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未来の創造者たち。*Homo Faber n.2*

Homo Faber(ホモ・ファーベル)は、2年おきにベニスのサン・ジョルジョ・マッジョーレ島で開催される、高級工芸品の国際展示会。

自然の素材を利用し、人の使う道具を作る。というラテン語の意味から、展示会の名前は付けられています。

アートじゃないアート。*Homo Faber n.1*

選別されたアトリエ20社と職人30名が参加。出展のみの作品も含めると400点以上。テーマ別にセクションが分かれています。

Next of Europe

ルックスからも強烈な個性を放つ、ミラノのギャラリスト、ジャン・ブランシャール と、都市ミラノに緑に覆われた集合住宅を建設し、数々の展示会の監修を務めるステファノ・ボエリ がキューレーターとなり、集められた、将来を担う若手の表現する、コンテンポラリー・クラフト。

鳥の羽根から、
絵やオブジェを製作。

AIと共存するような世界では、コンピュータで文字を入力するのが普通となり、ペンを手にして紙に書くことがなくなってきている。

そんな時代だからこそ、人の手でつくる工芸品の存在を多くの人に知ってもらいたい。そのために、アクションを起こし始める時期なのです。 

とは、ジャン・ブランシャールの言葉。

子供用のミニカー

このセクションのテーマは、Next of Europe。「ヨーロッパが次に見据えること」のような意訳になるでしょうか。

木製のサーフボード
Leaf(葉っぱ)

1700年中頃にイギリスで産業革命が起き、機械生産にモノづくりがシフトされ、機械の恩恵で産業が発達し、現在に至る。

手頃な価格の商品が市場に流通し、便利な世の中に変わりました。それはそれで良いと思う。

こんな表現方法もあるんですね。

ただ均一化されすぎると、「遊び」とか「余白」の世界がなくなり、感覚が鈍化してしまうかもしれない。

見て美しい、手にとって美しいと、肌感覚で美を感じるモノに、焦点を当てよう。将来を担う職人という、創造者たちが、育まれる土壌を作ろう。

日本の作品と思いきや、
イギリス女性の作品。

そんな趣旨と意気込みを感じる、素晴らしい作品展示です。

彼女の作っているものは?
子供のときに、
どこかのお家に招かれると
こんな感じのあったなぁ。
これは、誰のもの?



ワンちゃん。

首輪と、うんち袋入れ
機能美。散髪セット。
自然をテーマに、
手で作り出されたオブジェ。
Flow フロー

今回の展示会では、日本のアーティストや職人も多く招待されています。このセクションでは、フィレンツェで唯一の、木象嵌細工専門の工房を持つ、望月さんが出展されていました。

しかも!作品を展示するだけじゃなく、デモンストレーションも担当。

参加の経由を伺ってみると、ある日電話が鳴り、直接にコンタクトがあったようです。担当者とは面識がなかったようなので、どこかで望月さんの作品をみて、心にかけていたんでしょうねぇ。

陰影は、木に焦げ目をつけることで
表現しているそうです。

作り方を説明するたびに、テーブルを囲む人たちの間で、「おー!」とか「ほぉー!」とか感嘆の声が聞こえてきて、わたし、関係ないのに、鼻高々でした。

実際に参加された望月さんが、臨場感たっぷりに、リポートしています。ぜひ!こちらもお立ち寄りください!

Homo Faber(ホモ・ファーベル)では、島の敷地にある建物を利用していますが、外からは、どのような展示作品があるのか、まったく見えません。

建物の構造上なのか、敢えて目隠し方式なのか、足を踏み入れて初めて、どのようなものが展示されていのか、わかるるようになっています。意外性や驚きが、見る楽しさを倍増してくれます。

木々が多く、木漏れ日と、小鳥のさえずりが聞こえるなか、オープンスペースで足休め。

Homo Faber(ホモ・ファーベル)シリーズ。
次回もつづく。




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