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「書けない時はどうしますか」という問いに

「書けないじゃない。書くんですよ」と私は答えた。

納期は厳守。
編集さんや後工程の皆さまに迷惑を掛けたくないし、何より、作品が読者さまのもとに届くのが、遅れてしまってはいけない。
フィクションに登場する小説家のように、スランプだからと言って原稿を放り出すわけにはいかないのだ。

蒼月が「書けない」というのは、基本的に、病気になった時や、物理的に書けなくなった時だ(PCが壊れることもある)。
私は、イマイチ乗り気でない時も、一先ずは手を動かしてみる。ピンと来るアイディアが出なくても、仮のアイディアで原稿を埋めてみる。
そうすることで、解決策が見えてくることもあるし、気が乗ることもあるし、いいアイディアが出ることもある。
そして何より、原稿が埋まるので、締め切りに間に合わないという最悪の事態は避けれる。
そして、仮で埋めた原稿は、熟成させて改良を試みる。仮のアイディアでおおよその枠が出来ているので、何もない状態であれこれ悩むよりも具体的な改稿案が浮かび、効率よくクオリティを上げられる。

では、仮のアイディアはどうやって出すのか。
アイディアの引き出しを増やしておくと、そこから探すことが出来る。
様々な趣味を持ったり、色々な経験を積んだり、読書をして疑似体験をしたりすると、自然と引き出しは増えるものである。
自然と増えないという方は、趣味や経験や読書で得たものをノートか何かに書き留めておくといい。書くことで発見もあるかもしれない。

例えば、博物館に行った時に、感動したものや気づいたことを書き留めておけば、博物館を舞台にした作品を書く時に助けになる。
ほんの小さな出来事でもいい。博物館を見学に来た団体と遭遇したのなら、その事を書き留めてもいい。学生かご高齢の方々かで、その団体の雰囲気も違うことだろう。
そして、そうした何気ない出来事を主人公の体験として執筆すれば、リアリティをひとつまみ加えることが出来る。

とにかく、「書けない」をなくすためには、引き出しを多くすることが重要である。
引き出しを多くするには、多くのことに興味を持つことがカギではないかと思う。
世界は面白いことで溢れている。
道端の石も、何処からやって来たのかを考えると興味深い。空を飛んでいる鳥の気持ちになってみたら、今までとは違う視界が開けるかもしれない。

私は今日もそうやって、粛々と原稿を進めるのであった。

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