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【4-4 (2)】消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓 一問一答

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■ 第4章 消化器系 資料配付ページ(プリント・スライド)
<4-1 口腔・咽頭・食道>
【4-1 (1)】口腔・咽頭・食道 解説
【4-1(2)】口腔・咽頭・食道 一問一答
【4-1(3)】口腔・咽頭・食道 国試過去問
<4-2 胃・小腸>
【4-2(1)】胃・小腸 解説
【4-2(2)】胃・小腸 一問一答
【4-2(3)】胃・小腸 国試過去問
<4-3 大腸>
【4-3(1)】大腸 解説
【4-3(2)】大腸 一問一答
【4-3(3)】大腸 国試過去問
<4-4 肝臓・胆嚢・膵臓>
【4-4(1)】肝臓・胆嚢・膵臓 解説
【4-4(2)】肝臓・胆嚢・膵臓 一問一答
【4-4(3)】肝臓・胆嚢・膵臓 国試過去問

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【肝臓の位置と形状】

肝臓は腹腔の (    ) に位置する

【答え】右上部

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.038

肝臓の上縁は(第  肋骨)の高さである

【答え】第5肋骨

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.040

肝臓はかなりの部分が肋骨の下にあります。乳頭は一般的に第4肋間なので、乳頭のすぐ下の肋骨(第5肋骨)の高さまで肝臓があるということです。

肝臓は (      ) により右葉と左葉に分けられる

【答え】肝鎌状間膜

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.042

肝臓は無漿膜野があるので「半腹膜内臓器」ですが、間膜を持ちます。
肝鎌状間膜と肝冠状間膜です。

肝臓の右葉は左葉では(  葉)のほうが大きい

【答え】右葉

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.044

肝臓自体が右上腹部にあるので、右葉の方が大きいです。
この厚くて大きい右葉にに押されるように、右腎が左腎に比べて少し低いことも関連して覚えられます。

肝臓の下面では右葉と方形葉の間に (   ) がある

【答え】胆嚢

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.046

肝臓下面と胆嚢、下大静脈の位置関係は、模式図を書けるようにしてください。

肝臓の下面では右葉と尾状葉の間に (     ) がある

【答え】下大静脈

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.048

方形葉は (   と   の間) にある

【答え】胆嚢と左葉の間

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.050

胆嚢の位置を聞かれたら「右葉と方形葉の間」ですし、方形葉の位置を聞かれたら「胆嚢と左葉の間」となります。
文字で覚えてもすぐにわ忘れちゃいますので、模式図を書けるようにしてください。

肝鎌状間膜で右葉と左葉に分かれるのは良いかと思います。図でいうと肝円索のところです。「胆嚢は右葉の下面」についています。胆嚢により右葉の一部が隔てられたところが方形葉と呼ばれるところです。

尾状葉は (     と   の間) にある

【答え】下大静脈と左葉の間

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.052

肝門を通るのは (      ・   ・   ) である

【答え】固有肝動脈・門脈・肝管

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.054

肝門を通る「固有肝動脈・門脈・肝管」はそれぞれ、グリソン鞘の「小葉間動脈・小葉間静脈・小葉間胆管」に対応します。

肝静脈は肝門を (通    )

【答え】通らない

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.056

これもとても良く出題されます。「肝静脈は肝門を通らない。肝臓上部後面の無漿膜野より出て下大静脈に直接注ぐ」と文章によるイメージで覚えるとよいと思います。

肝静脈は(     )に注ぐ

【答え】下大静脈

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.058

下大静脈は肝臓の後面を半ば埋もれるように走行しています。肝静脈は肝臓上部後面の無漿膜野より出て、そのまま下大静脈に注ぎます。

肝臓は全面を腹膜に覆われる ○×

【答え】× 無漿膜野は腹膜に覆われない

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.060

漿膜は「漿液を分泌する膜」、漿膜性心膜・胸膜・腹膜を指します。
つまり腹膜のことです。野は「エリア」という意味なので、無漿膜野 → 「漿膜が無いエリア」=「腹膜に覆われないエリア」です。

肝臓の無漿膜野には(    )が接する

【答え】横隔膜

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.062

肝鎌状間膜が肝臓の上部へ行くと、左右の肝冠状間膜に分かれます。肝臓の右葉、左葉の表面を覆う臓側腹膜が横隔膜下面の壁側腹膜に移行する部位です。左右の肝冠状間膜に囲まれた部位が無漿膜野で、横隔膜が接する部位です。

【肝臓の組織構造】

肝臓の実質は (      ) により多数の肝小葉に分けられる

【答え】グリソン鞘

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.064

グリソン鞘=小葉間結合組織
肝小葉と肝小葉の間の結合組織です。

肝小葉は、肝細胞が板状に集まった肝細胞索が (     ) に向かって放射状に並んだ構造をしている

【答え】中心静脈

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.066

肝門を入った固有肝動脈はグリソン鞘で (      ) となる

【答え】小葉間動脈

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.068

グリソン鞘には小葉間動脈・小葉間静脈・小葉間胆管が走行していて、これを「肝三つ組」といいます。
肝門を通る「固有肝動脈・門脈・肝管」はそれぞれ、グリソン鞘の「小葉間動脈・小葉間静脈・小葉間胆管」に対応します。

肝門を入った門脈はグリソン鞘で (      ) となる

【答え】小葉間静脈

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.070

小葉間動脈と小葉間静脈の血液は、ともに内腔の広い (       ) に注ぎ肝小葉の中心へと向かう

【答え】洞様毛細血管

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.072

中心静脈は次第に集まり (    ) となる

【答え】横隔膜

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.074

中心静脈は小葉下静脈を経由して肝静脈に注ぎます
小葉下静脈は出題されませんので、中心静脈が集まって肝静脈になると覚えて大丈夫です。

肝細胞でつくられた胆汁は肝細胞と肝細胞の間隙がつながってできた (     ) に分泌される

【答え】毛細胆管

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.076

血管の最も細いものが毛細血管であるように、胆管の最も細いものは毛細胆管です。

※ 毛細血管は血管内皮細胞によってつくられた「管」ですが、毛細胆管は肝細胞と肝細胞の間の隙間に胆汁が流れるようになっていて、細胞によって筒状の毛細胆管がつくられているわけではありません。

毛細胆管に注がれた胆汁は小葉間に導かれ (      ) に注ぐ

【答え】小葉間胆管

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.078

毛細胆管は肝細胞の間の隙間でしたが、小葉間胆管は上皮細胞により囲まれた独立した「管」です。

小葉間胆管が集まり(    )となって肝門を出る

【答え】肝管

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.080

胆路は胆汁が流れているので、基本的に「○○胆管」という名称です。ですが、肝門のところだけは、「肝臓から出ている管」ということで「肝管」という名称です。ここだけ「見た目の名称」なんですね。

洞様毛細血管の壁には活発な食作用をもつ
(      細胞) が存在する

【答え】クッパー細胞

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.082

クッパー細胞ですが、あはき教科書では「クッペル星細胞」と記載されています。これは発見者であるドイツ人のKupffer(1829〜1902)さんをカタカナ読みしたものなので、どちらでも大丈夫です。しかしひとつ紛らわしいことがあり、単に「星細胞」という場合は「ビタミンA貯蔵細胞」のことを指します。

Kupfferさんは肝臓の組織を観察するなかで、塩化金と塩酸で処理して黒く染まる星形の細胞を発見しクッパー星細胞と命名し、発表しました。ですがこれ、実は今日でいう「ビタミンA貯蔵細胞」だったのです。

その後、別な実験で墨汁粒子を取り込む細胞を観察し、これを上記の細胞と同一のものとして発表しました。こちらがマクロファージ系の細胞、「クッパー(星)細胞」です。

つまり、2種類の細胞を同じものと勘違いして発表してしまったために、今日においても命名の混乱がそのまま残ってしまっています。

洞様毛細血管にいるマクロファージ:クッペル星細胞=クッパー細胞
ディッセ腔にいる脂肪やビタミンAを蓄える細胞:ビタミンA貯蔵細胞=脂肪摂取細胞=伊東細胞=星細胞

紛らわしいですが、「クッパー、クッペル」とついていればマクロファージと判断して大丈夫です。

肝細胞索と洞様毛細血管の間が広く開いており (      ) という

【答え】ディッセ腔

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.084

ディッセ腔は血管(洞様毛細血管=類洞)の外なので、染み出た血漿成分で満たされていますが、赤血球などの血球は存在しません。

ディッセ腔には (        細胞) が存在する

【答え】ビタミンA貯蔵細胞

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.086

ディッセ腔にはビタミンA貯蔵細胞(脂肪摂取細胞)が存在します。

脾臓で破壊された赤血球内のヘモグロビンは (      ) となり胆汁の原料となる

【答え】ビリルビン

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.088

ビリルビン代謝(胆汁色素)
① 古い赤血球は、脾臓で破壊される。赤血球の破壊によって放出されたヘモグロビンはヘムとグロビンに分解され、ヘムは鉄を離してビリルビンという黄色い色素となる。このビリルビンは不溶性(間接ビリルビン)で、タンパク質と結合して肝臓に運ばれ、グルクロン酸抱合をうけ、水溶性のビリルビン(直接ビリルビン)となる。
②ビリルビンは、胆汁の成分として十二指腸に排泄される。腸にでたビリルビンは腸内細菌の作用により還元されてウロビリノーゲンとなり、大部分(約80%)は糞便中に排泄される。残りのウロビリノーゲンは腸から吸収されて循環血中に入り、一部は腎臓から尿中に排泄され、一部は肝臓を経て再び腸管に排泄される。
③ウロビリノーゲンとそれが酸化された生じたウロビリンを合わせてウロビリン体という。

【胆嚢】

胆嚢は胆汁を (   ) する

【答え】貯蔵

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.090

肝臓からは常に胆汁が分泌されていますが、大十二指腸乳頭のオッディ括約筋が閉まっているので、胆嚢管を通り胆嚢に溜まっていきます。

肝臓からは1日に500ml〜1,000mlの胆汁が分泌されているのですが、胆嚢の容積は50mlほどです。胆嚢は胆汁を濃縮して貯蔵いたします。

胆嚢は (   葉と   葉) の間に存在する

【答え】右葉と方形葉

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.092

胆嚢 :右葉と方形葉の間
下大静脈 :右葉と尾状葉の間
方形葉 :胆嚢と左葉の間
尾状葉 :下大静脈と左葉の間

文字で覚えようとすると大変。覚えてもすぐ忘れちゃう…
模式図かければ一発!

消化器系-44-肝臓下面を模式図で理解-SQ1000

胆嚢は肝門の右前方で (  葉) の下面につく

【答え】右葉

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.094

しつこいほど出しました。覚えてくださいね!

胆嚢の後方は細く伸び (    ) に移行する

【答え】胆嚢管

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.096

胆嚢の後方は細く伸び胆嚢管に移行します

胆嚢管と (A.    ) が合流して (B.    ) となる

【答え】A. 肝管 B. 総胆管

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.098

胆嚢管と肝管が合流して総胆管となります。

肝臓では常に胆汁が産生されていますが、通常、食事をしていない時間帯においては大十二指腸乳頭が閉まっています。すると肝管をとおって出てきた胆汁は胆嚢管を通り胆嚢へと入っていきます。

肝臓では1日に500〜1000mlの胆汁が産生されますが、胆嚢の容積は50mlほどしかありません。胆嚢は胆汁を濃縮して貯蔵します。

食事をして、十二指腸にアミノ酸や脂肪が到達しますと、I細胞からコレシストキニンが分泌。消化酵素が豊富な膵液分泌を促すとともに、胆嚢収縮をひきおこします。同時にオッディ括約筋が弛緩し、胆汁が十二指腸に放出されます。

このように、「胆嚢管のみ流れが双方向」であることも大切です。

総胆管は (A.    ) と合流して (B.        ) に開く

【答え】A. 主膵管 B. 大十二指腸乳頭

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.100

総胆管は主膵管と合流して大十二指腸乳頭(ファーター乳頭)に開きます

胆路において流れが一方向でないのは(    )である

【答え】胆嚢管

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.102

胆嚢管のみ流れが双方向( 胆汁が胆嚢へ入る / 胆汁が胆嚢から出る )です

総胆管の大十二指腸乳頭への開口部には (        ) があり、胆汁と膵液の分泌調節を行う

【答え】オッディ括約筋

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.104

総胆管の大十二指腸乳頭への開口部にはオッディ括約筋があり、胆汁と膵液の分泌調節を行っています。

胆嚢を収縮させ、胆汁の排出を促すホルモンは (         ) という

【答え】コレシストキニン

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.106

消化管ホルモンは「作用」をいきなり暗記するのではなく、「目的」を覚えると効率いいです。
コレシストキニンの目的は「消化
とくにアミノ酸や脂肪が豊富な少し脂っこい食事を消化するのに必要です。
よって、分泌刺激は十二指腸にアミノ酸や脂肪が到達したとき。I細胞からコレシストキニンが分泌され、消化酵素が豊富な膵液分泌を促すとともに、胆嚢を収縮させ胆汁を放出させます。


胆汁は脂肪を分解する消化酵素を含む ○×

【答え】× (胆汁は脂肪を乳化するが消化酵素は含まない)

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.108

胆汁は脂肪を乳化させることで、細かいつぶつぶにして、リパーゼが働きやすくすることによって脂肪の消化を助けます。
脂肪を分解する酵素はリパーゼで、胆汁には消化酵素は含まれていません

【膵臓】

膵臓は (腹膜  器官) である

【答え】腹膜後器官

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.110

十二指腸・膵臓・腎臓・副腎は腹膜後器官
個別に覚えず、「一括して覚える」のがコツです。(チャンク化

十二指腸は(膵  )をC字型に囲む

【答え】膵頭

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.112

十二指腸は膵頭をC字型に囲みます
まぁ、これはいいとして。
浅草にいくと、川の向こうに見えるアサヒビールの本社ビル。屋上にオブジェがあります。あれは「ウ○チ」に見えるという方も多いかと思いますが、私には膵臓にみえてしかたがないです。

膵臓は (第 ・第  椎) の前を後腹壁に付着して横走する

【答え】第1・第2腰椎

【徹底的国試対策】4-4 消化器系 - 肝臓・胆嚢・膵臓.114

膵臓は第1・第2腰椎の前を後腹壁に付着して横走しています。
ミゾオチの奥です。

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