あとつぎじぬお

関東某所のあとつぎ地主です。 家族、親族と時に殴り合い、時に手を取り合っている記録。 …

あとつぎじぬお

関東某所のあとつぎ地主です。 家族、親族と時に殴り合い、時に手を取り合っている記録。 #同族経営

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今日も、自分の名前のハンコを押す

契約書に、自分の名前が入った、ゴム印を押す。 会社としての契約ごとだが、そこには堂々と自分の名前を記載する。 よくよく考えたら、会社間の契約で、自分の名前を書かなければならないのは、世の中でわずかな人たちだ。 僕だって、父から代表を継ぐまでは、父の名前が入ったゴム印を父の代わりに押していた。 僕が家業に戻った時点で、父はメンタル的な体調を崩していたから、僕が入って以降の契約ごとは基本的に僕が意思決定をしてきた。 だから、父の名前のゴム印を押していたときから、僕の意識

    • 年収1000万で手取り800万いかない日本社会

      2024年現在、年収1000万円を日本で稼いでも、手取りは718万円ほど。 (介護保険あり、扶養者無の場合) これって若者から見て夢があるだろうか? 仕事頑張ろう!って思うだろうか? 多くの人は年収1000万円いくために20年、30年のキャリアが必要かと思う。 それだけの情熱と忍耐を捧げても、今の日本では実際自分が受け取ることのできる”果実”は700万円ちょいなのだ。 調べてみると、2005年まではまだ年収1000万円の手取りが、700万代後半には乗っていた。 しか

      • 血なまぐさい不動産相続実話を読んだ②

        前回に引き続き、『地主のための資産防衛術』という本から得た学びを書いていきたい。 ※前回の記事はこちら 言いにくいことこそ直接話すべし この本の目次を見て、気になる小タイトルがあった。 それは、「役員報酬を減額すると叔母は半狂乱に」という章だ。 僕自身、親族の役員報酬減額と向き合っていたので、同じことと向き合っている方の内容を読みたかったし、どういう経緯で狂乱に至ったかも気になっていた。 いざ読んでみて、内容は要約するとこんな感じだった。 ※主語は常に後継ぎである

        • 血なまぐさい不動産相続実話を読んだ①

          『地主のための資産防衛術』という本を読んだ。 事業を成功させた先代の後継ぎが、親族とバチバチやりながらも事業を承継していく生の経験が綴られている。 メインは土地の相続と、分散した自社株式の回収の話なので、そのへんに向き合っている人は自分と重ね合わせて読める本だと思う。 こういった相続や事業承継は、正論はどこにでも書かれているし、正論は分かりやすいのだが、実態がそれとかけ離れているから僕含め後継ぎは苦労している。 そういった意味では、赤裸々に一族の事業承継、相続争いにつ

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        今日も、自分の名前のハンコを押す

          自分の幸福追求ってそんな大事なの?

          最近、いろんなことにおいて、「自身にとってメリットがあるか」という視点で語られるコンテンツが多いと感じている。 例えば、結婚、出産、転職、起業、地方移住、海外移住、などのトピックにおいてだ。 結婚したら幸せなのか?子供がいたら幸せなのか? そんな切り口の動画や記事を皆さんも目にしているのではないかと思う。 でも、僕は問いたい。 個人の幸福追求ってそんな大事ですか?と。 僕自身の思考回路で言うと、何かを決断する時に、それが自分にとってメリットがあるか、とか、自分がそ

          自分の幸福追求ってそんな大事なの?

          「ちょっとの無理」の大切さ

          子どもが産後1か月を超えて、どんどんでかくなっていく。 産後の体重の成長曲線でいっても、平均の成長スピードより上をいっている。 なんでだろう、と考えてみると、やはりよくミルクを飲んでいる。 幸いなことに、妻の母乳がよく出るため、完全母乳で育児ができているというところもあるかもしれない。 しかし、我が子はよくミルクを飲むのと同時に、よく吐くのだ。 1回飲んだら、そのあと数回吐き、寝ているときも吐いている。 それでも、おむつ交換をしていると、めちゃめちゃおしっこをして

          「ちょっとの無理」の大切さ

          トイレ掃除と会社経営

          トイレ掃除と会社経営って繋がってるなと感じることがある。 基本的に賃貸しているトイレは、その所有者の管理になるのだが、共用部にあるトイレについては、こちらで掃除をしている。 半分外にあるトイレなので、トイレとしての汚れもあるし、外にあることによる汚れやすさというのもある。 昔ながらの公園の公衆トイレをイメージしてくれれば近いだろうか。 そのトイレ掃除をしてると、たかがトイレ掃除なんだけど、すごく大切なことをしているという感覚がある。 自分でやってるトイレ掃除はBSに

          トイレ掃除と会社経営

          節水トイレにしたら配管の詰まりが頻発している話

          1年ほど前だろうか。 あるテナント様が、弊社で設置しているトイレを、自費で工事したいという申し出があった。 こちらとしては、費用を持っていただけるのであれば大歓迎なので、了承し、そのトイレは新品に交換され、内装もキレイになった。 費用を持ってもらい、利用者の満足度が上がり、建物の資産価値も上がった。 当然造作買取請求権は破棄してもらっているので、退去時に買取を依頼されるリスクは潰している。 良いことづくめだ。良いことしかない。 もう皆さんオチは分かっていただろう。

          節水トイレにしたら配管の詰まりが頻発している話

          心と身体は繋がってる

          先日、整体に行ってきた。 整体自体、ほぼ行ったことはなく、今回行くところも初めてのところ。 神経系の観点からも体を見てくれるとのことで、自分の身体について知ることや生活習慣の改善に生かそうと。 なにしろ、疲れているのだ。 それも一時的にではなく、慢性的に。 以前、カウンセリングに行った記事を書いた。 もちろんカウンセリングはよかったのだが、カウンセリングでは会話なので自分の言葉として出ていくものによって、自分をケアする感じになる。 でも、心と身体は繋がっているか

          心と身体は繋がってる

          決算書に書いてあることはもう過去の話だ

          会社の決算を終え、改めて年間の決算の確認作業をしている時、ふと僕は自分の中のこんな思いに気づいてしまった。 それはもうあまり興味がない、ということ。 経営者がそんなこと言ったらあかんやろという話なのだが。 でもそれがなぜかというと理由は明白で、決算書というのは過去の状況を表すものだから。 だいぶこの1年いろんなものを変化させてきたから、次の決算の数字は大幅に変わっているはずだ。 つまり完成した決算書が表しているのは、今ではなく過去の数字なのだ。 だから、別にこの決

          決算書に書いてあることはもう過去の話だ

          ”葛藤”こそが人生だ(村上春樹『約束された場所で』書評)

          村上春樹氏がオウム真理教に入信していた人たちにインタビューした本がある。 この本では、オウム真理教に出家していた人たちが、どんな風に生きてきて、どんな経緯で宗教にはまることになって、そのことを例の地下鉄サリン事件の後にどう捉えているのかといったことが、細かく語られている。 その中で僕にとって興味深かったのは、オウム真理教にはまる人たちは「オウム真理教ではすべての疑問に答えが用意されている」という点にすごさを感じていたということだ。 例えば、あるインタビュイーは下記のよう

          ”葛藤”こそが人生だ(村上春樹『約束された場所で』書評)

          節税はほどほどの距離感がベストではないか、という話

          会社を経営していると、税金について考えることが本当に多い。 サラリーマンの頃は基本的に源泉徴収で引かれてしまうので、こちらが考えて手取りを増やす策なんてほとんどなかった。 せいぜい、イデコをやるか、ふるさと納税をやるかくらいの話だった気がする。 それが今、会社経営をして、自分にも他者にも給料を出す立場になると、総合的に状況を見れる分、損得を突きつめようと思えば、いくらでも突きつめられる状況にある。 ただ、その時考えることは多岐にわたりすぎて、「本当に総合的に得なのか」

          節税はほどほどの距離感がベストではないか、という話

          効率化の時代にひと手間の価値を考える

          人手不足の昨今、どこの企業も業務の効率化や省人化に必死に取り組んでいるところかと思う。 おそらくこの流れはしばらく変わらないだろうし、人がする上で”無駄”と判断される作業は今後さらに削減されていくだろう。 でも、先日そんな流れの”反対側”の価値に気づく出来事があったのでそれについて書いてみたい。 昔ながらの出前スタイルを見て感じたこと GW中に、親戚が祖母宅に集まる機会があり、僕も同席したのだが、祖母が昼ご飯としてカツ丼の出前をとっていた。 既に90歳を迎えた祖母なの

          効率化の時代にひと手間の価値を考える

          皆が暇なとき忙しく、皆が忙しいとき暇を選ぶ

          今日はGW最終日。 僕は子どもを見るためにほとんど家にいたのだが、少し外出しただけで、路肩に停まっている引っ越し業者の車両を数台見た。 ああ、このGWに引っ越しをした人が日本に何百人、いや何千人いるんだろうと思った。 GW中は、引っ越しの依頼が多かっただろうから、この人手不足の中で、引っ越し業者は必死で人をかき集めて何とか乗り切ったのではないかと推測する。 引っ越し依頼者の立場に立つと、皆と同じタイミングで、同じ行動を起こそうとするのは非効率だ。 予約もかなり前に入

          皆が暇なとき忙しく、皆が忙しいとき暇を選ぶ

          撤退戦を決断できる人の価値

          景気のよいときはいろんな人が寄ってくる。 事業を拡大するとき、新規事業を始めるとき、動く資金が大きくなってきたとき。 そんな時は関係者はみんなノリノリだ。 なぜなら、そのプロジェクトに参加する関係者は、皆それによって増加したキャッシュフローの恩恵を預かることができるからだ。 コンサルティング料として、収入の〇%をフィーとしてもらいます、というのは、収入や資金が増えていく段階だからこそできることだ。 逆を考えてみよう。 やっていた事業から撤退する、事業を縮小する、資

          撤退戦を決断できる人の価値

          兄弟姉妹への生前贈与にモヤった話2

          前の記事の続き。 あれから、こちらの意見をもう一度母に書面にて伝えてみた。 概略は下記の通りだ。 ・率直に、自分が特別なタイミングでお祝いとしてもらうものを、他のきょうだいは平常時もらっているというのは気持ちのよいものではない ・でも、個人資産の話だから、基本的には個人の自由の範疇なので、思ったとおりにやってほしい ・ただ、他のきょうだいたちに贈与するのであれば、2つの条件を果たしてくれと伝えた。  ①会社存続のための、資金のやりくり、不動産のやりくりに協力すること

          兄弟姉妹への生前贈与にモヤった話2