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人生色々

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本音のブラック

本音のブラック

灰色の空。降水確率は、40パーセント。うーん傘を持っていくかどうか悩んだ。アパートのベランダから空を見上げていると、

「どうしたんだい?コーヒー冷めちゃうよ。」朝食後に彼はいつも、お揃いのマグカップにミルクを多めのコーヒーを入れる。

「雨が降るかどうか、空に聞いてたの。」

「で空はなんて答えたの?」何だか幼稚園児の会話のようで、クスッとわらう。

「その時の気分次第だってさ!」私はイタズラっ

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思い出の曲

思い出の曲

ILoveYou

と言えば、若くして死んだ尾崎豊の名曲である。

昔ファンだった。

麻薬にハマりそれても、もがきながら聞きあげた曲

太陽の破片

夕べ眠れずに欲望と闘った。

もがく彼の姿を思い、アナログレコードを何度となく聴いた。

尾崎の曲と言えば、ドラマ「北の国から」を思い出す。あの中で彼女と遠距離恋愛していたじゅんは、東京で知り合った女の子と意気投合した。あの時、ホテルで、男女2人で

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コロナが島に遂に来た

コロナが島に遂に来た

また、新たに2種類のワクチンが、承認された。

やっぱり8月のオリンピック。やる気なのだろうか?

ワクチン接種後、1年経って抗体が残る割合は、9割。

副反応が出ても、発症する前にやらないと、

しかし、続々と登場する変異株に、効くんだろうか?

結局、インフルエンザのように将来はなりそうだ。

こんなに毎日感染者数をニュースに取り上げると、その陰にもっと強く恐ろしいウイルスが潜んでいるのではと

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栄光は勝ちの象徴では無い

栄光は勝ちの象徴では無い

コロナの死者が、1万人を超え、それでもオリンピックやる気?と疑問に思う。

国は国民を守る義務を負わないといけない。

コロナの感染者を減らす努力をしているのは、今のとこ医療崩壊が何とか守られているから。

ワクチン接種は、重症化を防ぐためのもの。だから国会議員も、コロナの感染者になる危険がある。

五輪招致で湧いた頃が懐かしい。

これで右肩上がりに景気が良くなると信じていた。

蓋を開けたら、

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妄想はどこまでも

リハビリは、ゴールデンウィーク期間中は2度しかない。だから、妄想に走ってしまう。

夜中になると、前のばあちゃんが、一時間毎にポータブルトイレを動かす。その度に起こされる。だから昨日は昨日は眠れず明け方ようやく眠りこけ朝ごはんだと、起こされる。ポータブルトイレにオシッコしているはずなのにいつも布団がびしょ濡れって怖い。

昼間大いびきをかいて眠りこけてヘンテコな夢を見た。

大好きな恋人とエッチ出

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命の重み

命の重み

大阪にいる娘が「オンライン授業になった」とLINEが、きた。
実習中心の学校やのに。これからどうなるんだろう。大阪の南部だが家から通う学生もいるから仕方ない。大阪の医療現場は、逼迫している。

和歌山も安全、ではなくなりつつある。飲食店から、クラスター。名だしされたスナックゆきは、売り上げガタ落ちするだろう。
明日から非常事態宣言を行使するらしい。
しかし、やはり、日本は対策が緩い。StayHom

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妻の夏休み

妻の夏休み

妻は、テーブルの上にちょっぴり豪華な朝食を作ってあった。

いつもは味噌汁とごはん、海苔の佃煮がある質素なものだったのに、

今朝はそこにアジの開きが付き、4つ折りにされたコピー用紙が添えられていた。

「7日間家を空けます。私の夏休みです。あなたが、コロナでうちで仕事をするようになり、私のプライベートは減りました。少し息抜きする時間があっても罰は当たらないでしょ!毎日あなたにご飯をつくり続け、た

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夜の学校

夜の学校

うちの通った高校には、修学旅行という普通は一大イベントとなるはずの、学校行事がない。

うちに通う生徒たちの殆どが何かしら問題を抱えて、集団で違う所に移動するなど困難を極める生徒が多数派を占める。

だから、

その代わりに、「夜の学校体験」という1泊2日のお泊まり行事をやる。

これは、夕方の6時に学校の門をくぐると、朝8時まで、学校の外には、出られないというルール。後はデジタル機器は一切持ち込

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桜の咲く頃に

桜の咲く頃に

もう、桜の咲く頃にこの世にいるのは難しいと医師から宣告されていた。

冬の木枯らしを見つめながら、夜中になると怖くて眠れない日々が続いた。

私の誕生日は、夏の最中。その頃には、もう、この世に居ない……

だから、冬の寒さが沁みるクリスマスに、最愛の人に会った。笑って別れを告げるために、目いっぱいオシャレして、彼が予約してくれた高級レストランで、シャンパンで乾杯した。

「あなたと会うのは、今日で

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くす玉

8月の青い空にどデカい入道雲。潮風が海から柔らかい頬を刺激する。

子供達が毎日、海に行く。海の町に暮らす子供の日課だ。

今年は、私の祖母が初盆を迎える。

祖母は、子供達から

「おおばあば」と呼ばれ慕われていた。

真っ黒に日焼けしたしわくちゃの手で、器用にくす玉を作る。折り紙を折る手は、いつも魔法使いの手のように見えた。

私は、小さな頃から、祖母が作るくす玉を一緒に作る。でも、小さな手は

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偶然の克服

偶然の克服

テレビのお天気お姉さんが

「夕方激しい雨が降る予報」

というのを信じて、夕方から友達と食事をするのを来週に延期しようと決めた。

私の嫌いなものベスト3

幽霊、注射、雷。

最近雨の前には、必ず、ゴロゴロ言い出し、その後バリバリ!ドーン……ほんとに耳を塞いでしゃがむ体勢を取ってしまう。通り雨が、ザーッと降る中、ずぶ濡れになる走って建物内に行けばいいのにってみんなは言うが、中々足が動かないのだ

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天使の輪

天使の輪

小学生の頃、朝早くから近くの公園でラジオ体操をするのがなんだか義務のようになっていた。行くとカードにハンコを押してくれ、皆勤だとお菓子の袋詰めが送られる。

それを目当てに、せっせと朝早く行く子もいたが、高学年になると、もう、面倒になり、家で寝ている方がいいやとなる。

親に言われて、渋々たまに行くと、クラスのアイドル的存在成美が、笑顔で「久しぶり!」と声をかけてきた。

「お前、毎日来てるの?」

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たった1gの価値

たった1gの価値

1gのアルミニウム。

道端に落ちていた。

これで何も出来ないから、みんな知らぬ顔で通り過ぎる。価値観なんてそんなもの。

小さな手が、1gのアルミニウムを拾って、交番に届けた。

駐在さんは笑って

「それは君にあげるよ!困った時のために」と小さな掌に乗せた。

その翌日、母親と、手を繋ぐ小さな手。

スーパーのレジ前、店員が困惑している。

「あと一円足りません!」

母親は、好物のプリンを

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青い糸

青い糸

「聞こえますか?」

「聞こえてるよ」」3m先のあたしの声を必死に捉えてくれたカズ。

あれはまだ小3の頃だった。澄み切った青い空。

お酒好きな父親は、酔うと私を、殴る。

母は、そんな父の言いなりで子供が酷い目にあっている中、見て見ぬふり。

私は父が酔う前に外に出るのが習慣になった。

上を見上げれば青一色の空。海岸沿いに歩き、テトラポットが並ぶ場所に行くと、いつもカズが、その上に座ってリコ

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