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04.20 こわいもの

小学校の校庭の隅で、僕はおもむろに頭をつま先に近づけて、自分の両足の間から空を見上げました。

そこから見えた景色は、世界が反転していて、僕はどこまでも空の中に落ちていくような気がしてすごく怖くなりました。

理科の先生は、宇宙はビックバンからできたといいました。
宇宙は今も拡張し続けて、終わりがないのといっしょだといいました。

「もしもこのまま空に落ちてしまったら、僕はどこまでもどこまでも落ち続けなくてはいけない。」

僕が「永遠がこわい」と思った一番最初の記憶です。


中学2年生の時、僕のクラスではなぜかオカルトが流行っていました。
00年代に放送されていたドラマ「トリック」の阿部寛が演じる上田教授の写真が表紙に載っている「どんと来い、超常現象」という本を、まるで教祖みたいに黒板の上に掲げていました。

箸が転んでもおかしい年頃とは言いますが、なかなか高度な笑いを好むクラスだったのかもしれません。(そんなことはないです。)

ある時は例によって都市伝説が流行り、
「深夜0時に合わせ鏡を見ると奇怪なことが起こる」という話が広まりました。

僕は奇怪なことなんて遭遇したくないから、深夜0時にそんなことはしなかったけれど、その時初めて合わせ鏡というものを見たのです。

鏡の中には、先の見えない廊下のような景色が永遠に広がっていて、僕はすごく怖くなりました。

「もしも深夜0時に合わせ鏡をしたら、僕は鏡の中に入れられて、永遠に終わりの見えない廊下を歩き続けなくてはいけなくなる。」

僕が「永遠がこわい」と思った2回目の記憶です。

最近、何もしなくてもずっとこのままで許されていたいという気持ちになるのです。

けれども、僕が何にもしなくてたって、世界は目まぐるしく変わります。

目まぐるしく変わっていく世界を生きるのは正直面倒くさいけれど、そのくせ、最近の僕みたいに、このまま永遠に天井だけを見ていないといけないと想像したら何だか恐ろしくなるのです。



太陽が夜も僕を監視することはないし、
部屋に入ってきた蚊もいつかは死ぬ。

数億年後に世界は滅亡すると言われるし、
そのパニックに飲まれる前に僕は死ぬ。  

もしも、全てが永遠だったら。

ああ、永遠て何てこわいのでしょう。



P.S.
14歳の僕たちの教祖です。



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