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鼻息の荒い文章はどうやって生まれるのか②ーサービスとスピード感

①はこちら

10年以上前に尊敬している当時の上司にこう問われた。

「人がサービスを求め提供される時、最も満足感の得るものはなにか?」

サービスの正確さ、
接客の丁寧さ、価格・・・などなど色々と浮かんだ。

上司はこう続けた、

「人が一番満足感を得るのはサービス提供までのスピードなんだ。」

なるほど、そうか。とても納得がいった。

確かにいくら安くても、接客が丁寧でも、注文通りにものが来ても、自分の手に届く予測時間を大幅に遅れるなら少しイライラしてしまうかもしれない。

でも、思いの外すぐにそれが与えられればなんだかラッキーと思う。
確かに満足に繋がる。


なんのこっちゃ鼻息ライティングの話の続きは?とお思いだろう。
これで「なるほど、つまりネットで商品を売るのにもスピードが大事なんだ!」と思うだろう。

実は全く反対なのである。

スピーディなライティングこそ、鼻息の荒い文章そのものなのだ。

なんやねん。という声が聞こえてくるようだ。なんだったんだ冒頭の話は。
なんで言ったんだ。と思っているところだと思う。

ではこれを読んでいるあなたは、今どんな状態で読んでいるのかちょっと自分の姿を見渡してみてほしい。

ねっころがって、または休憩時間に、なんとなくSNSで流れてきたブログをクリックしてここにたどり着いたのではないか。

休憩時間や起床してすぐ。通勤の合間かもしれない。
お気に入りのソファに座っているのかも。あたたかい飲み物をすすりながら、パンやタバコを口にくわえながら、からっぽの弁当を前にしながら、
スマホからぼけーっと文字を辿っている。

のではないだろうか?

サービスを受けるとき、人は「サービスを受けている」実感があるはずだ。

カフェにいって料理を提供されている、
通信販売で購入した商品をまつ、
マッサージを予約し、受けている。

「なんかぼけーっとしていたらいつのまにか料理が運ばれてきたから、なんとなくそれを食べた。」

「いつのまにかネットでぼーっとみてた商品が家に届いてた」

そんな人はいないだろう。

いや、大人が手助けしている子供はそういう風に感じることがあるかもしれない。でも大人でそんな人はいない。と思う。いたら少し気を確かにしてほしい。

上記を踏まえて考えてみると、答えはおのずと出てくる。今この文章を見ている人は、サービスを受けている実感はあるだろうか?

答えは「ない」だろう。

そう。

人はブログやネットの文章をなんとなく読む時「そこそこリラックスしている」状態で読んでいる。

気合を入れてビジネス関連の記事を読む以外では多くの人が、ビジネスビジネスした文章なんて読むつもりでスマホを開いているわけじゃないのだ。

つまり人はその時「スピード」を求めていない。

昨日の記事では文章の中における目線について書いた。目線がぶれると読み手はおいてけぼりになってしまう。

では置いてけぼりとはなにか?

感情移入していないままなんとなく文章を読み進めると、突然まくしたてるような文章を読んでもついていけないので目が滑り、それでもいつもの調子で画面をスライドさせていくと、どうだろう。

ものすごいスピードでよくわからない文章が駆け抜けていった、という感想だけが残る。

それを私は「鼻息の荒い文章だな。」と感じるのだ。

スピード感はネットで流す文章において、必要ではないということがよくわかるだろう。それは、先ほど書いた通り、ネットで文章を読む多くの人が「サービス」を受け入れる体勢ではないからだ。

それでは、ネット上で商品を売る文章を書くのは無理なのか?というとそうではない。読み手をリラックスの体勢から、サービスを受ける体勢に変えればいいだけの話なのだ。

書き方により、「サービス」を受けたくなる文章を書くことは可能だ。

感情的な人と、穏やかに話しかけてくれる人、後者の方が説得力があり聴く気になるのは確かだ。

まくしたてる人や怒っている人の話なんか誰も聞かない。聞きたくない。怒りは人に説得力を生まない。

伝えたいこと、本当に魅力があることを言いたいのであれば、早口になってはいけない。

では実際に鼻息の荒い文章にならない書き方について書こうと思ったが、

文字数多すぎるからまた次回をお楽しみに。

明日ではない。そのうち書くわ。

毎日こんな頭つかう文章読みたくないでしょ。なのでまったりと。


山口葵

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