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シン・短歌レッスン

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2023年3月の記事一覧

シン・短歌レッス39

シン・短歌レッス39

最近(と言ってもここ10年ぐらいか)街路樹に知らない木が植えられている。これはトキワマンサクというのだという。「まんさく」というのは「まず咲く」という春真っ先に咲く木だからだという(「梅」の方が早いし、他にもいろいろあるようだが、本来のマンサクはもっと早く咲くのかもしれない)そういえば「まんさくの花が咲いた」という詩があったことを思い出した。

ちょっと違う詩だったような気がしたけど、そうか黄色い

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シン・短歌レッス38

シン・短歌レッス38

国会図書館の桜。梅が咲いた時に行ったから桜が咲く頃にまた来ると誰彼ともなく約束したのだった。桜の精かもしれない。今日の一句。

日記の方に改作を載せた。

『源氏物語』和歌

薫が二条院の桜を見て主のいなくなった宇治の宿を想い出して想起した和歌。八の宮と大君亡き後に中の君まで二条院に連れてきてしまった。宇治の桜は「宿主がいない」から、安心して散るだろうという意味なんだが逆説に解釈されるのだろう。廃

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シン・短歌レッス37

シン・短歌レッス37

落椿。土に赤の方が引き立つな。コンクリートブロックだとイマイチ情緒がないか。落椿が花を上向きに落ちるのは自然なのかな?落椿という人の首が首塚を連想するからか。今日の一句。

そういえば『散り椿』というのもあるんだね。映画見た。『散り椿』は「山茶花」じゃないのか?と思った。椿と山茶花の違いは?

『源氏物語』和歌

元の和歌は椎の木の根本で薫が亡くなった八の宮を想い出すといいう追想の歌なのだが、それ

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シン・短歌レッス36

シン・短歌レッス36

すみれ。漱石の俳句はなぜそんなにいいのだろうと疑問に思っていたが、実際に「菫」はほんと小さな花だった。野生種の菫よりも三色菫(パンジー)を菫だと思っていたから、ちょっとよくわからなかったんだな。「三色すみれ」の桜田淳子のイメージが強い。

菫で一句。

小さき人だと季語にならないので「日永」を入れた。安直か?漱石の本歌(句)取りをやりたかっただけなんだが。

『源氏物語』和歌

『源氏物語』は歌物

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シン・短歌レッス35

シン・短歌レッス35

雪柳。接近して撮るとグロテスクかもしれないと思った。水玉が苦手な人とか。まだ白だから圧迫感がないけどこれが赤とか青だったら結構な圧迫感だ。白い花は密集していてもいいのかもしれない。白梅の白とか。特にこの時期は雪に見立てて鑑賞するのかも。今日の一句。

意味不明だった。

『源氏物語』和歌

『源氏物語』の「幻」の帖に掲載されている光源氏の和歌は、まさに幻想短歌だった。最愛の紫の上が亡くなり残さ荒れ

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シン・短歌レッス34

シン・短歌レッス34

赤花三椏の花。みつまたは紙幣になる和紙の原料だった。赤花三椏はどうなんだろう?赤い和紙が出来るのか?『源氏物語』に手紙を出す時の和紙に色付きがあって紫とか。今日の一句。

赤花三椏だと三角関係っぽいけど普通の三椏はほんのり黄色でいい色なのだ。

でも中国から輸入されたのは戦国時代とあるから『源氏物語』の色付きの和紙は違うのだろうな。

塚原邦雄短歌

1970年三島が自決し、盟友岡井隆が失踪した後

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シン・短歌レッス33

シン・短歌レッス33

一昨日散歩で撮った椿だが椿もいろいろ種類があるのだ。椿はあまりいい思い出もなかった。植木屋でバイトしていた頃、椿に毛虫が付きやすくあまり好きではなかったかな。「電気虫」とか言っていたような。一回刺されたことがある。「イラガ」の幼虫だった。

椿はやっぱ雪の日に赤い花が咲いていると綺麗だ。今日の一句。

椿は難しい。類想句になりそうで。

中条ふみ子短歌

今日も中井英夫『黒衣の短歌史』から。195

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シン・短歌レッスン32

シン・短歌レッスン32

馬酔木(あしび)が好きなのは、大来皇女(斎宮)が詠んだ歌だったから。

万葉集の謀反人として処刑された弟大津を慈しんで大来皇女が葬儀の途上で詠んだ歌だ。万葉集はこの歌のために編集されたのかと思うほどインパクトが強いのは、一方に女帝として燦然と輝く持統天皇がいてその裏には壮絶な物語があったということを歌から知ったのだった。

釈迢空短歌

中井英夫の『黒衣の短歌史』を読んでいたら1953年(昭和28

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シン・短歌レッスン30

シン・短歌レッスン30

隙間植物。オニタビラコ(鬼田平子)という不思議な名前。コオニタビラコかもしれない。隙間植物なのは間違いないのだが名前ははっきりしない。

葛原妙子短歌

紋章とか必要とすること事態よくわからないが歌風ということか?はっきり誰々の弟子というならそういうこともあろうが突然変異的に出てきた異形のものに紋章が必要だろうか?

塚本邦雄は無紋が葛原妙子の紋章であるという逆説を示す。それは絶えず異形のものであ

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換骨奪胎の塚本邦雄の葛原短歌の世界

換骨奪胎の塚本邦雄の葛原短歌の世界

『百珠百華―葛原妙子の宇宙』塚本邦雄

塚本邦雄は葛原妙子を「幻視の女王」と名付けたが、それは塚本の前衛短歌に引き付けた読みであって、葛原妙子の幻想短歌はけっして理念的なところから出発したのではないのは、川野里子『新装版 幻想の重量──葛原妙子の戦後短歌』を読めば理解できると思う。葛原妙子の幻想性は戦争体験という女性の身体性を通して、西欧と日本という精神の中で分裂せざる得ない歌であった。

塚原邦

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シン・短歌レッスン29

シン・短歌レッスン29

写真はヒイラギナンテンだという。ヒイラギなのかナンテンなのかどっちなんだと言いたくなる。でも世の中そういう中間層も案外多いのだ。白黒だけじゃない灰色の世界。

葛原妙子短歌

塚本邦雄は葛原妙子の短歌からその影響元になったものを探索しようとする。その数限りない本歌取りが彼女の短歌の歌風だと見るのである。それは虚構性という彼女の身体的なものの基盤よりは理想の歌という理念的な短歌なのだろう。その先に斎

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