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紙は、紙にあらず。*Homo Faber n.4*

Homo Faber(ホモ・ファーベル)は、2年おきにベニスのサン・ジョルジョ・マッジョーレ島で開催される、高級工芸品の国際展示会です。今回はシリーズ4回目。

アートじゃないアート。*Homo Faber n.1*
未来の創造者たち。*Homo Faber n.2*
日本の匠と、イタリアと。*Homo Faber n.3*

Magnae Chartae

日本文化のひとつ、紙。世界にも、ペーパークラフトってこんなにあるんだと感心し、多種多様な作品に驚き!

くす玉のような、オブジェ。

Charles Kaisin

ベルギー人アーティストの手によるもの。リサイクルペーパー使用。

ブティック、美術館、教会等のインスタレーション作品として表現される、その空間は、折り紙の可能性を広げさせてくれます。興味のある方は、彼のインスタグラムをチェック!

「Terra、大地」というランプ。
素材は?

Marie-Anne Thieffry

素材は、ダンボール。ダンボールで家具を作り始めたけど、「自分が表現したいのは、これじゃない。」と早々に気づく。改めて観察してみると、紙の断面から、光が漏れている。その美しさに惹かれ、彼女オリジナルの作品が誕生します。

白い紙の凹凸と、そこに宿る陰影。

Lauren Collin

インテリアデザイナーとして仕事をしていたとき、ふと、手を使ってなにかを作りたい。と思ったのがきっかけ。道具は、手術用のメス。

彼女ならではの、彼女にしかできない表現を追求して、この手法に至ったとのこと。手術用のメスは、お父さんが医師なので、手近にあったから。

フランスにわずかに残された、昔からの製法で作られた手梳き紙。彼女が使うことで、多くの人に知って欲しい、という願いも込められています。

お花が咲き乱れるオブジェ。

Sabrina Transiskus

光沢のある紙を、一度くしゃくしゃにして、それからアイロンをかけるという手間をかけて製作されています。

カッターで切り、糊で貼り付け、手で貼り付けるという、シンプルな作業。言うのは易し。行うは難し。

フィンランド人のオリガミ職人がつくる
「Samurai Warrior、サムライ戦士」

Juho Könkkölä

8歳のときに折り紙の魅力に惹かれて以来、折り紙は彼のライフワーク。薄く白い紙を幾重にも折り、重ねることを繰り返し、完成する3Dの作品。

サムライだけでなく、フィンランドのキャラクターや、バイキング、ドラゴンなど、バリエーション様々で、ペーパー版のフィギュアみたい。

紙で作る彫刻。

LISA LLOYD

グラフィックデザイナーを経て、アニメーション製作会社へ転職。その後に音楽業界でミュージックビデオ製作に携わる。そのあと、ようやく、いまの活動を開始する、遅咲きのアーティスト。

光で変化する、カラスの黒い羽根を表現するため、異なる色の紙を細かく切り重ねています。まるで本物の羽根みたい。

タイトルは Il Borgo(イル・ボルゴ)。
「小さな村」の意味。
なにで出来ているでしょう。

DANIELE PAPULI

このセクションのキューレータである、建築家でありデザイナーのミケーレ・デ・ルッキ氏がデザインを担当した作品。

ちょっと見ただけでは、なにで作られているかわからず、近づいて、はじめて本を集めて作られたオブジェと知る。「紙」がテーマで、こういう発想もあるのか!

なんとも斬新な切り絵。

KIRIKEN MASAYO

切り絵創作家「切り剣Masayo」氏の作品。近づいて肉眼で見ると、迫力倍増。1ミリでも切り間違えたら、この美しさは、完成しないんだろうな。ノーミスを要求される、緻密な仕事。だからこを、タコが生きているような躍動感も生まれるのでしょう。バックが黒だから、より引き立ちます。

展示場に並べられるのは、当然のごとく完成された作品。この作品が出来上がるまでに、どれだけの試行錯誤があり、どれだけの工程を踏んだのであろう。

紙を切り、紙を折り、紙を貼ることを、手作業で延々と続けることで、生まれる作品。紙は、紙にあらず。多様性のある、美しい創作物を創造できる人間も、すごい。

Homo Faber(ホモ・ファーベル)シリーズ。
まだ続きますが、
少し気分を変えて、
次回はベニス散策をご案内します。

最後まで読んでくださり、
ありがとうございます!



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