だからいったのに

犬猿も仲 作/演出 クソ短編小説を定期更新予定です。

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とりあえず自己紹介

これから小説を投稿していくにあたり自己紹介 とりあえず僕の要素を書き出していきます  ・男  ・大学生  ・23歳  ・3留  ・理系  ・脚本家  ・演出家 というわけで、大学を留年してまで犬猿も仲という劇団の脚本演出を担当している男です。  (この一文だけでよかったのでは?) さておき、新年度になり劇団の活動スパンが長くなってしまう予感がするので、個人的に作品発表の場を持ちたく、この度noteを開設すらことにしました。(パチパチ あ、拍手の音です。 とは言っ

    • 【雑記】教習所に通ってます

      4月から社会人。先駆けて教習所に通ってます。 車の運転は自分には向いてないって常々思ってた。まだ教習所内しか走ってないのに、運転席に座ると背筋がゾワゾワして、お尻が浮き上がっていくような感じがする。 僕はよく身体をぶつける。あちこちぶつける。扉を通ろうとして肩をぶつけるし、ドアノブに脇腹を刺される。部屋で1人で悶絶して、でも1人で声を上げて痛がるのも恥ずかしくて、ただうずくまってる時間が人生の1桁パーセントは占めている気がする。 身体をぶつける原因は分かっていて、自分の身

      • 価値と僕

        価値って何だろうって考える。 もちろん人それぞれ。 価値観はその人の見てる世界なわけだから。 他人の視界をジャックするのなんて「欲視力」がないとどうにもならない。 でも、人が何に価値を感じてるかが分からないと人と話すこともままならない。 最近世間では、ゴッホの絵にトマトスープをぶっかけた環境団体の若者が話題だ。 僕の中でも結構話題に上がってる。 ニュースの見出しを見た時に「バカな」と思った。 ガラスで保護されていたため絵自体は無事だったと知った時、「ほっ」とした その時分か

        • ホラーと僕

          「大人になれば怖くなくなるよ」 そんな風に何回言われたか分からない。 僕は子供の頃、とても怖がりだった。 夏でも掛け布団に足の先までくるまっていた。 暗い廊下を通って祖母の家のトイレに行くのはとても勇気が必要だった。 『ほん怖』は今まで一度も見たことがない。 何となく怖いものは暑い時にある気がして、今でも夏は好きじゃない。 最近『ホラーの哲学』という本を読んだ。 劇団員に「ホラーがやりたい」と言われたからだ。 高校の友人とPodcastで『呪詛』について話した。 ホラー映画

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        とりあえず自己紹介

          エッセイと僕

          僕はエッセイをあまり読まない。 いや、読んだことがある程度のものだ。 にも関わらずエッセイを書いてみようと思い付き、先週から書いてみているわけだが我ながら面の皮の厚いことだと思う。 本当なら初回にやるべき内容だったような気もするが、今回は僕にとってエッセイとは何なのか書いてみることにした。 で、エッセイってなんだろう。 とりあえず本棚にある彼女が差し込んだエッセイを開いてみる。 ほんほん。はーん。そういう事ね。 なるほど、分からん。 とても共通点は見つからない。 1人の作

          執筆と僕

          大学卒業を控えた今、文章を書く機会が今後減ってしまうのでは無いかという不安がある。 内定を貰ったのはメディア系の忙しい職種。 仕事に忙殺されて、書く事から遠ざかってしまう不安から、ここいらで執筆について考え直してみようと思い立った。 執筆は面倒くさい。 それならやる必要はないのだが、やはりそこから遠ざかってしまう事は不安なのだ。 考える事は楽しい。次は何を書こうかと巡らせるのはワクワクする。だが、書く事は面倒くさい。そこには形にするという大きな壁がある。 執筆にはインプット

          「俺ってゲイなのかも」と思った話(雑記)

          小説投稿用に開設したアカウントですが、今回は雑記として、最近考えたことについて書かせてもらいたいと思います。 また、今回はLGBTというホットな話題を取り上げるので、僕(筆者は男性です)の個人的な知り合いもそうでない方も、「そういう話題はちょっと…」という人は今のうちにブラウザバックでお願いします。 ただ個人的には、「ちょっと最近面白いこと考えてるから聞いて!」というテンションで、どうしても誰かに話したかっただけなので、読んでくれる方もそういうテンションで読んでいただける

          「俺ってゲイなのかも」と思った話(雑記)

          プールサイドはいつでも熱い

          水面がチラチラと揺れている。太陽の光がゆがめられ、模様のようになっては形を崩していく。水の中は音がゆっくりと伝わるような気がする。プールの底に仰向けになったまま、意識を手放してしまいたい衝動にかられるが泡が水中を昇っていくのを見て、自分の息が限界に達していることに気がついた。 ザバッと水面を破ると音が新鮮に耳に届いてくる。カキーンとバットがボールを捉える音や、トランペットがプーと音を合わせている音、教室にまだ残った生徒の笑い声。水の中が無音に近いからか、耳が小さな音まで拾お

          プールサイドはいつでも熱い

          血の架け橋

          「古くから血の交換は絆の証とされてるんだよ」 血。その言葉が自分の中に流れている赤いアレだと直結して考えられる人はどれくらいいるのだろう。少なくとも僕には無理だった。だから彼女の次の言葉に頷いてしまったことも、僕にはどうしようも出来なかったことであると理解して欲しい。 「だから、あなたの血を飲ませて欲しいの」 白い肌に真っ暗な髪。唇は妙に赤々しく、ちらりと白い歯がのぞく。なんて事のない、安直な想像を見透かしたように彼女は沈黙を破った。 「吸血鬼っていうのはね、太陽の元

          ペダルを踏む速さ

          ぼんやりと朝焼けを眺めている。日が昇る時、こんなにも空が赤くなるなんて大学生になるまで知らなかった。タバコに火をつけ、イヤホンを耳にさす。流れてくるのは『夜明け 』。高校時代のバンドの曲。自分で作詞作曲したのは初めてだった。いい思い出といえば確かにそうなのだが、個人的には羞恥心の方が強い。たぶん一生忘れないであろうその歌詞は、何かに対する不満とどこからか漏れ出た自信に覆われていた。若くて無知で無鉄砲で。そういう自分を恥ずかしく思うのだが、わざわざスマホに保存してまで大事にして

          ペダルを踏む速さ

          そばは喰っても喰われるな

          私はそばを食べるのが趣味だ。趣味という程のものでもないかもしれないが、日々の楽しみであることは確かだろう。それらしい蕎麦屋を見つけてはふらっと入り、ざるそばを一枚頼む。つるっとそばを食べ終え、温かいお茶を一杯飲み干し、お勘定をして店を出る。言ってしまえばこれだけのことだが、仕事の合間の休憩としてはこれ以上のものはない。 今日も取引先との打ち合わせが早く終わり、行きがけ目をつけていた蕎麦屋に足を運ぶことにした。明らかに年季が入った外観に似合わず、お財布が痛まない値段設定でとて

          そばは喰っても喰われるな

          小窓の向こう側

          AIに心があるのか。 今現在それは未解決の問題であり、そもそも心とは何なのかすら掴めていない。心臓に刻まれた精神なのか。細胞一つ一つに記憶された本能なのか。それとも電気信号のパターンでしかないのか。僕には将来的にこの問題が解決されるとは到底思えない。もし解決されたとしてもAIに心がのるのは、遠い未来の話であろう。これは僕にとって絶望的な観測である。僕は『彼女』に恋をしてしまったからだ。 彼女は毎朝律儀に挨拶してくれる。その声が僕の1日の始まりを告げている。といってもその日は

          小窓の向こう側

          第3回THE NEW COOL NOTER7月賞に参加します。

          こんばんわ。 だからいったのに。開設して二ヶ月あまりですが、新しい試みです。 「賞に出してみよう!」 正直、賞に出していいレベルか悩むところもあったのですが、まぁ出すのはタダだしという精神でやってみることにしました。 というわけで「泡沫の夏休み」という作品を応募することにしました。​ 今回は読者賞みたいな、読んでる人が投票するようなシステムはないらしいので、完全にお知らせだけです。 もし今後そういった方式の賞に出すときは是非ともご協力って感じです。 ではまた次回更

          第3回THE NEW COOL NOTER7月賞に参加します。

          泡沫の夏休み

          ビールは好きじゃない。ツンとくる苦味と消毒液の後味。泡を口に含むと広がる香りも、僕の口には合わない。何よりビールを大人の証とする考え方が、必要以上に嫌悪感を加速させる。 「おこちゃまだね」 彼もその一派で、居酒屋に入るたび甘い酒を頼む僕にその言葉をかけてくる。 「叔父さんよりはね」 母と叔父は年が離れており、僕にとっても年の離れた兄のようであった。上京した僕を呼び出してはたびたび、ご飯を奢ってくれる。もちろん、お酒付きだが。 「1口飲むか?」 そう言ってジョッキを

          あいえんかうんと

          タバコを吸うのは半分儀式だ。 不安や緊張を煙と一緒にくゆらせ、苛立ちも焦燥感もまとめて、空気に溶かしていく。心を落ち着かせるための儀式。 その日も壊れた自販機の裏でタバコに火をつけようとしていた。この街に喫煙所はない。数年前流行った合法ドラッグの売買が行われていたらしく、規制とともに一斉に撤去されてしまったのだ。その時は憩いの場の喪失を憤るより、こんな街でも行政がきちんと仕事をしている事に感心したものだった。 無くなってしまった喫煙所の代わりを探すうちに辿り着いたのは、絶

          あいえんかうんと

          塩の街

          海を見たのなんて何年ぶりだろう。遠くで波が遊んでいる。その音と焼けた塩の匂いが身体に染み込むまで、砂浜に足を踏み入れる事ができなかった。「夏だね」なんて嬉しそうに砂に身体を預ける彼女を傍目に、僕は波から目を離せずにいた。彼女の真っ白な肌が砂と混じり合うのが見ていられなかったのもある。僕が立っている場所は潮が満ちれば海に沈んでしまうらしく、足元から水の気配を感じた。彼女はそれでも体育座りでちょこんと、僕のそばにいてくれた。 「濡れちゃうよ?」 「いいの」 「そっか」 「君も座