イタリアのモノづくり | ようこ

イタリアのモノづくりはなぜ輝きを放ち続けるのか。政治も経済も、特に優れているわけでない…

イタリアのモノづくり | ようこ

イタリアのモノづくりはなぜ輝きを放ち続けるのか。政治も経済も、特に優れているわけでない(失礼!)イタリア。なのに彼らの作るモノは、艶っぽくて魅力的。フィレンツェに移り住んで見える、イタリアの気質や、豊かさ、アートと職人の関係を、わたしなりの解釈で読み解いていきます。

マガジン

  • 美しい小都市や田舎を訪ねる。

    イタリアの小都市や田舎は、きちんと整えられて、花が飾られていて、住民同士の絆が深くて、自然と、歴史と、人が、ゆったりと時のなかに身を置いています。豊かさってなんだろうって、考えてみたくなります。

  • 職人のモノづくり

    ときに、生活とは無関係の無用の用で、遊びの世界かもしれない。 それなのに? それだから? より美しく、心をこめて、魂をこめて、生み出されるモノと、人との関係に焦点を当てています。

  • モノづくりインタビュー

    なぜイタリアのモノづくりは、色っぽくて魅力的? 彼らの美意識が生み出すものとは? そこから生み出される、ホンモノの力とは? 考えてもわからないことは、本人たちに聞いてみよう! 街の片隅で、モノづくりに励む、職人達にインタビューをしています。 普通では触れることのできない、イタリアの世界へようこそ!!

  • フィレンツェ物語

    ルネッサンス文化が香る古都フィレンツェは、紀元前に古代ローマ人が開墾し築き上げた、なにもない小さな国でした。 依頼人がいて、職人という名のアーティストがいて、通りにひしめき合う工房で、人の手が加えられて、いまのフィレンツェがあります。 それぞれの時代に生き、活躍した人達の物語は、そのままフィレンツェの物語です。歴史の点と点が、線で繋がる、昔から今へと紡がれている、フィレンツェにご案内します。

  • 美しさとは

    美しさの定義って、難しい。その時代に生きた人の価値観とともに、変わるのかもしれない。いや、まったく変わらないものなのかもしれない。美しさってなんだろう。自分に問いかけて、考えたことを書いています。

最近の記事

再生

チェッレリーニの音

前回のチェッレリーニ店のショート動画を投稿します。 次回の記事「地産地消で知るイタリアの食」 前振りばかりですいません。もうしばらくお待ちください!

    • 地産地消で知るイタリアの食

      • 路面店のない、ハンドメイドの鞄店。n.4

        今回のインタビューは、フィレンツェ中心街にある『Cellerini チェッレリーニ』です。 1960年から同じ場所に工房とショールームを構え革製品の商品を作っている、フィレンツェの老舗店です。 今回は、チェッレリーニのインタンビュー最終回です。 ******** * イザベッラさん イザベッラさんは工房に入り今年で4年目。 学校を卒業後、なにをしていいのかわからない。 自分が将来なにをしたいのかもわからない。 それでこの工房に入りました。 お店の接客をしていて、

        • 路面店のない、ハンドメイドの鞄店。n.3

          今回のインタビューは、フィレンツェ中心街にある『Cellerini チェッレリーニ』です。 1960年から同じ場所に工房とショールームを構え革製品の商品を作っている、フィレンツェの老舗店です。 第2回目はお店や販売のことなどを伺いましたが、第3回目は工房でのお仕事や想いについて、職人アントネッラさんに伺います。 ******** Q. クラシックな形が多いですが、新しいデザインもされますか? 壁に掛けられているのは、1960年から現在までの型紙です。 番号が振って

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        • 美しい小都市や田舎を訪ねる。
          イタリアのモノづくり | ようこ
        • 職人のモノづくり
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        • モノづくりインタビュー
          イタリアのモノづくり | ようこ
        • フィレンツェ物語
          イタリアのモノづくり | ようこ
        • 美しさとは
          イタリアのモノづくり | ようこ
        • 救われたアート 1937年〜1947年
          イタリアのモノづくり | ようこ

        記事

          路面店のない、ハンドメイドの鞄店。n.2

          今回のインタビューは、フィレンツェ中心街にある『Cellerini チェッレリーニ』です。 1960年から同じ場所に工房とショールームを構え革製品の商品を作っている、フィレンツェの老舗店です。 貴重な時間を頂いてしまうので、 あまり長居をしないように心がけています。 しかし日本贔屓の職場ということもあり、 ついついおしゃべりに花が咲き あっという間に時間が過ぎるのを 引き戻しながらのインタビューとなりました。 楽しそうな工房の雰囲気も感じて頂ければ嬉しいです。 **

          路面店のない、ハンドメイドの鞄店。n.2

          路面店のない、ハンドメイドの鞄店。 - n.1

          今回のインタビューは、フィレンツェ中心街にある『Cellerini チェッレリーニ』です。 フィレンツェの駅名にもなっているサンタ・マリア・ノヴェッラ教会。 教会から5分ほど歩いたところに、1600年代に建てられたファリノーラ邸があり、邸宅の正面玄関には、フィレンツェらしくメディチ家当主の胸像があります。 当時の主人がメディチ家から重要な任務を与えられていたようで、感謝を込めて自邸に胸像を飾ったようです。 この邸宅の2階が今回訪れる工房です。 2018年までは通りに

          路面店のない、ハンドメイドの鞄店。 - n.1

          2024年もよろしくお願いします。

          俳人の岡田耕さんが投稿されたこちらの内容に連動させて頂く形で、わたしの投稿が案内されました。 年明け早々、嬉しい出来事です。ありがとうございます。 年末は 世界の人に聞いたみた さんの投稿が大変興味深く、世界の人に聞いてみたイタリアバージョンを前回投稿しました。 noteの素敵なところの一つとして、投稿するだけの一方通行の発信ではなく、noterさんと話題を交わしたり、互いの記事を紹介することにより、一つの話題を深く楽しめる点にあると思います。私自身、noter さんと

          2024年もよろしくお願いします。

          イタリアの冬休みと聖人と。

          「世界の人に聞いてみた」さんの12月3日付の投稿では、クリマスシーズンのドイツのスケジュールが紹介されています。同じ欧州でも、同じキリスト教でも、国が変わればお祝いする聖人も変わることを知り、とても面白かったです。 12月25日の幼子キリストの誕生日は、キリスト教国で共通のクリスマス最大のイベントですが、クリスマスシーズン中は、その期間に鎮座する、その国にゆかりのある聖人をお祝いします。 12月8日 無原罪のお宿り(祝日) マリア様は神のお告げによりイエスを宿しましたが

          イタリアの冬休みと聖人と。

          星降る夜のイタリアから。

          ブオンナターレ! Buon Natale ! メリークリスマス! フィレンツェ ピエトラサンタ ヴェネツィア ブラノ島の海に浮かぶプレゼーピオ 今回は写真で訪れるクリスマスをお送りしました。 今年の12月はあまりフィレンツェにいなかったので、フィレンツェの写真が少ないですが、ブラックフライデーでホテルも電車も30%オフだったので、つい先日ヴェネツィアを楽しんできました。クリスマス前のオフシーズンだったので、人のいないヴェネツィア、素敵でした。 クリスマスが終わる

          星降る夜のイタリアから。

          コルシーニ邸庭園と職人展示 2023年 n.3

          ARTIGIANATO e PALAZZO in Firenze フィレンツェの中心街にて9月に開催された職人展示。今回で最終回。コルシーニ庭園へとご案内します。 Métiers d’Excellence LVMH ファッション業界で飛ぶ鳥を落とす勢いのベルナルド・アルノー氏率いる、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン。 エルメスと並び、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンもまた、次世代を担う人材育成に力を注いでいます。 Istituto dei Mestieri d'Ecce

          コルシーニ邸庭園と職人展示 2023年 n.3

          コルシーニ邸庭園と職人展示 2023年 n.2

          ARTIGIANATO e PALAZZO in Firenze フィレンツェの中心街にて9月に開催された職人展示。前回に引き続き、コルシーニ庭園へとご案内します。 Materia e Virtuosismo 素材と名匠 トーンの落ちた照明に浮かび上がる、美しいオブジェ。職人は居ず、職人や工房、そして作品名が記してあります。 Galleria dell’Artigianato(職人ギャラリー)と呼ばれるこの空間では、卓越した技術と洗練された感性を備える、芸術性の高い作

          コルシーニ邸庭園と職人展示 2023年 n.2

          コルシーニ邸庭園と職人展示 2023年 n.1

          ARTIGIANATO e PALAZZO in Firenze フィレンツェの中心街にて、9月にコルシーニ庭園で開催された職人展示。今年で29回目。30年を迎える来年は、特別な何かがありそうな予感。 去年訪れたときは、曇りのち雨では収まらず、さらに暴風雨という、とんでもない天気でしたが、今年は透明な青い空のもと、庭園の緑が映える美しい初秋の景色とともに、職人技を堪能してきました。 きれいに整えられたイタリア式庭園内にある、当時はレモンを冬越しするための建物リモナイア、

          コルシーニ邸庭園と職人展示 2023年 n.1

          トスカーナの山奥にある、絵の村。 n.2

          n.1では、カーゾリ村の心温まる村里アルバム壁画などを紹介しましたが、今回は彼らの知られざる歴史から村に近づきます。 海と村と、気球。カーゾリ村の壁は、歴史も語る。左から右に連なる連作。 最初の一枚。日傘を差した2人の女性が描かれている背後の建物。Grand Caffe (グラン・カフェ)と書かれている。どこかで見た。どこだったろうと、記憶を辿り思い出した。海岸沿いのヴィアレッジョという街のメインストリートにいまも建っている、あの建物だ。 1900年代初期は、ヴィアレッ

          トスカーナの山奥にある、絵の村。 n.2

          トスカーナの山奥にある、絵の村。 n.1

          海岸沿いからほど近い村にて、お肉を調達していた時のこと。ショーケースに並ぶお肉をあれこれ物色しているときも、おしゃべりが絶えることのないイタリア。 会話に出てきたカーゾリという村。店の息子さんはここから通っているそうだ。 「面白い村だから、行ってきたらいいよ。」 その一言につられ、なんの予備知識もなく訪れたカーゾリ村。前回の投稿からずっと彷徨っている村である。 Casoli - カーゾリ村下界からは空の彼方に霞んでみえた山の頂上が、目の前に立ちはだかり、迫ってくるよう

          トスカーナの山奥にある、絵の村。 n.1

          桃源郷に秘められたシンボル。

          *ブーティ村 ロマネスク様式のサンタマリアネーヴェ教会 * ロマネスク様式の教会両脇がオリーブ畑の急な坂道を、えっちらおっちら登っていきます。振り向くと山に囲まれたブーティ村が日の光を受け緑に浮かんでいます。 太陽を受けた銀色のオリーブの葉がキラキラ光り、無造作に掛かる梯子は、いままで剪定でもしていたのでしょうか。時(とき)を切り取ったような瞬間。 1500年代のメディチ家が農園として別荘を作る、たぶんずっと前からオリーブオイルを生産している、歴史ある土地です。大きく畝

          桃源郷に秘められたシンボル。