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作家生活

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小説家としての話題。
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#日記

節目と知見

節目と知見

先日、誕生日を迎えた。
今回は特別な誕生日だった。なにせ、もうどう贔屓目に見ても「若手」とか言えない年齢になってしまったのだ。
人生においてはベテラン期に差し掛かり、それなりの振る舞いが求められる。何もしていないと体重が増える一方にもなった。
だから私は、五月下旬からエクササイズを始めている。体力は増えたが体重の変化は無い。理由は、エクササイズ後のアイスが美味しすぎるからだ。

いつもはのんびりと

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舞台『咎人の刻印~ブラッドレッド・コンチェルト~』を終えて

舞台『咎人の刻印~ブラッドレッド・コンチェルト~』を終えて

誰一人欠けることがなかった現場。
一回も中止にならずに駆け抜けた千秋楽。
カーテンコールで万雷の拍手とスタンディングオベーション。
そして、主演お二人の涙。

関係者席にいた私はその時、全く泣かなかった。
いや、それどころではなかった。
胸に渦巻いていた重苦しい感情から解き放たれたような気がして晴れ晴れとした気分だった。
千秋楽後、担当氏と打ち合わせをしている時にふと理解したのだが、あの時私は、『

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足の骨を折りました。~夜間往診が神サービスだったのとタロット占いが的中した件~

足の骨を折りました。~夜間往診が神サービスだったのとタロット占いが的中した件~

4カ月連続刊行中の小説家、この大事な時期に足の骨を折った。
強制ステイホームだ。
人の流れが減ってマクロレベルでは良かったのかもしれないが、個人レベルではとんだ災難である。まあ、原因は120%自分なのだが。
しかし、15日発売の『稲荷書店きつね堂 アヤカシたちの奮闘記』は既にサイン本を作成済みなので、読者さまはご安心頂きたい。

さて、学生の読者さまも多いため、出来るだけ無料を心掛けていた我がno

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服を買って砂の惑星から帰って来た。

数ヵ月ぶりに服を買った。
原稿がひと段落したので、雨に濡れながら近場のユニクロまで行った。
秋になって頭が働くようになり、今のままではいけないと思ったからだ。

忘れもしない緊急事態宣言が発令された春以降、私は精神的に、服を買う余裕がなかった。
因みに、緊急事態宣言中は近所のアパレルショップが全て休業になっていた。
大型商業施設に囲まれた生活をしていた都民は、一夜にしてパンツ難民になってしまった。

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どうして小説を書くのか。

どうして小説を書くのか。

最初は、小説でなくてもよかった。
しかし、家庭環境を鑑みて、小説を書くという選択肢を選んだ。と、トークイベントでお話したのだが、そもそも、何故創作活動を始めたのかをこの記事で書きたい。

私はとにかく、クリエイティブなことをしないと死ぬ人間なのだ。
世の中には、恋をしていないといけない人間、身体を動かしていないといけない人間、お喋りをしていないといけない人間など、様々な人間がいる。
私はその中でも

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現役小説家、ゲーミングキーボードに感動する

現役小説家、ゲーミングキーボードに感動する

このキーボード……光るぞ……!

自分への誕生日プレゼントということで、新しいキーボードを買った。
緊急事態宣言前に買い替えたばかりのパソコンに、デフォルトのキーボードがついてきたものの、こいつがなかなか硬いのだ。
とは言え、一般ユーザーならばそれほど問題ないと思う。
しかし、ヘビーユーザーで指が疲れやすい環境下にある私は常に、石を指で押しているような気がしてならなかった。

ここのところ、一カ月

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「書けない時はどうしますか」という問いに

「書けない時はどうしますか」という問いに

「書けないじゃない。書くんですよ」と私は答えた。

納期は厳守。
編集さんや後工程の皆さまに迷惑を掛けたくないし、何より、作品が読者さまのもとに届くのが、遅れてしまってはいけない。
フィクションに登場する小説家のように、スランプだからと言って原稿を放り出すわけにはいかないのだ。

蒼月が「書けない」というのは、基本的に、病気になった時や、物理的に書けなくなった時だ(PCが壊れることもある)。
私は

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「いつ寝てるんですか」と言われるけど

「いつ寝てるんですか」と言われるけど

6月現在、7カ月連続刊行中だ。
今週、8月刊の再校ゲラと9月刊のゲラの確認作業を終え、年末年始刊行のプロットを2つ提出し、連載原稿を提出したところである。
偶々、今が繁忙期というわけではなく、こういったことがちょいちょいあるので、その度に聞かれることがある。
「いつ寝てるんですか」

睡眠力こそが全ての源というのは、水木しげる先生のお言葉だ。
私もそのお言葉を胸に、睡眠を取るようにしている。という

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