見出し画像

【療育】ダウン症児のリハビリにST加わる

ダウン症の子は、必ずといっていいほど発達障害と知的障害を伴って成長していく。これ、ほぼほぼ確実。だから、我が家のダウン症児のたー坊先生も生まれた直後、墨東病院に搬送されて検査を経てダウン症の告知を受けたときも、ショックで最初は何も考えられなかったが、2-3か月経過したくらいからセッカチな母は、療育が子供と自分の未来を救ってくれるんじゃなかろうか、とそこに希望の光を見出した。割ともともと体育会系で、やればやるほど人は成長する、と信じてやまない質だったので、「そうだ療育だ。そうだリハビリだ」と活路を見出した。

あちこち電話をかけまくり、いろんな人にアドバイスをもらい、ダウン症に特化したプログラムを提供している会社に出会い、毎週1回リハビリに通うことにした。詳細はこちら。

このために週に1回、午前中まるまる仕事を休むまないといけなくなった。結構その負担は大きかったが、ありがたいことに会社と仲間に恵まれてそうした柔軟な働き方が実現できた。ただ、何より辛いのはそれなりに通うのが遠いこと。片道1.5~2時間かかる。駅から家と駅から会場がまたそれぞれ微妙に距離がある。雨の日はカッパを持って傘をさし、ベビーカーには防水スプレーを施しさらにレインカバーを装置。すっかり快適なのはたー坊先生だけ。
それでも満足できない強欲母は、市役所で家の近くに発達支援センターなるのものがあるということを聞きつけた。市役所から一通り説明を受けたあと、少し検討してみて希望するなら市役所に連絡を、といわれた。希望するも何もサービスを受ける一択しかないとは思うが、市役所からはまあまあ、と宥められた。とにかく百聞は一見にしかず。様子を見て見ようと思い立ち、翌日速攻その支援センターを訪問した。ノーアポ、あるのは母の気迫のみ。そして奇跡的にどうみても敏腕にしかみえないコーディネーターの方に出会った。我々親への寄り添い方が素敵すぎるその人に会いたいがために通いたいとすら思うほど。敏腕なその方はその場ですぐに手続きをしてくれて申し訳ないが役所とは桁違いのスピード感でものごとを決めていってくれた。今でもその発達支援センターには月2回セッセセッセと通っている。朝一のレッスンに親子で参加してから慌てて保育園に直行する日々。保育園までの道中、たー坊先生は自転車にゆられてトロンと眠りこける。

だがしかし、幼少期からのスポコン根性は留まるところをしらず、それでも満たされない母は、我が家の心の支え、もはやこの方無くしてリハビリはない、と言い切れるくらい尊敬してやまないPT(Physical Therapist、理学療法士)の先生とこれまた奇跡的に出会うことができた。毎週朝1時間、自宅に来てくれてみっちりと運動につながるトレーニングをしてくれている。

だがしかし、欲まみれでスポコン頭でせっかちで頑固で短気で唯一体力には自信がある母もさすがにここまでくるとそれなりに心身共に限界がくるもので。だんだん、仕事の傍ら療育をしているのか、療育の傍ら仕事をしているのかわからなくなってきた。しかも完全フルタイムで仕事復帰し、平日は基本ワンオペ状態。療育+仕事(なのか仕事+療育なのか)に毎日ルーティンの掃除・洗濯・料理と育児が加わると、これはもう誰がどう見てもしっちゃかめっちゃかで何もかもが機能不全。子供が生まれる前は、朝5:00に起きて夜23:00すぎまで存分に仕事をできていたのに、いまは9:30-17:30、いや、療育のことを考えると週4出勤の業務委託的働き方なんじゃないか。これまでと同じ、もしくはそれ以上のパフォーマンスを出そうとすると、物理的にもはや無理やん!ということに遅ればせながら気づいた。それでもこの一年は「いや、何とかなる」と思ってバチコーイ、体育会系のノリと、効率と生産性向上の両輪でハムスターのごとく鬼速回転してきた。
でもふとあるとき、限界点をよゆーで超えたハハは気づいた。仕事をど真ん中に置きながら、ワンオペで育児に家事をしながら療育もなんて、こんな神技、凡人の私にはとても続けられない!!

とりあえず、週に1回遠方はるばる通っていたレッスンを一旦休会することにした。そしたら、私も少しばかり余裕がでてきたもので。母に余裕ができると、どうやら家族間にもほんわかした雰囲気が流れるらしい。でもこんな疑問が頭を駆け巡る。「本当に今療育を減らしてしまって良いの?」

悩みに悩んでいたある日のこと、ふとしたきっかけで家の近くに療育施設ができたと知った。きっかけはものすごく今風で、Googleマップを見ていたら、ふと目についた名前が位置情報として出てきた。これは聞いたことのある療育サービス。リンクから入ると、6月に開所したばかりとのこと。これはチャンスかもと思い立ったが吉日。すぐに電話して翌日見学をして、奇跡的に土曜日枠があいていたので、毎週土曜日通うことにした。ここは、平日役立たない・・もとい帰りが遅くてたー坊先生と過ごせないチチの出番である。そして、平日もやったほうがいいですよ、と提案されたチチはこれまたスパルタのスイッチが入ったのか、なぜかやめる方向に進んだ療育が一転、これまた何故かやる前より増えるにいたった。療育は増えるわかめみたいに際限がない。療育が我々を救ってくれるとちょっとだいぶ傾倒するとこういうことになるらしい。ちなみに、この療育サービス、今受けているサービスとはまた違う感じでこれはこれで我が子もそれなりに不思議そうに楽しそうに受けている。

が、しかし。これだけ療育をガンガン受けて、超英才教育仕込みのたー坊先生なのだが、その成果があるのかないのか、イマイチ母にはよくわからない。もともと身体面の発達はダウン症の同じ月齢の子たちの中でもゆーっくりで、首座り認定もらえたのが何と生後8ヶ月。それ以降、「拙者はこれがいいでござる」とまるで覚悟を決めたかのように、胡座をかいて鎮座する日々が続く。他の子がつかまり立ちをしたり、歩き始めるタイミングになっても彼はひたすら不動で鎮座し続ける。下半身はズンと地面にぴったりくっついて安定する分、上半身が自由自在なたー坊先生は、最近、やれシールを台紙に張り付けて遊んだり、やれ絵本を斜め鬼速読みしたり、モノは投げ放題、つかみ放題、噛み放題をやらかしてくれる。

そして怠惰からなのか、安定するが故なのか、最近は呼ばれて移動するときに「いざり這い」をするようになった。しかも結構この速度が速くなっている(いざり這いはシャフリングともいい、座ったまま足を前に出してオシリをズリズリしながら移動すること)。もっぱらこれ一択。誰も教えていないのに。そしてこんなに療育漬けにしているというのだから何もいざり這いを覚えなくたっていいのにさ。
このいざりばい、昔はシャフリングベビーといってあまり良しとされず、矯正されることもあったとか。でも信頼するPTの先生と相談して、移動そのものに興味や達成感を持ち続けてもらうためにも、禁止するのはやめようということになった。療育ママのワタクシとしては、療育っていったい何なんだ?!という疑問が一瞬頭の中をよぎらないでもない。

ただ、ポジティブな変化もある。それは彼が良くみて動作をまねたり、人に興味を持つということがずば抜けて得意であるということ。見よう見まねで動作を真似たり、彼ができるやり方で意思を伝えようとしてくれること。前回の記事の通り、出会う人に最大限の愛嬌をもって接すること。これは多分に幼少期からの療育の成果である、と信じてやまない。

そんなたー坊先生に、この度またまたリハビリメニューが加わることになった。月に2回通っている発達支援センターから2歳になったので、「ST」クラスを追加しましょうと提案をいただいた。

STとは、言語聴覚療法( Speech Therapy )のことで、言語(言葉)やコミュニケーション、嚥下領域のリハビリテーションのこと。嚥下・摂食は別に摂食外来に通院しているので、発達支援センターでの主なトレーニングは言語になる。
我が家の坊ちゃんはここ最近、発語が言葉になりそうな手前最終第4コーナーにいる(ように感じている)。これまで、あーとかきゃーとかうーとかだったが、ここ最近、それとは全く違う音が出るようになってきた。パパパとか、マンマとか、アバチーとかとか。ちなみに彼の発語がたまにロシア語に聞こえる私の耳はイカレポンチキなのだろうか。
そして、先日朝イチオンラインで社内ミーティングをしていたら、たまたま朝の療育待ちで家にいた彼が、足元までやってきて、両手を掲げて「だっこー!」をせがんできた。そして抱き上げた目線の先に同僚の先輩を見つけるやいなや、「パパパパ!!」とテンションアゲアゲで叫んだ。

その驚くことといったらない。いやいやいや、今じゃないでしょ!本物のパパさんが知ったら多分これは相当に拗ねますよ(笑)こうした予期せぬハプニングとともに、彼はこれまで以上により一層言語習得の階段を駆け上がっていくのだろう。一歩一歩とは言わずにガンガン1段、2段抜かして駆け上がっていってほしい。

なぜか「け」のカードが好き?噛むのに程よい硬さらしい。
「パパパー、ご飯マダー?」
腹ペコ青虫が大好き!しかもなぜか一番最後のページばかり見ている(笑)
自分でやりたいお年頃。


いいなと思ったら応援しよう!