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詩など

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自作の詩,詩のようなことばをまとめています。
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#春

【詩】半月  (#シロクマ文芸部参加作品)

【詩】半月  (#シロクマ文芸部参加作品)

朧月
よく見れば 半分

光は輪郭を溶かし
実は半分であることを
さりげなく誤魔化しながら
夜毎ふくらむ 花を誘う 

もう半分はどこへやったの?
欠けたの? 亡くしたの?
それとも
これから造るの?

朧月
よく見れば 半分

夜毎ふくらむ花のひとひら
よく見れば 月

・・・・・・
見上げた月が,ちょうど半月の朧月でした。
思わずシャッターを切りました。
月に誘われコブシも咲き出し、すっかり春

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【詩】菜の花

【詩】菜の花

野原に
電灯を
つける

そこだけ
あかるい
光になる

遠くからも
よくわかる
春の合図に

心の中で
手を振る
電車の中

遥かな
土手の
菜の花

・・・・・・
いよいよあたたかくなってきました。あちこち花ざかりですね。
素敵なお写真をお借りしました。ありがとうございます。

【詩】春風はまだ吹かない詩 ※アナグラム詩

【詩】春風はまだ吹かない詩 ※アナグラム詩

春風はまだ吹かないし
世界はまだ孵化しない

春は、不死なる魂

深まる花糸はまだか
深まる花芽はまだか

春は、爆ぜた枷

遥かな高風急かし
遥かな詩歌吹かし

春は、伏せない瞼

忌々しい世々は 是か
はたまた何故 不可か

春は、哀しい意思

降る花々
経る花々

生は、果たせましたか

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Twitterで #春風はまだ吹かない詩 の募集を見て、「

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【詩】冬来たりなば春遠からじ ※アナグラム詩

【詩】冬来たりなば春遠からじ ※アナグラム詩

ゆらゆらと冬焦らし
瑠璃鳥は行き飛ぶ

ふかふかした雪から
顔出した蕗、鹿は囓る

はらはらと降る花々
鳩羽ばたき、白樺は薫る

りりり、
時折、ラジオから春は鳴る
ふふふ、
折々、菜花はただ語る

遥々時行き
大人と成り、
二人と為り、
母となる幸(ゆき)

白々した雪映ゆ丘
大きな花束抱き、冬終ゆる

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「冬来たりなば春遠からじ」(はるきたりなは ふ

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夜の国

夜の国

春になりましたので
童話のように美しい
夜の国へ
引っ越すことになりまして

大変心細くはあるのですが

よるが、
ひかりが、美しいので

何とかなるだろうと思います

春の夢のような
光溢れる夜の国を、いつか
自分の生まれた国のように、
思うことができるでしょうか
#詩 #エッセイ #春 #note文芸部 #新生活に向けて #フォエム52

春待ち

春待ち

ひとしずく
枝の先にこぼれる、春
堪えきれない涙のように

咲き初めの花に
目を伏せる人がいる
今年の冬は長いですねと

話しましょう
先の見えない明日のこと
灯のような花房の下
#詩 #短歌 #連歌 #春 #桜 #フォエム52 #創作