格闘技における体重超過(全文無料)
今日も今日とて柔術は楽しい。今日は体重超過について。MMAやキック、柔術でも日々話題になる体重超過。明確な答えは出せませんが整理はできます。
1.大前提。体重超過は悪
議論の前提として、体重超過は悪です。これは絶対。やっていいことではないです。興行によっては罰金を払えば公式戦扱いになるので罰金を払って体重超過して試合を有利に進めようとすることも可能ではありますがそういう話をしているわけではなく大前提として「体重超過は悪」です。
アマチュア競技でもプロ競技でもそれは同様です。
2.悪なんだけど。。。
もちろん悪いことは前提として。擁護するわけではなく、体重超過してしまった選手にも事情があることを慮るのは人として大事だと思っています。
知っている人にも体重超過した人がいるから、というのもあるのですが。。。それを抜きにしても。「体重超過したやつはプロ失格!!!いくらでも叩いていい!多くの人に迷惑かけたクソ野郎だ!!SNSでみんなで叩こう!」みたいになるのはそれはそれで気持ち悪いと思っています。
個人的に、対戦相手も、関係者でもない、チケットを買ったわけでもない人が好き勝手に選手をボコボコにするのは不愉快で大っ嫌いです。「別に体重超過してもお前の人生には1mmも関係ねえだろ。なんでそんな意気揚々とたたくんだよ気持ち悪い」と思っています。批評批判するのはファンの自由だというのも分かるのでそれがダメというわけではなく、自分には合わないという話です。プロ選手が発信するならともかくリングに上がってこともないやつが好き勝手選手を叩いているのは不愉快です。
「プロだから体重超過したら叩かれて当然」というのはプロ側が言うセリフであってファン側がいうのは気持ち悪いです。
「2時間サウナに入っても100gも体重が落ちない。でも軽量は近づいている。」みたいなこともあります。もちろんそこまでぎりぎりの水抜きをしたことがそもそものミスで、それも含めての減量というのはあります。でも死ぬ気で落としたけどそれでも落とせない選手もいるということを知っておいても良いと思います。
先ほども書いた通り、体重超過は悪です、でも事情もあるよって話です。そして、失敗した人を一斉にボコボコにするのは個人的に嫌いです。
3.アマチュア(競技)とプロ(興行)の違い
アマチュア競技では体重超過はルール違反なので問答無用で失格です。オリンピックをイメージすると分かりやすいと思います。柔術も同様です。体重を落とせなければ試合をする資格はありません。
プロだとそれがちょっと変わってきます。チケットを売るプロは競技であるのと同時に興行でもあります。試合を成立させることの優先順位がアマチュアよりも高いのです。
死ぬ気で準備して、いろんな人にチケットを売って多くの人が関わってくれた試合を相手の体重超過であきらめられるのか。
これは正解がないのでどちらを選ぶべきか分かりません。そこで拒否するもよし、受けるもよし。メリットデメリットがあります。
4.適性体重とは
これが分かったら苦労はしねえよって話で。
死ぬ気で練習して試合してもフィジカルで吹っ飛ばされた選手が、少しでも勝てる可能性を上げたくてギリギリの階級で戦うプロ選手がいます。
かんたんに「落とせないなら階級上げろよ」って言えないですよ。
ONEは水抜きできないように尿の検査?をしているらしいですが、これもテクニック次第でなんとかなるとかならないとか。
どの分野でもルールのギリギリを攻める人は現れるようにできています。
5.まとめ 全体から見たら
命あってこそ
誤解を恐れずいえば、体重超過も世の中全体から見ればしょせん「いちイベントのトラブル」にすぎません。
もちろんプロとしての責任を果たしていないので重大なミスであることは間違いないのです。金銭的にも信頼的にも大きな損失を出してしまいます。でもどんな仕事だってミスをして迷惑をかけることはあります。
しかし、命が一番です。
命を落としたり後遺症が残るような責任をとらないといけないような仕事はこの世にありません。「死んでも〇〇しろ」というのは比喩であって、本当に命を懸けるような仕事はあってはならないはずです。(警察官や消防士、自衛官など危険を伴う仕事であっても本質的にはそうであって、当人が死んではいけないと思います)
こんなことをいうとプロ格闘家の仕事をなめるな、と言われそうですが。。。それでも命以上に大事なものはないと思っています。その人の命、人生、家族の人生を失ってでも落とさないといけない体重はありません。
何が書きたいのかよくわからなくなってきました。
「体重超過は当然ダメだけど、死ぬくらいなら無理はやめてくれ。何事も命あってこそ。周りも必要以上に叩くことはやめようぜ。」
って感じです。
自分の思ったことをまとめられて満足です。
読んでいただきありがとうございました。
2024/7/5 アンディ
もし、良いと思ったら投げ銭をいただけると嬉しいです。柔術の教則購入や遠征費用に使わせていただき、よりよい記事を書く材料にします。
ここから先は
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?