイチゴで補うことができます。

6.まとめ

ここまで「イチゴ」のヒミツやすごさをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?

真っ赤な美味しさ『イチゴ』ヒミツの答えは、『イチゴ』は美と健康の味方、つまり女性の皆様にとって強い味方となる果物、食材なのです!!

筆者の鍼灸院『鍼灸 あやかざり』は、女性と子どもを専門としています。
来て下さる患者様に対して、鍼灸治療を行った後に、季節にあわせた食養生をお伝えすることがあります。
東洋医学的効能をふまえ、各々の体質にあった食養生を心がけることで、鍼灸治療だけでなく普段の生活からも、自然治癒力を高めてご自身の健康を保つ手助けをすることができます!!

『真っ赤な美味しさ『イチゴ』ヒミツ!』はお楽しみいただけましたでしょうか??7

食養生、毎日の食事こそがわたしたちの身体をつくるもととなっています。最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!

鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
千葉県 千葉市中央区新町1−6 ラポール千葉新町202
TEL:070-8525-6132

https://ayakazari.com/

画像の出典:https://www.photo-ac.com/

参考文献:『中医臨床のための中薬学』、『東方栄養新書』、『オールガイド食品成分表』ほか
参考資料:千葉市ホームページ

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