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2022年 3月 23日

出来上がった案を、母さんはたいそう気に入って笑顔満面でいる。

確かに、自分でも結構、納得がいっている。

けど、凝り性で妥協できないところが父親に似ているなんて言われたくはない。

こだわりすぎて、工務店が根を上げただなんて…。あの落書きと殴り書きじゃそうだろう。工務店の苦労が目に浮かぶ。結果、納得できる家にたどり着くことができなかった上妥協出来ずに借家に落ち着くなんて、、、うちの父親はアホなのか。

それに、昔はどうだったにせよ、今はいくらでも凝っていい方法があるのだから、いいじゃないか。最初は欲しい家とは何かよく解っていなかったけど、間取りを自分で試行錯誤して段々と自分自身を、一緒に住む家族を、そしてもう会うことはない家族を、少し知れた気がする。



母さんとのこれからの生活、父さんの分まで、自分が頑張ろう。


この物語はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。 在のもの、出来事とは一切関係ありません。
『バベルの住宅』連載はこちら

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